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奪ったのではありません、お姉様が捨てたのです

作者:佐崎咲
『ローラは私のものを奪ってばかり――もう私のものはすべてローラに譲ります。ここに私の居場所はない。どうか探さないでください』

 ある日そう書かれた手紙を置いて義姉クリスティーナは消えた。
 高い魔力を持ち、聖女となった義姉は王太子レガート殿下の婚約者となり、その立場から学院でも生徒会副会長を務めていた。
 一見して清廉で有能、真面目に見える義姉。何も知らない人が手紙を読めば、元平民でふわふわにこにこのお花畑に見える私ローラがすべて奪ったのだと文字通りに受け止めるだろう。
 だが実情は違う。『真面目』が必ずしも人々に恩恵を与えるものではなく、かつ、義姉のは真面目というよりも別の言葉のほうが正確に言い表せる。
 
 だから。 
 国の守りを固めていた聖女がいなくなり、次期王太子妃がいなくなり、生徒会副会長がいなくなれば騒然となる――はずであるが、そうはならなかった。
 義姉の本性をわかっていて備えないわけがないのだ。
 この国は姉がいなくても揺らぐことなどない。

 ――こんなはずじゃなかった? いえいえ。当然の帰結ですわ、お義姉様。

 
 あとはレガート殿下の婚約者だけれど、そこは私に手伝えることはない。
 だから役割を終えたら平民に戻ろうと思っていたのに、レガート殿下は私よりもさらに万全に準備を整えていたようで――

 私が王太子の婚約者?
 いやいやそれはさすがに元平民には荷が重い。
 しかし義姉がやらかした手前断ることもできず、王太子なのに鍛えすぎなレガート殿下は武骨ながらもやさしい寵愛を私に注いでくるように。
 さらには母の形見の指輪をはめてからというもの、やけにリアルな夢を見るようになり、そこで会う殿下は野獣み溢れるほどに溺愛してくる。
 武骨ってなんぞ?
 甘すぎて耐えられる気がしないんですけど。

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書籍になりました。
本編エピソード追加、番外編書き下ろしております。
小説は書店様により特典SSあり。
「いつか王妃に」(アニメイト様、まんが王様など)
「人それぞれの努力」(ゲーマーズ様限定)
「その太鼓の向こうには」(書泉様限定)

小説(紙)2025/2/28頃発売
小説(電子)2025/2/26配信開始
コミカライズ 2025/2/25よりPalcyにて連載開始
第一章 最後の尻ぬぐい
第1話 ヒロインという人
2023/06/03 15:43
第4話 王太子という人
2023/06/04 01:21
第6話 国王という人
2023/06/05 07:31
第7話 婚約者同士
2023/06/06 07:13
第8話 続・婚約者同士
2023/06/07 07:24
第二章 夢
第3話 それは怪盗
2023/06/10 13:24
第4話 夢の中なら
2023/06/11 11:23
第5話 演説
2023/06/12 07:24
第9話 修行と修行
2023/06/16 15:40
第三章 それぞれの目論見
第1話 帰ってきた人
2023/06/17 09:05
第3話 母を知る人
2023/06/19 08:07
第4話 国を出た人
2023/06/20 07:21
第6話 緑に寄り添う人
2023/06/22 07:24
第8話 企む人たち
2023/06/24 11:40
最終話 本当に欲しいもの
2023/06/25 21:24
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