第29話「定義そして理由」
乙女 その定義ヒカリは思った。バージンでなければならない。
淑女 その定義チャーミ―は思った。性を楽しめなければならない。
だけどなんでこんなモテないんだ!
心の叫びだった。ヒカリは性欲はあまり無いがチャーミ―には負けたくない。
チャーミーは性欲旺盛で美少女、ヒカリと互角、いやそれ以上に魅力的なはずだ。
だからこそヒカリはバージンは絶対防衛するが、彼氏、みたいなのは箔を付ける為に居ても良いのではないかと負けず嫌いを発揮して少し態度を軟化させた。が、やはり男は獣。付き合ったら唇を奪われるかもしれない、それすらちょっと嫌なので嘘吐いてでも、ああ、この際だ銭を彼氏と言う事にしようか? 「うっ」ヒカリは妄想から醒めて寒気がした。
実は佐々木原市に天使が急に出現したのには理由がある。チャーミ―のせいである。
悪魔は性に対して懐疑的な者を好んで集まる習性がある。だから佐々木原市はヒカリを狙っている悪魔に監視されていたので今まで悪魔しか出現しなかった。しかして天使は祝福の子を産む性に積極的な者を好んで集まる習性があるのだ。だからチャーミ―が日本に来たので追っかけて佐々木原市に天使が現れたのだ。さだべぇがそれを知っていたようだが、告げはしなかった。その方が都合が良いからだ。
チャーミ―は言った。「こんな何の変哲も防衛施設も無い街にもしキュプラスの月が現れたら死人が何人出るか分かったもんじゃないわ。ねぇギブソン」
「お嬢その可能性は無いです。キュプラスの月は強力なPFを形成していますからそれを解除して移動する事は不可能です」
「なら良いんだけど……」
「ねぇキュプラスの月って何?」ヒカリは聞いた。
チャーミーが答えた「天使よ。最凶と言っても良いくらい強大なね。まぁ、地球上ではの話だけど」
ヒカリには天使と言うのは神の使い、善なる者だと思っていたので話を聞いて面食らった感じだ。
銭も狐につままれたような顔をしている。
「そいつを倒せるのか?俺達の力で」
「分からない。でもまだ時間はあるわ。元々魔法少女を沢山集めるつもりだったの。何か変なのが沢山付録でついて来たけど数は多い方が良い。アンダースタン?」
銭は、アンダースタンってどういう意味だったっけ? と考え込んだ。




