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異世界から持ち帰ってきた相棒をオタク沼に落とそうと思う(いせぬま)  作者: ニキ
1-2:世界観説明回は新キャラと合わせることで舞台の奥行が広がるらしい

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1-S:単行本に付いてる4Pリーフレットのようなもの②

この作品に求められてる内容はこれじゃないけど、世界観は広がるので書きました

「──それで、今日対応してた子らってどのくらいヤバそう?」

「男の子の方は技能受けなかったから正確な返答は出来ないすけど、女の子……エミさんの方は化け物ですね、最低で特二ライン」

「うっわぁ……」

「特異性じゃなく出力で殴るタイプみたいですけど、手の内見せずにただ単純な火力だけで魔王粉砕してたんで相当危険です」

「それ二で済むの?」

「だから最低つったんですよ」


 ここは魔道管理局の休憩室。

 絶賛GW(ゴールデンウィーク)中である現世(・・)と違い、魔法界の市役所たる魔道管理局は平日だろうと祝日だろうと仕事量は大して変わりない。

 簡単なハローワーク業務や資格の発行、小さいながらも図書室も併設されてはいるが、なんせこの界隈に属す総人口が少ない。その分職員の数すら不足気味ではあるものの、特殊業務が発生しない限りにおいて、彼ら彼女らが仕事に追われることは少なかった。

 以上のことを踏まえた上で、今話している二人の顔色は全くもって優れない。異世界課と魔法技能検定所の受付である両人は、唐突に降って湧いた特殊業務のせいで頭を抱える羽目になっていた。


 特殊業務。

 それは異世界からの帰還者及び来訪者が発生した場合において、管理局の職員が御上──魔法省というトップ機関に提出しなければならない、()()()()()()()()()調()()()()()()()()のことを指す。


 新とエミが管理局に訪れたことで発生したこの業務は、条件が条件だけにさほど起こることはない。

 何故ならば『そもそも奇跡的な確率で現代から異世界に迷い込み』『過酷な異世界で生き延びて』『その上で永住を選択せず』『世界転移という神業に近い魔法を研究・開発・成功』させた人間しか、異世界から現代社会に帰還することは不可能であるからだ。


 ──そう。畢竟、異世界の帰還者とは必然的に化け物の集まりなのである。



 特殊業務とはつまるところ、その化け物共をもし万が一処理(・・)しなければならなくなった時に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を早期段階で見極めるために存在するのだ。



「能力の方受けた子は?」

「提出が早過ぎるからほぼほぼ調べてないでしょうね。帰還方法の回答的に、多分あの子自力でこっちに帰ってきてる」

「滞在期間は?」

「七年だと」

「超特?」

「肉体の再構築したらしくて魔力量が一般人並に落ちてるから処理だけなら特二で足りる予想。エミちゃんも絡んだら知らん、それこそ超特レベルじゃない?」

「うげぇ報告書だっるぅ……」


 例えば神様だのなんだのの上位存在から授かったチート能力を使ってのケースや、転生・転移時に課された目標クリアへの褒美に世界の管理者が元の世界に送り戻す等の、比較的楽な手段でこちらに帰ってきた人間はさして危険視されることは無い。


 前提として最初から快適に異世界を暮らせる者が、現代社会に戻りたいと思うこと自体が稀であり、仮に帰還を志す場合、他者の権能によって齎された力(チート)というのは、世界を渡る際に消失ないし機能しなくなることが殆どだ。

 上位存在によって世界の壁を超えたケースの場合、即ち自力で帰還するだけの能力を持ち合わせていないということになる。無論それなりの戦闘力は持つのだろうが、仮にこちらに帰ってきたとてそれが世界の上限(・・・・・)に届くことは無い。


 逆に危険視されるパターンは『他者の干渉を受けずに帰還手段を自力で用意した者』と『異世界からこちらに渡ってきた現地民』の二つ。


 チート持ちに比べれば極めて数は少ない。が、一定数存在する彼らは『別世界に渡る魔法を組める程の実力』を持つということであり、そんな奴らがナーフを食らわず唐突に地球に生えるのは脅威以外の何者でも無いのだ。


「特級って今何人居たっけ?」

「公務? 30人と少し。ただ要人警護とかで実働出来るのは良いとこその半分以下」

「それで超特って上に出さなきゃ行けないの? 報告書。絶対何か言われるって私ぃ……エミちゃん本当に特二あるの?」

「オブジェクトの使用無し、固有魔法判別不可、素のフィジカルと基礎出力が上限並み、データ取られてるの分かってるのか大技を隠す戦闘IQも余裕もあるし、その上で討伐タイムも文句なし。魔王あんな弱かったか? って感想がウチの部門から出るレベルの内容でしたね」

「見事に対策方法分からなくて特二不可避じゃぁん……」


 魔法技能検定。特殊な術式によって仮想空間を作り出し、データで作られたモンスターで戦闘力を図るその試験は、特殊業務対象の脅威度の測定にも使われる。

 最高位レベルである『仮想幻想体:魔王』を倒せる人間を『特級』と認定するこの世界において、手の内も切り札も情報不足(不明)なのも鑑みて『特級公務魔道士を最低でも二人、可能なら三人は同時に派遣しなければ処理出来るか怪しい』と評価されたエミは、来訪者の中でも紛れもない上澄みであり……そして、


「……願わくばこの子達が問題を起こさない良い子でありますように」


 ──そんな子を相棒に据え、たったの七年で次元の渡航魔法を組んだと述べた弱冠15歳の少年(本物の化け物)について頭を悩ませる異世界課の職員は、祈りにも似た呟きを漏らして報告書の続きを書き始める。

備考:作中における異世界に行った人間の内、帰還を選び成功した人の割合

"あなたが読んだことのある異世界又は作中転生/転移/憑依物の内、永住END或いは完結前にエタった作品を除く、最後に現実に帰還した作品の割合"でイメージしてください

読書歴を思い出してみると面白いかも?


備考:戦闘力

異世界調べ『現役の最強魔法使いランキング』

一位:アラン、二位:エミ

異世界調べ『歴代の戦いたくない魔法使いランキング』

一位:エミ(二位に大差)、二位:アラン


こいつらの戦い方を簡潔に話すならエミはゴリ押しでアランはマジレス

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