表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レッドバード  作者: HT
encounter with idiots
39/54

8章A 颯爽登場



「なんだ!どうなっている。」

バードソンたち、黒い鳥は更なる新手の襲撃に混乱する。

そして現れたのは、黒いスーツ、怪しい仮面の男であった。レッドバードアーミーリーダー、多意田参次郎は、敵組織の格納庫であってもお構いなしに堂々としている。

「今回も本当に来てくれたんだな。まだ半信半疑だったから。」

太郎の正直な感想に、参次郎は軽く笑った。

「冷かしか、何かだと思ったか。俺たち赤い鳥はな、冗談みたいなバカな事を平気でやるバカの集団なんだよ。」

周囲に爆音をまき散らす派手な登場。冗談みたいな約束を守る、異常性。

それを堂々とこなし、目的も意味も分からず現れる。自分でも理解できなかったが、太郎にはこの男がとても頼もしく感じた。

「おっと、俺たちも忘れてもらっては困るねえ。」

「太郎だったけ。俺たちのリーダーのお気に入りは。」


太郎にとって、境川と立津人が身分を明かして太郎の前に現れるのは初になる。そのため、改めて挨拶をしに来たのだ。

「あの時の医者と看守か……。どうやって成り済ましたんだよ。」

「そこは企業秘密だねえ。」

「その話はともかく俺は十野立津人。この禿げは境川健太。適当に呼んでくれ。」

太郎の指摘を、雑に流した二人。

「禿げとは失礼だねえ。」

「事実じゃねえか。」

その様子は随分賑やかで、赤い鳥の信頼関係を感じさせた。

「まあいい、境川、十野、よろしく。」

太郎はそう言うと、敵に向き直る。

その一方、バードソンは宿敵の登場で怒りを一層増すことになった。

「なぜお前がここに。参次郎。」

「おう、参次郎参上だぜ。なんだなんだ、バードソンじゃないか?黒い鳥と暗殺団で何やっているのか知らないが、俺たちの敵が何かやろうとしているなら邪魔するしかないよな!」

参次郎は挑発的な笑みを浮かべた。警察が持っている限りの情報では、赤い鳥と黒い鳥は長い間対立してきた、言わば犬猿の仲らしい。確かに黒い鳥の作戦を、赤い鳥が妨害しようとするのは当然の事だ。

「なんで赤い鳥が警察と協力しているんだよ。」

「そうっすよ、警察と協力して何のメリットがあるんすか!」

ボーグとシャンパンノの指摘。これに答えたのは参次郎に続いて現れた立津人と境川だった。

「参次郎が太郎の事を気に入ったんだよ。それ以上でもそれ以下でもない。」

「参次郎からの話を聞いた限り、太郎の純粋な正義感は好きだねえ。」

彼らの回答は、単純であった。気に入ったから。ただそれだけ。

「ふざけるな!たったそれだけの理由で組織を動かすバカがいるか!」

「いるんだなあ。だって俺たち赤い鳥は、バカの居場所を守る組織なのだからな。」

赤い鳥のリーダーとして、バードソンの前に立ちはだかるその男の眼は、迷いなきものだった。

 「やっちまえ!立津人、境川!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ