表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/65

51話 大絡繰機構!

 助けて、わたしはシドニーのその言葉を聞き、気が気ではなかった。あそこまではつらつとしていた彼女がこうなってしまったのはなぜなんだ。わたしはウェストウッド家に目安をつけた。


「何か、あったのか!? ウェストウッド家で、そこまで精神をすり減らすようなことが!」


 けれど、彼女はこれ以上口を開かず、頭を横に振るばかりだった。


「ああ! あのイクスマグナのせいだろう! やつが! わたしたちの事情を無視しているから!」

「やめて……」


 彼女は俯きながらもこの言葉には抵抗を見せた。しかし、本当にイクスマグナは許し難い。今やつのことを考えるだけで、はらわたが煮えくりかえりそうだ。


「何もイクスマグナを庇わなくても!」

「もういいよ」


 わたしの肩に触れたのはアイシャだった。そばにはいつもうつろなモニーを連れて。振り向いて目に入ったその顔は、彼女には珍しく憂いたような目元だった。


「シド、行こう。ちょっと外の空気を浴びにさ。キーリーも何か食べたいものでもあったら出すからさ」


 彼女はそういうとシドの手を引き、そそくさと会場の外に歩き出してしまった。


「ちょっと! 待ってくれ! ゆかりさん! キエロとパイパーを頼む!」



「……ああようやく追いついたよ」


 5分とかかっただろうか。そろそろ第2試合も始まるってのに。


「シド、この会場には屋台もたくさんあるんだ。あそこにはフライドポテト、ああナゲットなんてのもあるな」


 シドは顔を上げようともしない。けど、アイシャは彼女に反応を示してもらおうと必死だ。


「ああ、チュロス! 向こうにはチュロスもあるぞ!」

「え」


 シドはアイシャの示す店の場所を見ると立ち止まってしまった。そして、そわそわと体をふるい始めた。


「少し渡れば渡りやすい歩道もあるけど……ええいめんどくさい! わたっちゃうか!」


 アイシャは手を繋いでいた彼女を引っ張り、道路に繰り出した。危ないなぁ、まだ車は行き交ってるぞ!


 わたしは近くの横断歩道を渡る。この地域の横断歩道は土の上に鈍色だ。後ろ姿だけでシドの反応はわかった。足も動かさず引っ張られてるだけの様。あまりに無気力で、目は回っているようにフラフラと足元が引きずられている。


 渡りきったシドに、アイシャは蓋のついた紙カップを差し出す。


「さて、チュロスを買う前に、喉渇かないかな? 生憎飲みかけだけど、これをあげよう」

「え、嫌だ」

「あ、ああ。安心してくれ、毒は入ってないよ」


 アイシャからなんで急にそんな言葉が出てきたかわからなかったが、とにかくシドは緊張を解いたか、それを吸い始める。


 しかし、その顔はどんどんと青くなった。ついにはシドはむせてしまった。咳もしていて、苦しそうだ。わたしは駆け寄ろうと脚を早める。


「アイシャ、騙したんだね」

「そうこれはコーヒーだ」


 コーヒー! シドが白万使いであることをこの会話で察した。基本白万を体内に移植した者にとってカフェインは猛毒。ただ、アイシャとモニーは自身の能力の影響が小さいからか例外的にコーヒーを飲めるに過ぎないんだ。


「アイスミッド!」


 あまりに軽薄な行動にわたしは喝した。アイシャはすぐにそのカップをシドから取り上げると、ストローを甘噛みする。それは、まるで冗談と言ってるかのように。


「なんてね、これは麦コーヒーさ。うちらが広めたことでも有名だろう? カフェインは入ってないよ」


 安心させるように諭しても、不審そうな目でアイシャを見る。アイシャはそんな途中も手を引きながらチュロスのキッチンカーの前に来た。


「すみませんチュロス三本」


 しばらくして店員からチュロスを受け取る頃にはわたしはモニーも含む3人のすぐ隣に着いていた。


「キーリー、シドが何に怯えているかわかってきた気がしたよ」

「なにさそれは」

「死だ。とても身近で、それでいて実感のない恐怖。誰もが訪れる結末に怯えているように見えた。もっとも、シドはそれが身近にある様に恐れているみたいだけどね」


 アイシャはシドにチュロスを渡す。渡された彼女はそれを訝しみつつも、渡した相手への信頼を取ったか一口だけ齧る。けど、その顔に幸せの色は見えなかった。


 続いてモニーもチュロスは渡される。ぼやけた顔をしながらもチュロスを食べているモニー。ボロボロとカケラを落とす様は夜のクールな彼女からは想像もつかない。


「なあ、それ」

「残念だけど、キーリーの分はないよ」


 ケチ。と思ったがわざわざ口には出さなかった。そもそも仮にも妹に奢ってもらうなんて、年長者としてこそばゆいしな。


「まもなく、第二回戦が始まります……」


 会場にはアナウンスが流れた。まずいね、試合会場だいぶ遠い。これじゃ間に合わないかも。仕方ない。


「ここに携帯端末がある! これを耳で聞きながら会場に向かおう!」

「さて、次の対戦カードは田中巻人の里見式絡繰人形乙三式VSレア・ジェンキンスのレーアマシン・メイルストゥム!」



「試合開始!」


 会場の目の前まで走り来た。懐から合図が聞こえてくる。しかし、始まった戦いは不思議な空気が伝わってきた。


「どうした? 乗らないの?」


 レアの不思議に思う声が聞こえる。


「おお、まだこれを見たことがないと。いいねぇ、良き良き」


 巻人は老獪に笑う。


「これがわっしのやり方でねぇ。悪いが手加減はできねぇよ。一度動かしたら止まらない、このカラクリ機構には!」


 何かを引き抜いた音がした。それと同時に後退りの音も聞こえた。その後に耳にしたのは、金属の擦れ合う音。それは、オルゴールを回し始めて曲が鳴るまで聞こえる音、工場へ行くとまれに大きく軋む音。そう、歯車が噛み合う音だった。


 動き出したと思われし絡繰人形は思った以上に速いようだ。オンボロと思っていたが、初速で風を切る音が聞こえた。


 そして、素早くレアのレアーマシンに何かぶつけているように聞こえた。その時聞こえた金属音はクリーンヒットとは言えない、鈍い音だった。しかし、音の衝撃はすさまじいものに感じ、威力だけはかなりのものだと思う。


 すると、ぶつけ合う金属音は急に止んだ。会場からざわめきが聞こえる。レアの声色も白熱から困惑に変わった。


「どうしたー!? やる気でも無くしたのかー!」


 しかし、会場のざわめきはおかしかった。不安の声ではなく、ついに来たかという興奮にも似た声に聞こえた。


 何が起こってるんだ、わたしには確かめられなかった。けど、もうすぐわかる。もう席の入り口まで来ているのだから。


 また、新たな情報が端末から聞こえてきた。状況は一転したらしく、金属音が改めて鳴る。レアはそれを受けとめる。踏ん張る声が口から漏れた。


 するとどうだろうか、何やらまた響く音がした。しかし、それは歯車の音でも、機械同士がぶつかり合う音でもない。何か、ひとつ小さなものが鈍く跳ね返った音だった。


「なんでしょうか! 部品! 部品が落ちた!」


 基本的にその場に任せ、話すこともあまりなかった司会はここぞとばかりに声を上げる。


 ああ、ようやく待たせていた皆のもとについた。


「キーリーちゃん! 指定席だったからまだしも、これが自由席だったら大変デスよ!」


 ゆかりさんに、手を添えた会釈してお礼をすると、会場を見下ろした。そこにあったのは異様な光景だった。


 確かにレアと相手の錆万装は戦っている。けど、そこに操縦者のはずの田中巻人の姿はない。


「おおー! 今日は絶好調だな、よきよき!」


 ではどこにいるかといえば、彼は来賓席の前で臆面もなしに自らの機体の応援に励んでいたのだ。来賓の中でも屈指の錆万装舞踏ファン、ンドロード王はこの奇異な光景に歓喜の男泣きをしていた。しかし、スプレーで冷却をし続けているベイリント氏の目はあまりに冷たかった。


 そして、何も乗っていないその機体は多少めちゃくちゃな動きもするが、自立して地を駆け、戦闘を行えている。


「あれは……?」

「そう! これこそ田中さんの十八番、自立して動く錆万装!」

「このようなものを見れるとは、長らく大会への出席を懇願してきた甲斐があるというものだ!」


 もはや周囲からはこの光景は不思議に思われていないみたいだ。


 確かに、自立して動く機械は不思議なものじゃない。ではおかしかったのは何かといえば、部品の落ちたその機械のパーツの出所、どう見ても電子的な部品が見えないじゃないか!


「自立型錆万装、当たり前だけど基本はプログラムで動いている。けど、田中さんの錆万装はそれを使っていない。相変わらず狂気の技術力だね」


 本田と呼ばれた学生はそう言ったけど、しかし見えている場所にこれといった機構は……まさか!


「歯車でここまでなんて、どうやったら考えられるんだろうね〜!」


 歯車! プログラムやその他の電子部品ではなく、歯車で! しかしどう考えても歯車は応用が効かず、状況に応じた行動なんて出来るわけがない。今現在目に見えてるそれを到底認めたくはなかった。あんなに複雑な動きを、それも状況に対応した動きまで歯車で構築するなんて、常人には不可能だ!


「ああっと、表面を覆う鉄板が剥がれた! これは田中、らしからず整備に油断があったか!」


 機械をぶつけ合い格闘している二つの機体。その一つの似合わぬ大きな機体にのった少女、わたしも知るレアの顔を見た。事態は好転し、これ以上ないほどに有利な状況。けど、その顔は、血の気が抜けぞっとしていた。


「歯車……? それも複雑に……無数に……」


 わたしはこの反応にレアを疑った。彼女は機械とは常に共に、寝る間も共に生きていたほどのギークだ。だからこそ、海千山千の技術者と渡り合えるこの大会で正々堂々と戦い、その技術力を知らしめたいのかと思っていた。


 しかし、わたしはふと疑った。今、ネジが落ち、鉄板が剥がれたそれはレアの機体の力じゃない、白万の力で得たものじゃないかと。確かに、レアの白万はそういったことだって可能だ。


 いいや、そんなわけない。わたしは自分の中に理想のレア・ジェンキンス像を植え付けた。こんなまたとないチャンスを、棒に振るなんて、そんなわけない。


 鉄板の中にあった歯車回廊は回り続け、しばしパーツが崩れ続ける。しかし、絡繰に不調の様子はまるでない。むしろ自らの体の弾ける様を快感とでもいうように勢いを増してレアに攻撃を浴びせ続ける。そして、その攻撃についに取り物を使用した。


「あれは! 丸ノコ! 丸ノコのようです!」


 しかし、わたしにはわかった。丸ノコというにはあまりに歯が太い。そして、その根元はとてもよく駆動するようになっていた。これは刃物じゃない!  


 その丸ノコのような歯車を絡繰は、振りかざしてレアーマシンの腕に強く打ちつけた。


「ああ、あんなのが直撃したら……」


 シドはこれを見てひどく怯えている。わたしが目をやると、アイシャは彼女の手をギュッと握りしめた。

 回転する歯車は少しずつ、しかし確実に機械の腕に連撃を加える。レアーマシンの腕は跡が残り、ベコベコになる。


 しかし、レアもただやられてばかりではない。双肩を突き出し、腕を押さえて相手を捕らえた。


 こうすれば、相手は普段より強く腕を振らないと抜けることもままならない。しかし、ゼンマイ仕掛けにそんな判断はできないだろう。アイシャもこれを見て、


「こりゃあ、勝負あり……かな?」


と判断した。


「いや、田中さんはこの程度、考慮していないわけはない!」


けど、後ろの学生はそうは思っていなかったみたいだ。


 事実、絡繰は相手の脇に一撃加える。人間なら確かに急所だ。機械であるレアーマシンもこれには一度たじろぎ、掴んだ姿勢を崩した。


 離れたレアーマシン。それに迎え撃つ絡繰の腹があらわになった。先程よりもさらに脆く中身が崩れていた。部品はボロボロと落ち、すでに壊れていてもおかしくはない。


 だけど、なお絡繰は動いた。来賓のンドロードも格闘戦のなさに辟易としていたが、これには喰いついた。


「嘘だろ!?」

「素晴らしい根性、それは機械を扱ってきた練度の成せる技。なんという妙技!」


 絡繰はいまだなお、不調は見られど平然と地をどっしりと踏み込むと、素早く後ろにみじろいだ。勢いに負けたレアーマシンが手を離すと、また2体が向かい立つ。


「ああーっ、拮抗状態だ!」

「さて、そろそろ仕掛け始める頃合いかな」


 田中巻人は遠くで不敵に笑った。それに応えたか、ただの偶然か、絡繰は足を曲げ、快速に駆け出した。相手は正面から手をクロスして守りを固めつつ、シンプルな突進チャージを行った。


 機体はぐらつき、レアーマシンは右手で地に手をつく。そのまま絡繰は連続して歯車を打ち込み続ける。しかし、動くと共にパーツは腹から崩れ落ちた。


「ジェンキンス選手防戦一方! しかし、田中選手の部品も落ちつつあります!」


 レアはこの状況、熱汗冷や汗混ざりかいていた。けど、それと同時にどこか顔はさわやかな雰囲気を纏っていた。


 相手の歯車が攻める。それをレアは根元に一撃、打ち込んだ。受け流された歯車は、明後日を向く。


 激しい戦い。アイシャの側手を握る、シドの怯えは増していった。


 絡繰は後ろを向いて走り出した。戦いの舞台の外周をなぞるようにして走り出し、撹乱する。


「どこだ! どこからくる!」


 東の端まで行ったところで、絡繰は地を足蹴にした。レアは正面から迎え撃とうと飛びかかりにいった。


 けど、絡繰はすぐにきびすを返した。レアーマシンはこけて、体制を崩す。


「フェイント、いや、そもそも田中さんは最初からこの状況で攻撃する機構すらなかったのかも……」


 本田は何やら複雑に考えているみたいだ。


「体制を崩したかレア選手! 追い討ちのピンチです!」


 実際、仕掛けに行ってもおかしくない。けど、絡繰はフェイントをかけ続ける。何度も、攻撃を仕掛けるように見えて、しない。


「もう! こっちからやってやる!」


 レアは痺れを切らして、また攻めに入る。


「おっと、この時の行動は、まずいかもね」


 老獪に田中巻人は膝を叩いてみせた。自分が動けないとか相手がそこに攻め込むだのは自分にとっても予想外、しかしそれすらも楽しんでいる、わたしはそんな風に捉えた。


 事実、その無鉄砲な突撃は大打撃を与えた。相手の絡繰の傍を刺すその一撃は、内部を露出した絡繰に火花を喰わせた。


 絡繰は明らかに動作を狂わせ、足を動かすのもぎこちなくなった。歩くために、兵隊のように手を動かして進もうとすると、腕がとれた。バランスをおかしくししゃがむと、膝が割れた。レアーマシンはこれみよがしにふっとばした絡繰へ接近戦を仕掛ける。


 だが、絡繰はレアがのしかかるその巨体の脇腹を小さな鉄骨でついた攻撃した。あまりに大きく傍を空け文字通り手の回らないレアーマシンには不意の一撃となった。


「嘘だろ! あれで見えてないのか!」


 わたしは田中巻人の様子を見た。ご満悦そうにして、余裕綽々といった風だ。そして、口を開き笑いをこぼそうとしていた。


「しかし、まずいな……」


 その口からこぼれた一言は意外なものだった。幾多攻撃を受けようと、彼が試合の主導権は握っているように見えたからだ。


 歯車をまた振りかざす絡繰、しかし、それに笑ったのは噛みつきそうなくらい尖った歯を見せるレアだった。


「ついに、向いてきたー!」


 その攻撃は右にかわす。対する絡繰はまた会場の周りを走り出した。今度はより客席スレスレに進んだ結果。バリケードが大きく凹む。


 それを見て並走したのがレアだ。機体の速度はあちらが上だが、向こうが踵を返したことで絶好の隙が生まれた。


「ぶちこむ! レアーァァアアアラリアット!」


 腕は太いレアーマシンは相手の巨大かつ精密な絡繰に当たる大きな音は、ガラスが割れるような繊細で大胆な音だった。


 大きく破壊された絡繰。しかし絶えず攻撃を仕掛けるも、その拳は空を舞う。レアが隙だらけの脇を持ち上げると、虚しくその絡繰は動き続けるのみで、レアの機体の腕に、手足が届くまでに、パーツを落としたのだった。


「素晴らしい判断だ。レアーラリアット……。良い技名だな!」

「勝負あり! ただいまの試合の勝者、レア・ジェンキンス選手! 初試合にて快勝です!」


 試合終了の合図が鳴れば、周囲は大いに湧き立った。機体のニューホープが大活躍をした様は、あまりに物語的だ。


 だけど、後ろの学生は見据えていたといっていい。


「しかし、なんであんな上手いこと逆転できたのかなぁ〜」

「田中さんは普段なら優勝候補とすら名試合にできる。現に最初だって……」


 そんなどよめきの中で、勝ったレアは機体の拳をシンバルのように鳴らし、やがて突き上げた。


 レアが大きな錆万装から飛び降りると共に、観客席では田中巻人さんが座ったまま腕を組んでいた。


 長年の経験すら活かせない試合にさぞかしい悔しげな口元を……あれ?


「がはははは! いいものを見せてもらったよお嬢ちゃん!」


 彼は笑っていた。それも豪胆に、負けたとはどだい思えないほどに。


 そして、老体とは思えないほど軽快に席から立つと、レアの前まで来て腕を差し出した。


「嬢ちゃん、もしや……」


 この言の葉に、わたしは肝に冷えるのを感じた。もしや、レアは白万を使っていて、それがバレたんじゃ……。頭はイヤな冴え方をした。


「読めていたね?」

「もちろんだもん! 途中から行動が繰り返してるなーって、思ったからな!」


 よかった、安堵をしてしまった。インチキをしたレアはいなかった。


 しかし、それと共に意外にも思った。レアがこのループを見破ったことだ。争いの場に出たこともあるわたしですらまるで分からなかった。へー、意外とよく見てるんだなぁ。


「ありゃあ、こりゃあ不備だな。念入りに見たつもりだけど、生きてりゃ面白いこともあるもんだ!」

「それと嬢ちゃんじゃなくて、苗字か名前で呼んでほしいぞ!」

「おお、そりゃ悪かった。レア! 若き技師さん! 頑張れよ!」


 去り行く田中巻人は、試合会場の外に出ようというところでふと振り返り、指を鳴らすとレアに語りかけた。


「そうだ、いい試合のお礼に奢らせてくれ」

「いいの!?」


 レアは喜んでついていこうとした。まあ怪しい人ではないけど、さあ! もっと危機感ってもんを! 


「疲れただろうしな。そうだなぁコーヒーブレイクでも……いや君くらいの歳だと軽食のほうが好みかな? 何がいい、サンドイッチか、ハンバーガーか、それとも和風なにぎりめしでもいいぞ!」

「コンビーフ! コンビーフがいいもん!」

「ははは、この歳でそれは珍しいな、愉快愉快」

 

おまけ

レアのひみつ

実はしょうゆが苦手

ミラ「こんなにサメっぽいのに刺身とか食べないの?」

レア「醤油は口の傷に染みるから! 煮物はすきだもん!」

ミラ「まあ、あの歯の鋭さだしね……」

ラミエリ「あれ、でもこの前刺身食べてなかったっけ?」

マルファ「これならあるが(マグロダシー」

レア「ありがとう!」

ミラ「さてさて、どう食べる……」

机の上から瓶の中身の粉を手につまみ、振りかける。

ラミエリ「塩派!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ