表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界にミミックとして転生したなら  作者: 肉より魚派
洞窟に降り立ったミミック
2/19

薄暗く湿った洞窟で

真っ暗な小部屋でごそごそと蠢くものがある

部屋中にびっしりと自生した光苔がその動きを関知して小部屋を明るく照らした。

部屋の中央にはひとつの大きな宝箱があるだけだ。

宝箱の動きは止まり、ゆっくりと蓋が開いた。

宝箱の中から辺りを見渡すのは一人の少女。

前世の名前は宍戸まな。

今世ではまだ名前はない。


「こ、ここはいったいどこですかぁ‥…」


宝箱から這い出た少女は

辺りを散策しようと部屋のすみに移動してるのだが


「あ、あれぇ?」


一定の距離離れると宝箱の中へと戻されてしまう。

それを繰り返すこと数回

無駄だとわかったのか、少女は宝箱の外にもたれ掛かりこんなことになった原因を考えてみた。

死んだときの事とここに来る直前の事は靄がかかったように思い出せない。

ただ、少女が望んだことを忘れることはなかった。


・安心できる場所

・アイテムボックス

・絶対壊れない盾のようなもの

・その世界の言葉の読み書き知識


一番最後は検証できないとしても他はいける。

と言うことで調べてみたのだが‥…


安心できる場所

心が落ち着く場所は一ヶ所あった。

それは宝箱の中

そこから外をみているときは心穏やかになれていた。


「ひとつ目はいいとしましょう。」


アイテムボックス

怪しいのは宝箱である。

少女は生前やっていたゲームの知識でそれを望んだのだが使い方はゲームによって様々だった。


「オープン‥…違う。アイテム‥…違う。‥…はっ、これだ!アイテムボックスオープン!」


そう告げると少女の頭の中に幾つもの飽き要領が出てきた。

画面のようなディスプレイの端には無限分の1との表記

その中のひとつを選ぶと目の前にそれが現れた。

一枚の紙。

『誰でもわかる異世界入門 宍戸まな様用』

少女はその確認をする前に他を検証をする事にしてアイテムをしまう事に挑戦し始める。

これの解決法はすぐに見つけれた。

宝箱にいれるだけ。

少し不便だと思いつつ次の検証に


絶対壊れない盾のようなもの

少女の誤算は盾のようなものと書いてしまったことだ

アイテムボックスの中にもそれらしきものは見つからず

結果、予測の域を達しないが宝箱がそれであると納得する事にした。


「残ったのはこれかぁ‥…」


宝箱に座りピラピラと紙を靡かせる少女

その紙を熟読することに決めた。


『誰でもわかる異世界入門 宍戸まな様用』


まず始めに

この世界アルネージャに転生おめでとうございます。

この世界では様々な場所にダンジョンと呼ばれる迷宮が存在しています。

意思を持つ種族はダンジョンを攻略し富と名声を得ることを生業としています。

そんな世界で貴女は唯一無二の種族へと転生しました!

まずは自らの種族を確認しましょう。

ステータスオープンと、呟く又は思ってください。


「ステータス‥…オープン‥…」


少女が指示に従い呟くと目の前に画面が現れる


名 無し (前世の名 宍戸まな)

種族 ミミック

スキル

分霊体 アイテムボックス 耐性EX 破壊不可 唯一種 


ステータスは見えましたか?

それでは簡単に説明します。

まずお名前です

無しとあると思いますがそこは誰かに命名されることが取得条件です。前世の名前は表記されてますが対外的には表示されません。

次に種族です

この世界唯一のミミックという種でありこれから先の成長によってかわる可能性があります。

最後にスキルです。

スキルとはこの世界に存在する者達に神が与えた能力です。

以上でステータスの確認は終了です。

詳しいスキル内容はステータス画面で選んでもらえれば詳細が表示されます。

あとで改めて確認して下さい。

ここからはこれからの生活についてのチュートリアルです。

始めますか?


はい・いいえ・もう一度


少女は、はいを選択する。

すると、紙から光が溢れ少女の前に一人の女性が姿を表した。


「始めまして、ナビゲーターのNo.796です。」


「は、始めまして」


「おや、もうスキルを使いこなされてますね!将来有望です♪」


「そ、そうですか‥…ぇへへ」


照れる少女をよそに

ナビゲーターは、話始めた。


「まず、これから先あなたに待つのは自由です。こちらからあれをやれ、これをやれは一切ありません。しかし、その種族についてなにも知らない貴女のために一つカリキュラムを用意させていただきました。」


ぱちんっと指をならすとナビの横に一匹の狼が現れた。


「これから、この狼をけしかけます。是非倒して経験値にしてください。」


ニコッとナビが微笑むと

座れをしていた狼が少女に向けて走り出した。


「い、いやぁぁぁぁああ!?」


少女は突然の事に目を白黒させ

宝箱の回りをぐるぐると回りながら逃げる。


「これは逃げる練習ではなく倒す練習ですよ?‥…仕方ありませんねぇ宝箱の蓋を開けたまま、なかに逃げ込んでください。」


ナビの言葉に従い宝箱の蓋を開けたまま中へと逃げ込んだのだが、狼は追っかけてこない。

恐る恐る外を見渡すが狼の姿はない。


「ミミックは自らの中へと獲物を入れることで捕食します。是非有効活用してください。」


そう言うとナビの姿が揺らぎ始める。


「そろそろお時間のようです。さて次は異世界入門中級編でお会いしましょう♪」


そんな決め台詞を残して、ナビは姿を消し紙が手元に落ちてきた。


『異世界入門中級編』


しかしその紙にはまだ条件を満たしていませんとしか書いていない

少女はそれを仕舞いアイテムボックスを確認する。

中には狼と紙の二つが。

少女が狼を選ぶと選択肢が


狼をどうしますか?

吸収・廃棄・●◆▲●・●▼▲■


吸収

対象を捕食し自らの経験とする。


廃棄

外に逃がす


●◆▲●

まだレベルが足りません


●▼▲■

まだレベルが足りません


少女は少し悩み吸収を選択


ーーレベルアップ

ーーミミックのレベルが0から1に上がりました

ーー分霊体の魅力、行動距離が増えました。


部屋に響いたのか、頭に響いたのか解らなかったが少女は早速部屋の先まで移動してみることに

すると、さっきまで行けなかったところまで手が届くようになっていた。

こうして少女は異世界アルネージャでミミックとして暮らす生活が始まった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ