序章:生死
はじめまして。今回この小説を作った(作っている)桜波と申します。
ジャンルがその他になっていますが、ほとんど実体験のようなものです。
人間の生死とは何か。自分が出会った出来事から生まれた、自分なりの考えをただただ、この小説にまとめたようなものです。
死ぬにはたくさんあります。自殺、他殺…銃に撃たれて死ぬ。薬で死ぬ。焼かれて死ぬ。落とされて死ぬ。腕を切って死ぬ。飛び降りて死ぬ。
生きるにはたくさんありません。これを見ている人は生きています。ただただ生きています。
生まれてから死ぬまでが自分だけの人生。物語と称しますか。格好よくいうとね。
そんな自分の人生を思いながら、人間の死というものを考えてもらえたら幸いです。それではご覧ください。長文失礼いたしました。
音もなく降り続けているこの唄は、きっとボクの泣き声なんだろうと、そう思っていた
人が死ぬとろこを見たのはこれで4回目だ。
銀色に輝く狭い部屋に3人と1つ。それを1人と呼べることなく1つと言い表してしまうのが悲しいくらいだ。木漏れ日の光があれば尚良いのだが、幻想的なことなど皆無。人が死ぬという現実だけの感想。
「ご臨終でございました」
頭を下げるのは一般的に言う『医者』と呼ばれる人だ。この一言で決着がつくのなら、どんなに世界が平和で感動的なんだろうか。素敵な人と出会い、きれいな洋服を着て、おいしい食べ物を食べて、何不自由なく人生を過ごせたら、と。誰もが羨む人生で、誰もが思い描く人生なんだろうと思う。
死ぬことの偉大さと虚無感。残された人間はどういう思いでこれからの人生を過ごすというのだろうか。ボクには想像がつかないのだが。
4回目。
ボクは4回目の選択を迫られることになろうとは考えもつかなかった。それもそうだ。生まれてからこうしてこの現場に立ち会うまで、こんなにも人生の選択を考えることは思ってもいない。そもそも、何故4回目もこの現実を味わうのか。よくもまぁ、こんな人生を送っているものだ。
人は死ぬ。死んだ後はどうなるのだろうか。こんな考えは生まれてから知識が芽生え、自分という自覚という感性を得て、人間の生死を理解できるころにやっとわかることなんだろう。
こんな哲学的なことを思っていても、人は死ぬ。そして戻ってはこない。知らない人も大事な人も。
あぁそうか。ボクは今、大事な人の旅立ちを見てしまったんだ。