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異世界にミミックとして転生したなら  作者: 肉より魚派
洞窟に降り立ったミミック
7/19

ゴブリンの王とミミックの

昨日は1日家でダウンしてました。

今日より更新は復活予定です



「俺と‥…戦え、そしたら自由に外と此処を行き来させてやる」


高圧的な態度で詰め寄ってくるのは、まだ外見は幼い美少年。

しかしゴブリンの特徴であるとがった耳と頭に角はしっかりと押さえている。

めんどくさいことになったなぁ‥…

宝箱から、顔を出しながら少女は思うのだった。




案内されその領地というのを確認したとき少女は口をポカンと開けて唖然としていた。

目の前に広がっているのは教科書や時代劇で見たことのある城下町そのもの。

離れたところには城まで見える。

少女はダンジョン内の城下町という光景に訳がわからなくなっていた。

そして城下町の前で待っていたゴブリンの一団の一人が一歩前に出て告げる。


「オウヨリエッケンノキボウダ。ラゴウヨ、ソノマモノヲ、シロヘトゴアンナイシロ。」


リーダー格の青年は凛とした態度で

案内してきた中年男改めラゴウへと指示し

自らの引き連れている部下達を動かし城下町への道をあける。

城へと行くことになった少女は王に合う事による緊張より

両隣に並ぶ用に歩くラゴウと青年に挟まれている事に緊張していた

ゴブリンでありながらイケメンな青年

大柄な中年でありながらもどこか堂々としたカッコ良さのあるラゴウ。

前世ではあり得なかった光景にどぎまぎしつつ城へと足を踏み入れていく少女だった。



「お前が‥…奥からやって来たっていう魔物か?」


懐かしく思えたその声は、聞きなれた言葉日本語。

金屏風を前に胡座をかいていた美少年。

容姿は日本人とは掛け離れているが、口から聞こえるのは日本語だ

その部屋に案内されるとお付きのゴブ達は皆下げられ、二人っきりになっていた。


「貴方は日本人でしょう?はじめまして私は‥…あ、名前なかったや」


「‥…」


「話したかったことが一杯あるの!!」


興奮し畳み掛ける少女

ゴブリンの王の少年は少女の勢いに負け

お話に付き合うことになった。





「そ、そろそろいいか‥…」


「あ、うんっ、ありがと!!」


やっと落ち着きを取り戻した少女に少年はため息をつき足を崩す。

少女も話疲れたのか、用意してもらった宝箱に入り上半身だけ出す状態になる。


「で、このあとの予定は決まってるのか?」


「一様、外に出て冒険者がしたい‥…かな」


「冒険者って‥…魔物なのにか?」


「ダメ?」


「ダメじゃないが‥…」


少年は口ごもる。

魔物に対する世間の評価は冷たい。

話をして少女の何となくの人となりに気づいたので出来れば幸せに暮らしてほしい。

そう思い立ち上がり少女に剣を向ける。


「俺と‥…戦え、そしたら自由に外と此処を行き来させてやる」


思い止まってもらうために

少年は一切の情けを捨て非情にいい放つ。

少女は少し思うことがあったのか黙り込み

しかし直ぐ様迷いは消えたのか宝箱から這い出てきた。


「解りました。やりましょう。」


少女の手に剣が握られる。

こうして転生者同士の戦いが始まった。


剣と剣がぶつかる音が部屋に響く。

何事かと入ってきたラゴウや青年

しかし王のなにもするなという言葉にただひたすら見守るしかない。

状況は一方的。

切られては傷ひとつなく復活してくる少女に少年は困惑していた。


(霊的な何かかと思ってたが‥…違うっぽいなぁ)


少女の剣は素人そのもの

少年にはとるも足らない筈なのだが


(切っても切っても‥…どこから現れるかわかんねぇのは面倒だな‥…これだったら何の魔物か聞いとくべきだったか?)


少女の剣を捌き、切り捨ててはいくもの転換がなければ体力切れで負けるのは少年


(‥…そういえば)


少年が目を付けたのはさっきまで少女が入っていた宝箱

少女の隙をつきそっちに光魔法を放つ。


「っぐぅ‥…」


宝箱に傷ひとつついてないものの

新しく現れた少女は苦痛の声をあげる。


「成る程、本体はそっちだったわけか‥…」


「あはは‥…ばれちゃったか。」


少女は宝箱の前に移動し剣を構える。


「あいつらの攻撃は威力が足りなかったのか。それか別の理由か‥…」


少年は少女のことで報告を受けていたのは攻撃が一切聞かない宝箱を所持しているということ。

宝箱についた精霊か、宝箱を守る存在と推理してただけに外れて悔しい限りである。


「宝箱が本体となると‥…あれか、ミミック?」


「正解です。それにしても、今までノーダメージだったので痛みに慣れてないんです。手加減してください。」


「それは無理だな、俺にも意思はあるんだし貫きたいこともある。」


そういって少女を宝箱の前から弾き飛ばすと宝箱を開き

手に魔力を込め中へと放つ準備をして少女に話しかける少年


「降参してバカなことを考えるのを止めとけ。‥…あれだったらうちで暮らしてもいい。」


「万事休すですね‥…」


剣を捨て少年の近くに移る少女


「一回ぐらい‥…我慢しますよ。」


「な?!」


とんっと少女は少年を宝箱へと押し込んだ。

宝箱に落ちる直前

少年の魔法は暴発し閃光が辺りに広がる‥…直前に少女は宝箱の蓋を閉じた。


「かはっ?!」


腹部を押さえて倒れこむ少女

部屋へとゴブリンたちがなだれ込むが少女の姿も消え

部屋には宝箱が残るのみだった。



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