コマの1日
コマの1日は神社から始まる。
早朝、毎日参拝にくるお爺さんの相手をすることが日課になっている。
「あと何回コマに会えるだろうね」
弱気になっている時はいつも、『元気でいてね』といわんばかりに頭を撫でる手を舐める。
その後は、商店街をぶらぶらする。
途中お店の人に声をかけられる。
今日はお肉屋さんに、余り物のジャーキーをもらった。
「コマが来てくれるようになってから商店街も賑やかになったよ。コマは幸運の招き犬だね」
『またいつでも来ておくれよー』
おばさんの声を背後に聞き、コマはいつもの場所に足を進めた。
場所は公園。ここでは学校帰りの小学生とフリスビーで遊ぶ。そして、17時になると『ワン!』と鳴き子供たちに帰るように促す。
子供をたちを見送ったあとは帰路につく。
神社に帰るときにはすっかり日は落ちている。
『今日も1日疲れた』と定位置に座り込むコマ。そのまま眠りにつく。
台座の上で。