第17話「マントルまで放て衝撃波!」
「でいやー!」
ヒカリは政宗アクアモードでサンドゴーレムを真っ二つに切り裂いた!
「ふん、私が本気出せばこんなもんよ、って何あれー?」
ヒカリが驚くのも無理は無い。真っ二つにしてコアを破壊したかと思ったサンドゴーレムはまだ活動を止めない。どういう事だ? みんなビックリしているが、銭が口を開いた。「ストーンゴーレムだ。軽率だった。砂に水で対抗すれば硬化して石になる可能性はあった」
「銭、解説はいいよ…… どうすんのよあいつ?」
1体から2体を相手にしなければならなくなった。白崎と美智子も決定打と言える様な能力は持ち合わせていない。ピンチ。
ここで銭が今まで見せてなかった足技「烈火旋風脚」を放った! 砂のガードが吹き飛びコアが光り輝いている。
「美智子今だ!」
「あいよーピンポイントアロー!」美智子が放った矢はコアに命中しサンドゴーレムにかなりのダメージを与えた。だが、まだ沈黙させるまではいかない。思った以上の強敵だ。
「銭!」ヒカリが駆け寄ってきた。「あんた足技も使えたの?凄いじゃない!」
「ああ、天ヶ崎直伝と言った所」
「え?」
「いやアサガオが好きだって言ったんだ」
「?」
しかしまだだ。石作りの半身はそれでも意志を持ち片足で立っている。サンドゴーレムも弱ってはいるが依然、風に少しづつ身体をなびかせそよいでいる。
まずは攻撃力の高いストーンゴーレムを狙う方が良いだろう。「またまた俺の出番か」少し疲れた顔を見せている銭だがフィスト系の技ならかなり強固になっているストーンゴーレムに通用しそうだ。
銭は拳に魔力を込めて、鉄拳、正に石どころか鉄をも砕くであろう硬度まで右手を強化しつつあった。
「くたばれ!アイアン×アイアンフィスト!」
ストーンゴーレムの方に銭の硬度MAXの拳が命中し粉々に砕け散った。
「やったぁ!」ヒカリも美智子も喜んでいるが、白崎は冷静に「サンドゴーレムの方はどうするんだ?今の所全くダメージを受けている様子は無いぞ」
銭は「片割れだから弱まっているだろうが確かに決定打は無いな」と答えた。
「美智子何か手はあるか?」と白崎は聞いた。
「今の所、私の技じゃ撃退できそうもないかな。バレットはどうなの?」
「色々な場所で色々なバレットを集めているが、現時点ではあいつに有効なのは無いな」と答えた。
するとヒカリが物凄い発想の事をみんなに話した。「ねぇマントルって磁力ある?」みんながちょっとビックリしたような顔をしたが、ヒカリは続けた。「地球は大きな磁石だって理科で習うよね?それの大本って何かな?地球の中心部じゃない?」
だから何なんだよと言う顔をみんなしているが、ヒカリは更に続けた。「銭、マントルまで衝撃波を放つの。拡散すると地球が壊れちゃうから吸収バキュームして干渉する。出来ないかな?」
銭は「ちょっと無理かもしれないが」と言った所で白崎が「一時的に魔力を爆発的に高める事の出来るパワーバレットと言うのがある。注射みたいな物で少し痛いし、あまり使った事はないんだが……」と言った。
ヒカリはそれ! と言った顔して「試してみようよ、上手くいけばサンドゴーレムの砂は地球内部に吸い取られて完全に殲滅出来る。ちょっと危ないけど」
銭は優等生のヒカリが言うんならと皆を見渡して「これは大博打だぞ。一歩間違えば佐々木原市だけで被害が留まるとは限らないが、他に手が無いならばやろう」と言った。




