15・洗車装備
とりあえずこのXXX01魔導アーマーは召喚が可能ということで、軍の研究施設を第2拠点にして整備用ラックを借りてそこに置くことにしました。
かなり意気消沈したまま町に戻って、スカベンジしたものを売り払い、後はトレーダーの車の所にマリーと一緒にいてうんうんうなってました。
私はカエルの手のひらで踊っているだけなんだろうか。このまま生きて良いものか。いっそ死んじゃった方がカエルから逃げられるのでは。
うーんうーん。逃げたい。立ち向かう必要なんてあるのだろうか。
うーん、酒場に入ってエールを飲んでもうんうんうなってました。
「どうしたお前さん、なんかあったか。」
「いや、誰かの手のひらに踊らされていることが分かって…どう生きれば」
「ふーん、手のひらに踊らされても悪くないし、あらがうのも1つの人生じゃな。ワシはレイダー生まれだがレイダーというゆりかごを捨ててここでScavengerとして生きておったりする」
「あらがっても無理な場合は?」
「さあのお。そのまま利用されるか少しでも反抗するかくらいしか思いつかん」
「反抗ですか。反抗…」
このまま成長しないでいるか、この世界でくたばるか?ちょっと悲観的すぎる…
ヒキガエルに立ち向かうのは…無理だよねえ。相手は事象でも大崩壊を起こしたであろう大魔王だ。あの騒動で私を見つけて500年眠らせた大魔王だ。
「悩んでおるのう、人は死ぬときは絶対来る、悩みすぎて死んでもしょうが無いぞ」
「まあ確かに…」
「中道は良いぞ、悪事もせず良いこともせず、ただ中を歩むのみ。思惑に乗らず自分の考えに従って生きる。死ぬときにいかに悪くない人生だったかと思えれば良いかものう」
「中道、ですか。」
つまり、このまま沈んでいかず、かといって美味しくならず、そうすれば悪くない最後を迎えられる?そうかも、いやそうだ。そうだと思わないと進まない。
「私も中道を歩んでみます。よい最後を向かえるために。」
人は死ぬ。だから死を恐怖する。でも死ぬことを受け入れれば少しは怖くなくなるかもしれない。
死ぬまで歩もう
「決意したようじゃの、それじゃあの。」
「はい、ありがとうございました。」
誰か分からない親切なおじさんに助けられて私は立ち直りました!!ありがとうおじさん!
決意を新たにした私はやる事を再開、まずはガラス繊維で防刃ベストを強化する所から。高分子ポリマーを生み出してガラス繊維と防刃ベストの繊維で強化。大目に生み出せたので膝とすねを守る装備も作成。メタルアーマーの背面にくっつけた感じ。
X105とXXX01は何かで繋がっていて、それに私も連動しているので本当に3つの力の出力が強化されました。いままでを70とすると75から77くらい。最大で1割近く増えたのはデカい。どうにかして強化していけば100も夢じゃないかも。
装甲がなくても魔導アーマーなのでXXX01に乗っているときの強さは尋常じゃないです、壊れやすいマニュピレーターも全然壊れないし、殴れば壁は破壊できる。腕自体がスレッジハンマーだ。
つーことで中心部へのスカベンジを再開。急所は守ってあるしX105もある、01でボッコボコに出来るし敵はいないようなもんだ!最近はマリーも銃で撃ってくれるようになったしね!わははははは
日用品をおいていたであろうお店を発見、中を覗くとトイレ用品やスポンジ、お風呂系統が残ってたよ。トイレは洗剤と洗浄する長いタワシが使える、スポンジは言わずもがな、お風呂はお風呂の椅子が野営の時など、休憩するときにぴったり。シャンプーとかコンディショナーにトリートメントもあった!全部買い占め。悪いけどこれは渡せない。お化粧品ないかな。ここにはないか。歯ブラシを発見ーこれで交換が出来る。
結構良い感じにものが残っているので、クルマがあったであろうガレージを住宅街で物色。商業地区のカーショップに行きたいけど間に合わない可能性が高い。
ありました、洗車系統一式!洗うための道具は風化してるけどスポンジはさっき手にれたしこれでマリーを磨くんだー♪売るためのスカベンジじゃなくなってきてるね。
マリーは自動で修復するからレンチとかスパナはいらないけど、これも素材になるし、クルマを解体すれば素材の宝庫。もらっていきましょう。風化しないものは結構そのままで残ってるね、むき出しの鉄とかは錆びきってるけど。
帰りはXXX01を研究施設に。XXX01は軽い硬い金属だけど物理法則を壊して超密度にしてあるから250kgはあるっぽいんだよね。マリーの形状バランスの関係で運転席じゃなくてカーゴでCarryしてもらわないといけなくなる。180cmだから運転席に乗れるんだけど、ね。あ、普通の魔導アーマーは大体2m50cmから3mです。このサイズはこっちのコンテナ輸送ができる最大サイズなんだけど、この規格の最大コンテナで輸送できたのが普及の最大の決め手。専用のものを作っていたんじゃコストがかかりすぎる。他にも特注機はあったんだけどね。
最大時速45kmで走れるようになったマリーと運転席でおしゃべりしながら町に到着。マリーになってからだんだん性格が女性になってきているのでガールズトークに花が咲く。
ああ、マリーがいたお陰で心が軽くなる。出会って良かった。
さて、町に戻ったしすぐにマリーのお洗濯。物理で水を出して魔法のサイコキネシスでゴシゴシ手が届かない所まで洗います。ワックスを掛けて磨いて磨いて磨いたら終了。ぴっかぴかやー!マリーもキュラキュラ超信地旋回をして喜んでる。ピカピカライトを点滅させてるし。あれ、そういやフォグランプや遠い前方を照らすスポットライトって無いの?
きゅらきゅら
ないんだ、うーん整備工場に行かないと無いだろうなあ… パーツさえあればマリーが自分で取り付けるんだけど。トレーダーの移動の時はXXX01装備してCarryの所からライトを照らすか。夜も走るそうだし、この小ささだと置いて行かれちゃう。あ、Carryする分だけ全長は50cm延びました。今3500mmくらい 横は履帯込みで1540mm縦は1550mmにしたって。
女性だから横に増えるのは嫌だけど、私のためにやってくれたって。号泣うるうるうるうる。この効果で履帯に厚みが出て奥行きが増えて幅広くなるんで悪路走破性能もアップしたよ。ちなみに1421mmと1363mmくらいの横と縦だったので大幅に大きくなってる。
このこのモデルは「ルなんとか三世」の愛車であるフィアッ…126を元にして後ろにエンジンを置いて履帯がついてるけど、言ってしまえばただのクルマだったのによくもまあ頑張ってくれる。後ろのエンジンをナノエンジンにして軽くし中央に配置、熱をあまり出さないのでOKOK。エンジンがあった場所にカーゴスペースと、カーゴに覆い被さるように異次元倉庫を搭載してる。2人乗りのドアは…表現しにくいんだけど、オープンカーのシートごと前後に動く仕組みというか何というか。風よけ以外は全部動くんだ。そのわけで通常存在するドアという障害がなくて、運転席が広く開放するから乗り降りは楽、運転席が狭く入り込みにくいという問題以外は。私なら快適だけどね♪☆
やばいやばい、愛車マリーの自慢回になる所だった。XXX01の装甲の問題をどうにかしないと。魔導アーマーの装甲さえあればおそらくはくっつくと思うんだけど。つけりゃ勝手に伸縮するでしょ。縮んだ分勝手に密度増やして。
あるとしたらやっぱ軍の施設だよねえ、もしくは生産工場。うーん、間に合わんな。
さすがに魔導アーマーの生産方法は知らない。改良は出来そうだけど。次の大きな街に期待するとしよう。最初から魔導アーマーで出で立とうっと。
というわけでこの町は研究区画までで諦め、食料を買い込んでトレーダー達と一緒に次の街ドドスコに行動するのでした。みんな小型魔導アーマーの骨組みに驚いてた。動かせる人いないって言う話だからね。