冬の生活
毛織物にエンチャントもしたし、さあ西だ!といきたいんだけど、これからこの地域は冬になるそうで。そっか12月だったわ。魔の大陸がここより南でつまり赤道に近いから季節感を忘れてたよ。3ヶ月は動けなくなるらしい。ううーんどっかの世界の星の9ヶ月分。ううーん。
しかし地理がわからないんじゃどうにもならないので、テントはって野営の準備をすることにしたよ。3ヶ月宿に泊まるんじゃお金がかかりすぎる。トレーダーも野営を選択しているのでそこにお邪魔させてもらうことにした。あー焚き火が暖かい。
しかしトレーダーが持っている焚き火の薪が3ヶ月続くわけもなく、夜の料理と暖取って寝るときだけしか使えない。それじゃ寒いー。私コートないしトレーダーはふっかけてくるしどうしよ。うーん、ここは「薪を作る」か。
ここは森があるので、まずナノチェーンソーで木を切り倒して、適当なサイズにカット。それを魔導の力で空間の温度と湿度の出入りをそれぞれ一方方向に固定する、「空間固定温度湿度フィルターバージョン」を展開して木をその空間内に投入。ナノマシンと魔導を使いつつ温度とかを揚げていって強制乾燥。これで大体の準備は終わり。
これでできた薪の素を私が「なんの力も使わずに」薪割り!斧は街で借りたよ。やっぱ力がないと、次回殴り合い、空。なんかしたときに殴り負けちゃうからね。まだ死ぬほど寒くないから大汗かきつつ薪を量産。マリーにどんどん詰め込んでいくよ。ラッセララッセラ。
毎日筋肉痛になりながらも3週間で3つの木を薪にすることに成功。もう結構寒いのでこれからはブルーブラッド使いながら薪割りしていくんだ、ブルーブラッドも筋力増加とか各種アシストで助けてくれるしね。
ブルーブラッド効果はすごくて今までの作業がすんなりできちゃう。さらに1週間で3つの木を薪にすることに成功。薪の在庫はこんなもんかな?家に設置するようなストーブあればな。
2ヶ月目に入ったわけですが、寒い。寒いなら
筋肉を動かすんだ。筋肉が熱を出して体を温めるby冒険家
というのを500年ほど前にみたので走り込みをずっとしてました。雪の中。街、といっても村に近いけど、中心部は除雪してあるからね。走れる。除雪も手伝ったよ。しかし雪があると体力が持っていかれる持っていかれる。ヒイヒイ言いながらの走り込みと除雪でした。除雪は喜ばれたなあ。
ここに来て問題が発生しまして、今までマリーで寝ていたのが災いしてテントがチャッチイんですよ。どんどん隙間風はいるしどんどん寒さは浸透してくる。きつい。いやマリーで寝ればいいんですけどせっかく作った薪を使いたいわけで。なので、作りました。
犬小屋ならぬ榊風鈴小屋。すごい簡素。横に畳2畳並べたくらい。それに1畳分の土間。後は将来のことを見据えてストーブ用の排気口がついてるくらい。でも木造でナノマシン溶液でパテしてあるから風は入ってこない。中で薪に火をつけてもナノマシンパテが「人体に悪いものは通す」をしてくれるから土間で焚き火し放題。臭くはなるけどね。
薪パワーに何枚もの革を重ねて作った寝袋で寒さ問題は多分解決。トレーダーや街の住民が薪欲しがってましたが譲らんぞ、売るけど。
そんなわけで薪を売りながら薪を作って体鍛える冬になりましたね。幸い広い森だったので選別しながら木を切り倒していけば問題ない感じでした。切り倒しすぎて森が消えたらやだもんね。
風鈴小屋は高さを140cmから210cmに変えたくらいですかね。あんまりでかいのもねえ。ああ、ストーブ用に土間を拡張しました。ああ寒い、薪ストーブ、この街に安く売ってないのかな。駄目、素材がないそうです。マリーの中に入ってる金属を見せましたがこれじゃいいのは作れないそうで。いいのじゃなくていいです。作ってもらいました。ゆうて3週間かかったけど。
「あの山に生える金属ならいいのが作れるんじゃが。」
生える金属。気・に・な・る☆
とりあえずサンプルを見させていただきました。ナノマシン鉱石じゃんさ。すりつぶしてからナノマシンパワーを注げばすべての原子になるとても素敵な金属。魔導鉱石があれば融合鉱石になるんですが。まあそれも解説は後でかな。
うーん欲しい。道中危険なモンスターや生物はいらっしゃらないんでしょうか。
「ゴブリンが出るぞい、群れで襲ってくる、一人はやめといたほうがええ」
ご
ぶ
り
ん
え、こっちの大陸はファンタジーか何かなんですか?それともクレーターばかりになる世界超大略大戦の影響?逆に興味がわきました、向かってみましょう。
黄色い猿じゃねえか。がっかりもがっかりなんでアサルトライフルで掃射。ボスも普通サイズなんでアサルトライフル。小賢しいのと黄色いということでゴブリンと名付けたんでしょうね、まあまあ似てる。
今あるナノマシン鉱石は僅かでしたが、まあどこかのタイミングで工作に使うんじゃないんでしょうか。ナノマシン、ついでに魔導に使う魔素は集まって色んな鉱石に化ける性質があるんですよね。この資源が乏しい星で文明が栄えた鍵は、ナノマシンと魔素の鉱石化です。石油石炭はめっちゃあるんだけどねえ。
さてさて、ごぶりんの正体もわかったし鉱石も取れた。後1ヶ月くらいで雪解け。うん、体鍛えることくらいしか本格的にやることなくなってきました。冬は鬱になるといいますが本当ですよ…
そんな折、毛織物をやらないかというお誘いが。手編み物ですけど。やりますやります!もこもこタイツとあったか靴下、フェルト生地のブランケットを作らせていただきました。あたしトリプルなんで全ての技能が7割はあるんですよ。今だと7割8部くらい?考えてみるとこれ最強だよね…?なんでも7割できるしなんでも7割の知識あるんやで。まあそういうことで楽しく手編みさせていただきました。
「ふんふーん♪」
「なんだよ嬢ちゃん、機嫌良さそうだな。そんなに薪が売れてるのか?」
「薪は生活必需品だから大した利益は出ないようにしてますよ。それより毛織物で全身防御したら格段に暖かくなって。」
「ああ、なるほどな。」
そうなんです、毛ってすごい。重ねれば最新繊維並に風は通しませんし温かいんです。北国の人が毛皮をよく使う理由がわかった気がします。あたたかーい♪あたたかーい♪
暑い。薪割り走り込みの時まで着るんじゃなかった。何バカをしているんだ私は。運動するときは運動着に着替えなさい、OK?
そんなこんなで3ヶ月立ち、出立のときが来ました。結構な人が見送りに来てくれたよ。薪効果はすごいと見た、くくく。いやそれ以外にも交流したからね!
「また来ておくれよー」
「今度は違う織物しましょうね」
「薪ありがとうよ」
「犬小屋のお姉ちゃんばいばいー!」
ぐさぁ!いや犬小屋じゃねから榊風鈴のお家だから!ま、まあいいや、
「いってきまーす!」
ということで次の街に向かうのでした。ここから西だとやっぱり寒いんじゃないかな?緯度変わらないよね?
ちなみに道中は雪解けでぬかるんでおり全然快適ではなく、スタックしたクルマをマリーが牽引して引っ張り出すといった形を何度も繰り返してました。あれ、マリーってそんなに馬力あったっけ?引っ張るのに向いてるのは無限軌道で足がスリップしないからだけどさ。
ナノマシン溶液でパワーつけてるのかな、勝手にさせてるから今のマリーの能力よくわかんないや☆
さ、次は西の街ですよ