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バージン絶対防衛 魔法少女ヒカリ  作者: 敬愛
第2章 スクリーマー登場編
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第10話「新たな、強敵?」

 天ヶ崎家伝来の辛味噌もやし炒めをヒカリは食べ終え、はぁ美味しかったと息を吐く。汗だくだ。だがそれが気持ち良い。辛党のヒカリはカレーも激辛。それも普通の人だと喉が焼ける程辛いのでも全然大丈夫なのは母のカナデの遺伝なのかも知れない。「ヒカリや、今度からはもう少し辛さを抑えたご飯つくってくれんかのう、わしゃ喉が渇いて仕方ないわい」爺さんが言った。


 贅沢言うな。魔法少女だからと言って料理をポンと手からマジックみたいに出せる物では無い。単なる武闘用の魔法以外はこの世には今の所存在していない。


 「ようヒカリ今日の晩飯なんだー? お、真っ赤だな。血みたいだ」洗う前の食器の色を見て物騒な事を言う銭だが、人の家に勝手に上り込んでくる方がよっぽど物騒だ。


 「なんであんたいつも勝手に人の家に入って来るのよ!」

 「ダメなの? 友達じゃん」「いつから友達になった? おい言ってみろ?」

 だいぶコンビネーションが漫才師のようにつーかーで取れるようになってはきたけれど、ヒカリは男はみんな私のバージンを狙ってるけだもの。銭もその1人でしかない。今の所。


 「ほら、雨降ってきたよ」「ああ、じゃあお風呂に入らせて貰……ぶぎゃー」ヒカリは銭の大切な所を蹴り上げた。「違うだろ。傘貸してやるから帰れと言っているんだよ」雨の日は昼間よりも更に悪魔が出ずらい。佐々木原市は何故だか雨の酸性度が日本一高く低級悪魔は溶けてしまうのである。


 ヒカリは思った。「私、男の人の急所を……気持ち悪いよー! でも男の人が痴漢してきたらまずそこを攻撃しなさいって『バージンを守り抜く101の方法』って言う本に書いてあったんだもん」


 そんな本読んでるのか……。


 銭は痛いけど、少し気持ち良かったな…… と思って満足して帰っていった。


☆★☆★☆

 

 晴れた月曜日。ヒカリは憂鬱そうにトボトボ登校する。最近は雑魚悪魔への対応でろくすっぽ寝ていない。まぁ佐々木原氏の平和を守る為だ、と自分に言い聞かせる。


 今日は銭がいないので実に気持ちが良い。寝過ぎで遅刻かな。


 しかし何か異変が起きている。いつもの通学路のはずなのにいくら歩いても学校に着かない。そして春の嵐か急に曇天になり雨が降ってきた。




 「悪魔?」


 魔力を感じる。空から妖艶な女の姿をした者が降りてきた。


 「何者?」ヒカリは変身チェルボムした。


 その女がゆっくりと地面に着地すると「私は統治悪魔。名はパーマーよ。水魔法使い、よろしくね!」と自己紹介した。随分礼儀正しい悪魔だ。ヒカリは思った。


 とりあえず接近戦を試みる。水魔法使いなら以前現れたファンガーに試したように雷属性に弱いかも知れない。長船雷モードにしてパーマーに斬り付ける。だが何故だ手応えが全くない。「こっちよ」「え?」 ヒカリが声を聞いた直前のパーマーは水になってドシャッと水になって崩れ落ちていた。


 「きゃあー!」それらが水の礫になってヒカリを襲った。何ヶ所か鋭利な刃物で切り裂かれた様な傷を負ったヒカリ。


 「銭、どうしてこんな時に居ないのよー」


 「聞いて居た話では最強の魔法少女だとあの方は仰っていたけれど買いかぶり過ぎか。私はパーマーよろしく」無機質な声で自己紹介をした。


 そこに銃声が響き渡った。


 「タイムバレット!」拳銃から放たれた高速の銃弾がパーマーに当たった。するとパーマーの動きが止まった。「美智子!」「あいよ!ロックアロー!」


 「死んだな」男の方が呟いた。だが、ロックアローは全てパーマーの身体を貫く寸前で勢いを無くし地面に落ちた。「えーどういう事よー。狡い!水の障壁張ってたのね!白崎どうなってんの?」


 白崎と呼ばれた男も驚いた様子で「タイムバレットを喰らえば数分は時間が止まるはずなんだがな」とやれやれといった感じで困り顔をしていた。 




 白崎顕示と佐々木美智子はスクリーマーと呼ばれる攻撃性の武器と契約し異能力を発動させる事の出来る人間。魔法とはまた違う原理で動くので変身する事無く特殊能力を発揮する。2人は遠距離攻撃を得意とするタイプ。と銭が空からすっ飛んできて息も切らさずそう説明した。




 「ちょっとあんた空飛べるんなら言いなさいよ。ビックリするでしょ!」


 「いや飛べる訳じゃない。跳ぶんだ」




 するとパーマーは怒り出した。


 「あんたら悪魔を前にして何いちゃいちゃ話しているのかしら?大体1人の女相手に4人って狡くないかしら?」 笑いながらパーマーは言った。キレないタイプの性格のようだ。




 「白崎どうする?」銭と美智子が言う。銭はこいつらと初対面じゃないのか? 私こんな奴等知らないけどと成り行きを見守っているヒカリ。




 「ちょっと分が悪いな。倒すのは無理そうだから帰ってもらうか」白崎が言った。


 「パピルバレット!」白崎の拳銃からまた高速の弾丸が放たれた。「だから無駄だって言って……」とパーマーは言った後、様子がおかしい。呆けた顔をして「あら?私何やってたのかしら?分からないけど眠いからお家に帰ろうっと」と言って空に飛び去っていった。何だか分からないがまた統治悪魔を退けたようだ。ファンガ―よりも手ごわそうだったのでヒカリはホッと一息ついて、それから怒り出し「私の知らない所で何勝手にやらかしてるのよ、あんた達!佐々木原市の平和を守る魔法少女ヒカリちゃんにちゃんと説明しなさいよ、プンプン」と頬を膨らませているが、ちょっとブサイク顔になっていたので他の3人は笑っていた。

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