ゴブリンの一網打尽と
初感想いただきました。
これからも頑張っていこうかと思います!
ダダダダダと、広場に響く足音達
それらの行き着く先は皆同じで、宝箱の中へと我先にへと飛び込んでいく。
誰一人戻ってくることはないのに気にせず突っ込んでくる。
ゴブリンは性欲の塊とはまさにこの事かと少女は宝箱の中でそう思った。
ゴブリンと出会ったのは数分前。
その時広いところについたなと思ったところ
そこは所謂ゴブリン達の巣であり
門など無かったが為に迂闊に足を踏み入れたのがダメだった。
一人の見張りのゴブリンに見つかり指笛で仲間を呼ばれる。
最初は姿を現さなかった少女
すると、ゴブリン達は剣や魔法で宝箱を攻撃
しかし傷ひとつつかない事に驚愕していた。
恐る恐る一匹のゴブリンが近づき宝箱を開けると叫び声を上げた。
「ギ、ギギガグ!!」
それからはまさに入れ食い状態である。
宝箱の底で怯えた表情で外をみていると面白いようにゴブリン達は突っ込んできてくれたのだ。
少女が怯えた表情をする事数十分。
辺りは完全に静寂を取り戻す。
少女は普段ならすぐに吸収したりするのだが、それを一旦おいておく。
外は静寂を取り戻したものの、宝箱を見つめる気配が2つ
ゴブリンより若干、人よりの何かが宝箱を観察してたのだ。
そいつらは、一定の距離から近づくことはない。
そして攻撃もしてこない。
少女は悩んでいた
もしやコミュニケーションがとれるのではないかと。
そして、一言発してみた。
「貴方達は敵ですか?」
と、
するとどうだろう、二匹はいままで微動だにしなかったのが嘘のように動揺し始めた
「ぎ、ぎぐぎが‥…ぎぎ」
「ぐぎぃ!ぐぐ、ぐぎが!」
「ぎぐ、ぎぎぐ‥…」
「ぐぎゃぁ、ぎゃぐ‥…」
「ぎが、ががぐ‥…」
「げぐが、がぐぐぎ」
ポカンとしている少女に、一匹の人風ゴブリンが剣を抜き臨戦体勢になった。
もう一匹は敬礼をし奥の通路へと消えていく
じりじりと詰め寄ってくる人風ゴブリン。
戦闘は避けられない。
そう悟った少女は一網打尽にしたゴブリン達を吸収する事に決めた。
ゴブリン×24
ゴブリンシャーマン×4
ゴブリンナイト×2
新しいゴブリン、ゴブリンナイトが増えている。
残るアイテムに期待し
全て一気に吸収した。
ーーレベルアップ
ーーミミックのレベルが4から10まで上がりました。
ーー分霊体の魅力、行動距離が増えました。
ーー分霊体に新しい能力が増えました。
ーーポイントジャンプ 行動距離内の指定座標に瞬間移動可能です。
ーー本体帰還 即座に本体内へと戻れます。
ーーゴブリン種の捕食吸収10体達成しました。 ゴブリン語が理解できます。
ーーゴブリン種の捕食吸収20体達成しました。 ゴブリン種の解体が可能になりました。
ーーゴブリン種の捕食吸収30体達成しました。 ゴブリン種の支配・眷属化が可能です。
ーー吸収によって余った部分が排出されます。
ーーゴブリンの腰当て×30 錆びた剣×24 ゴブリンの木杖×4 長剣×2
アイテムを見るのは、目の前の障害を片付けてから。
少女は自らの新しい力を使用し人風ゴブリンを倒す事を決意する。
異様な宝箱へ警戒しながらじりじりと近寄ってく人風ゴブリン。
またの名をゴブリンヒューマンという
ゴブリンの変異種の彼らは進化前の素の個体でも魔法適正があり
魔法と剣で戦うハイブリット戦士である。
このダンジョンの最底辺のゴブリン達とは天と地のほどの戦力差があり
そして彼らの厄介なところは人のようにコミュニケーションを密にとり連携して自らより強い魔物を狩るのだ。
今回もゴブリン達の一網打尽をみて学習し
一定距離まで近づかずに戦うことをえらんだのは素晴らしい選択だったはずだ。
しかし、彼は知らない。
自らの相手がゴブリンを捕食し新しい力をつけたことを。
「ヤッカイナ、アイテダ‥…シカシ、チカヅカナケレバ、ドウトイウコトモナイ。」
少女にはしっかりとゴブリンヒューマンの言葉が聞こえていた。
さっきまでのいっている意味のない言葉はもう聞こえない。
一定距離で魔法を使おうと魔力を練るゴブリンヒューマン
少女がチャンスを逃す筈がない。
ゴブリンヒューマンの後ろに転移するとゴブリンナイトが持っていたであろう長剣で袈裟斬りを繰り出した。
初心者であろうとも剣は振れる。
渾身の力で繰り出したその一撃はゴブリンヒューマンの背中に大きな傷を与えた。
「グァァアアッ?!」
魔法の詠唱を破棄し直ぐ様振り返るがそこには誰もいない。
「ウグゥ、イッタイ、ナニガ‥…」
背中に受けた傷はどくどくと血を流し続けゴブリンは持っていた剣を杖変わりに何とか立っている状況だ。
「ワカラナイ、アイツハナンナノダ‥…ワレラノオウト‥…オナジーーガハッ?!」
それはまさに一瞬。
言葉を全て紡ぐ前に少女の突きがゴブリンヒューマンの胸を貫いた。
ぐったりと力無く倒れたゴブリンヒューマンを少女は引きずり宝箱の中へと放り込んだ。
ゴブリンヒューマン(死)
アイテムボックスに増えた新しい項目。
少女は迷わず吸収を選択した。
ーーレベルアップ
ーーミミックのレベルが10から11に上がりました。
ーー分霊体の魅力、行動距離が増えました。
ーー分霊体の経験値上昇
ーー分霊体のレベルが0から1へ上がりました。
ーー吸収によって余った部分が排出されます。
ーーゴブリンヒューマンの破れた服×1 ゴブリンヒューマンのズボン×1
吸収が終わると近くに落としていた剣も宝箱の中へと入れた。
偵察兵の長剣×1
一通り戦果を確認すべく。
少女は新しく取得したものを見始めた。
長剣
ゴブリンナイトから支給される冒険者から奪った剣。切れ味はまだ大丈夫そうだ。
ゴブリンヒューマンの敗れた服
ゴブリンヒュマーンの着ていた服背中が大きく破れている。
ゴブリンヒューマンのズボン
ゴブリンヒューマンの穿いていたズボン。ゴブリンのような嫌な臭いはしない。
偵察兵の長剣
○○によって製作されたゴブリンヒューマンの偵察兵に支給される長剣。特に特殊な能力はない。
○○の部分が解らないが少女はある確信を持った。
その確信を確かめるべく。
また宝箱を押し始め
もう一人のゴブリンヒューマンの後を追うのだった。