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3狩り目

 ……あれから八年、鳳楽ほうがく学園、入学式当日。


 周りを見れば新しい制服に身を包み、辺りを物珍しそうに眺める新入生達。そしてそれを暖かい眼差しで見守っている親達。


 なんとも微笑ましい光景。しかも、この学園は美男美女が多い事でも有名だ。



 だが、その中に一際目をひく新入生の少女がいた。


 少女の腰まで届く長く、美しい黒のストレートの髪の毛がサラサラと風に揺れる。桜吹雪の中にとけて消えてしまいそうな白い肌、それに映える赤い唇と薄水色に澄んだ大きな瞳。とんでもない美少女だった。


 桜並木のしたを通って歩くその姿はまるで、桜の精のような現実に存在しない、淡い雰囲気を出していた。



















 ……やっぱり綺麗な人~!本当に美しい人だ!大和撫子って感じよねぇ。うっとりしちゃうわぁ。憧れだよ!





 ……周りから私を褒める声がする。いや、勘違いとかじゃないよ!なんたって、今聞こえた声の主は最後に皆、西園寺美優様って私の名前を付けてくれたし。




 八年の間にいつの間にかお人形さんみたいな見た目になったんだよねぇ。なんか前世のライバルキャラの姿と違う感じ。確か前世のライバルキャラの姿は少し高飛車でめっちゃ金持ち風でなんかキラキラの扇?みたいなのを持ってたはずなんだけどなぁ?



 今の私はこの八年でしごかれ、んごほんじゃなくて仕込まれた淑女の仕草と、前世の貧乏っぽさと現世の金持ち感が混ざった結果普通よりちょっと金持ち風なところに、持っているのはただの扇子、しかも可愛いらしい桜模様。


 完全なお嬢様!


 ……見た目だけは。


 いや~、あのおねだりの後まさかあそこまで両親が乗って来るとは、よく耐えたよ、私。(遠い目)



 あの後、



『なんだって?完璧なお嬢様を目指したいだと!……ハッハッハさすがは僕と君の娘だな』


 何故か大笑いするお父様。



『本当に!今から完璧を目指すなんて自慢の娘ですわねぇ!ようし、そうとなったら本気でビシバシいきましょうよ、貴方!』


 思ったよりやる気のお母様。


 ……選択を間違えたかも知れない。




 そして言葉通りにビシバシやられた。


 まぁ、それに耐えたから完璧なお嬢様の私が出来たんだけど。

【西園寺美優】 ・現状・

 両親に徹底的に鍛えられて高校生にして完璧なお嬢様に。だいたいを儚げな笑みでやり過ごす事を覚えた。幼少の頃はまだ記憶を思い出してないので少しわがままだったが思い出してからは少しずつわがままの度合いを減らしていった。なお、現在は常時猫を被っている。

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