17狩り目
やっと悩みが解決に。ガンガンいこうぜ!も後ちょっとです。
あの後、昼休みが終わってしまい今は放課後。
今日は東山君は用事があるらしく図書館での勉強会はお休みする事に。
だからもう学園に用事は無いのだけど……
今の私達は学園内の中庭にあるベンチに並んで座っている。
「さっきは話がとちゅうで終わっちゃったからさ。続きも話しとこうと思ってね」
唯夏が笑いながら言った。
まあでも確かに唯夏なら明日には忘れてそうだとは思ったけどね。
「ええっと?さっきは何処まで話をしたんだっけ⁇」
唯夏に聞かれて記憶を戻す。
「確か……今が乙女ゲームやってた時と変わらないとか何とか」
そんな感じだったよね?
「ああうん、そうそう。私が言いたかったのはね。このままヒロインと同じような事をして東山君ゲットして、その後も桜の妖精姫の仮面被って。そこには貴女が何処にも無いじゃないかって事」
そう言われて気が付いた。
けどそんな事は否定したくて出した声の……
「それは……」
言葉は続かずに、確かにと思った。
そんな私の気持ちなど知らない唯夏は言葉を続ける。
「そんな事はねぇ。無理だよ。無理無理!だって貴女はヒロインじゃない。……でも唯のライバルキャラでもない。前世の美紀と今の美優が混ざってる、ガンガンいこうぜ!系の、愛の狩人!そうでしょ?」
そう言われて、また気が付いた。
忘れてたなぁって。
私は、私は、愛の狩人!そうやって彼をゲットしようって決めてたのに。
私が薄ら寒いと思うようなシナリオは、ヒロインの性格はもういらない。
私は私のやり方で、私だけの狩りをする。
ちなみにこんな決意を再度固めていた私とそれを見ていてくれた唯夏は知らない。
私達がベンチに寄り添って座って。さらに内容は分からずともお互いの話で普段は見せない様な顔を互いに見せ合った事により私達の百合っ子説がまた一つ強くなった事を。