7章E
「やめてください!」
そこで、彩矢がゴードンの後方、つまりシャンパンノとの間に立った。彼女は両手を上にあげ、交戦の意思はないことを伝える。
「ゴードンさんは殺さないで。狙いは私でしょう。」
状況的に、もともとゴードン一人で乗り切れるわけがない。ならば、ゴードンの命だけでも助けるために彩矢は、投降を選んだのだ。
「彩矢さん……」
「ゴードンさん、気にしないでください。助けに来てくれただけでもうれしかったです。でも、これ以上人を死なせるわけにはいかない。」
彼女が原因で、すでに多くの人が死んでしまった。これ以上、同じことを繰り返すわけにはいかない。
「なるほど。自分の身は差し出すから、侵入者は助けろと。でも、黒い鳥は本気を出せば、あなたに流れ弾を一切当てずにゴードンを仕留めることができるっす。つまり、その取引は応じられないっす。」
シャンパンノの言っていることは、半分強がりであった。先ほどまで、ゴードン一人に数人で苦戦していた。仮に彼の言うことが本当なら、彩矢がゴードンとシャンパンノの間に現れても、攻撃をやめる必要はない。
だが、現在格納庫にいないバードソンなら話は別だ。彼なら、ゴードンだけを正確に殺すことが可能であり、また、彼が駆けつけるまでシャンパンノがゴードンたちを足止めすることも可能である。
結果的には、彩矢を生け捕りにしたうえで、ゴードンを殺すことができ、彩矢の取引は成立しないということになる。
彩矢はこれ以上、ゴードンを守る術はなく、ゴードンも打開策は持ち合わせていなかった。
二人が絶望した、その時だった。
突如、閃光のごとく現れた乱入者が、シャンパンノの銃を切断した。その場にいた誰もが、そのことを理解するのに数秒を要した。
乱入者は立ち止まると、ゴードンの方に向き直る。名前の知らないその人物。しかしゴードンにとってその乱入者の顔は忘れることのできない顔だった。
「この基地の位置情報をくれたのは、君か。大手町以来だな。生きていたとは思わなかった。」
乱入者、芽里太郎はゴードンに複雑な視線を向け、言った。「やめてください!」
そこで、彩矢がゴードンの後方、つまりシャンパンノとの間に立った。彼女は両手を上にあげ、交戦の意思はないことを伝える。
「ゴードンさんは殺さないで。狙いは私でしょう。」
状況的に、もともとゴードン一人で乗り切れるわけがない。ならば、ゴードンの命だけでも助けるために彩矢は、投降を選んだのだ。
「彩矢さん……」
「ゴードンさん、気にしないでください。助けに来てくれただけでもうれしかったです。でも、これ以上人を死なせるわけにはいかない。」
彼女が原因で、すでに多くの人が死んでしまった。これ以上、同じことを繰り返すわけにはいかない。
「なるほど。自分の身は差し出すから、侵入者は助けろと。でも、黒い鳥は本気を出せば、あなたに流れ弾を一切当てずにゴードンを仕留めることができるっす。つまり、その取引は応じられないっす。」
シャンパンノの言っていることは、半分強がりであった。先ほどまで、ゴードン一人に数人で苦戦していた。仮に彼の言うことが本当なら、彩矢がゴードンとシャンパンノの間に現れても、攻撃をやめる必要はない。
だが、現在格納庫にいないバードソンなら話は別だ。彼なら、ゴードンだけを正確に殺すことが可能であり、また、彼が駆けつけるまでシャンパンノがゴードンたちを足止めすることも可能である。
結果的には、彩矢を生け捕りにしたうえで、ゴードンを殺すことができ、彩矢の取引は成立しないということになる。
彩矢はこれ以上、ゴードンを守る術はなく、ゴードンも打開策は持ち合わせていなかった。
二人が絶望した、その時だった。
突如、閃光のごとく現れた乱入者が、シャンパンノの銃を切断した。その場にいた誰もが、そのことを理解するのに数秒を要した。
乱入者は立ち止まると、ゴードンの方に向き直る。名前の知らないその人物。しかしゴードンにとってその乱入者の顔は忘れることのできない顔だった。
「この基地の位置情報をくれたのは、君か。大手町以来だな。生きていたとは思わなかった。」
乱入者、芽里太郎はゴードンに複雑な視線を向け、言った。




