第13話「改造」
ここは地球であって人間は誰も住めない未開の場所。
ネームレスは怒っていた。
「パーマーよ、こないだの失態は一体何だ?期待はしていないが」
「ネームレス様、お言葉ですがこないだは魔法少女以外の邪魔が……」
「転送用のソウルジュエルも貴重なのだぞ。そもそも貴様は甘すぎる。ファンガーどう思う?」
「同じ統治悪魔として情けないですね。笑えます」
ファンガ―は馬鹿にしたように見下すようにパーマーのいる方向を敢えて見ず吐き捨てた。
「何よ、あんた私よりイビルレベル低い癖に」
ファンガ―は鼻で笑って「そんな物戦略次第だ。言い訳無用。実際私が対峙した時には全く相手にする気が無くなるほどつまらぬ戦いだった。そもそも貴様物理攻撃に何の耐性も無いなど論外」
ネームレスは言った。
「パーマー、お前は改造だ」
パーマーの血の気が一気に引いた。懇願する様に「ネームレス様それだけは何とか……」だがその願いは聞き入れられず「連れて行け」ネームレスは残酷に言った。
全身を拘束されて手術台に乗せられたパーマーは麻酔で眠らされ、近代の機械技術の最先端の改造を施された。
「ねーむれすさまもういちどわたしにちゃんすをくださってまことにありがとうございます」
心から感謝しているように聞こえるが、完全に機械化されたパーマーには心など無い。ただの兵器だ。最早悪魔でも何でも無い。
「ネームレス様、同朋がこのような状況になって悲しく思いますが、改造後は記憶の混乱や、可動域の急激な低下、不意の自爆行動などの副作用が現れますのでしばらくは佐々木原市の統治悪魔は私が専門と言う事でお願い致します。
「分かったがソウルジュエルの残りが無い。そしてその第2の戦力も気になる。暫らくは大人しくしていろ。所詮はまだ小娘だと侮ると大変な事になりかねない。かつての悪魔大戦で我等は壊滅寸前の所まで追い詰められたのだ。今、覚醒されると後々厄介な事になるだろう。今は様子を見る」
「分かりました」
ファンガ―はネームレスと言う男の前で胸に手を当て角度45°のお辞儀をした。




