10狩り目
短めです。
「次の問を、少し難しいので西園寺さん!お願いします」
「……はい、1254㎏です」
「正解です!」
気が付くと教室で授業が始まっていた。今まで意識が飛んでいたらしい。少し危ないところだった。昨日予習しておいて良かった~!
多分軽く精神がお花畑になってた私を唯夏がここまで連れて行ってくれたんだろうな。
それにしても、格好良かったな~、東山君。
黒髪短髪にキリッとした眉。薄い唇から出たあの低い艶のある声。椅子に座って居ても分かった、しかし自然な筋肉の付き方。
やっぱり、ゲームじゃ知れなかったけど。初めてちゃんと、このリアルで出会った彼は私の好みのど真ん中ストレートなのだった。
そんな彼の事を考えていればまた意識が飛んでいたらしく、気が付くと放課後に。
今日はテストが近いので部活はお休み(この学園ではテストの成績はとても重要。ゲームでもミニゲームのテストの結果で自由度が変わっていた。)だ。
なので唯夏と一緒に帰っている。普通のお嬢様ならば迎えが来るのだが私達はそれが必要ないぐらいには強いらしい。
いつものように並んで駅に向かって行くと突然唯夏が私に質問を始めた。
「ねぇ……。何で、友達からにしたの?そういう周りくどいのは苦手でしょう?」
流石は親友。分かってるね。
でも、
「……私さぁ、小心者なんだよ。」
そう、私はビビりなのだ。
「どういう事?ええと、美優が小心者?いやぁ……ないでしょ。美優、ガンガンいこうぜ系じゃない。前世も今世も愛の狩人なんて言っちゃってさぁ」
「いやね。そうなんだけどね。一応攻略の仕方に沿った感じでいこうかな~っと」
それは彼、東山真司君の乙女ゲームでの攻略方法に基づく話だ。
最初に出した問は適当な数字を入力しただけです。特に何も考えてないので指摘はなしの方向でお願いします。