Last-Love-Song
人を好きになることの素晴らしさを読んだ人にも感じてほしいです。
ここにも愛を誓うラブストーリーがあった。
僕たちは第2の電〇男なのかもしれない。僕はランキングから流れてあるHPにたどり着いた。そこが僕のオアシスになるとその時は思いもしなかった。僕の趣味と彼女の趣味は同じだった。僕はHPに来た記しに書き込みをした。
[こんにちは初めまして。…]
次に見に来た時にレスしてあった。そしてまた書き込みした。書き込みをするたびに彼女はすぐにレスをしてくれた。それが僕には嬉しかったみたいだ。
僕がそこのHPに通いだしてまもなく、信号待ちをしていた僕の目の前で衝突事故があった。きがつくととんできたガラスの破片で顔を怪我して病院で治療してもらった。その時、彼女いや華南はただの通りすがりのHPのいち訪問者の僕に…優しくしてくれた。僕のHNは零。
零[こんにちは。さっき帰りに目の前で事故が…]
華南のHNは静。
静[大丈夫?怪我してない?]
零[顔にとんできたガラスの破片で…でもたいしたことないです]
静[心配だよ。病院いった?]
零[さっき治療してもらいました]
静[ならよかった]
翌日翌々日も華南は心配してくれた。
零[何で僕にそんなに優しくしてくれるんですか?]
静[大切なお友達だからだよ。私にとっては当たり前のことだよ]
零[そうか…そうですよね?]
静[早く治るといいね。祈っているよ。☆彡]
あの時から僕の心に今までにないものを感じてたのかもしれない。僕はすきな人がいたことはあったが、女の人に優しくされたことはなかった。僕は度々静のHPに足を運んだ。暇があればよくHPに遊びにいったものだ。
ある日、僕にメールがはいってきた。僕らはいつからかメールをするようになっていた。
それは、あの見れるか分からない流星群の日だった。
メール静:今夜流星群が見れるんだよ。よかったら見て。こんなチャンスめったにないから。
メール零:みれたらみてみますね。教えてくれてありがとう。
メール静:生きてるうちに一回しか、見れないものがあるとするなら、そのチャンスみのがしたくないよね?
その夜…僕は友達と流星群をみた。とても綺麗だった。
何より嬉しかったのは友達と流星群をみたこと以上に…華南に流星群のことを教えてもらった事だった。それはとても綺麗な流星群だった。心の中で祈ったのは華南と仲良くなれたらいいなぐらいだった。この日、僕と華南は場所は違うけれど同じ星を見ていたんだ。
〈この日、流星群をみた私とあつしと出逢うようになっていたのかな…。私はあつしの事は純粋でどこか曇りがあって…でも好印象をもってた。初めは、転んだ時にさっと手を差し伸べる気持ちでいたんだ。優しい人だったから。好きになるっていつの間にかなんだ…と。〉
夜遅くまで起きてる華南はある夜、あつしとメールをした。それはたわいない話だが楽しい一時だった。
桜が咲く頃、華南の住んでいる近くで地震があった。被害はなかったみたいだが…僕は心配だったんだ。怪我してないか、無事なのか。はじめの地震では僕は知らなかった。華南の住んでる所で余震がきた朝、僕はメールをした。
あつし
「大丈夫でしたか?」
華南
「怖かったよ。二階だから揺れて目が覚めた。びびっちゃった。この前、平気だったのに」
あつし
「無事でよかった…」
僕はこの時から好きだから心配していた。離れて何も出来ない僕がはがゆくて仕方なかった。僕は無力なのか…。
〈地震といっても被害のないものだったが…。何よりかけてくれるみんなの言葉が嬉しくありがたかった。まだその時は好きとは違う気持ちではいたが、あつしのかけてくれた言葉がとても嬉しかった。〉
それからしばらくして華南が知り合いにクッキーをあげたと知り掲示板に書いた。
零[いいなぁ…羨ましい。僕もたべたいなぁ]
静[作ってあげようか?]
零[えっ?ほんとに?]静[うん。いいよ、送ってあげるよ]
零[やたっ!待ってます]
これが二人を急接近するきっかけになったのかも…。
僕はまさか本当に貰えると思ってなかったから待ち遠しかった。
そして、華南からの宅急便が届いた。
中をあけるとクッキーとスポンジケーキとマドレーヌがあった。
早速マドレーヌから食べた。美味しかった。華南の手作りお菓子。おいしくてマドレーヌは2つたべたら満腹になった。スポンジケーキも一気にたべた。少々のチョコチップいり。華南の作ってくれたクッキーは沢山あったから毎日たべた。僕は、女の子に手作りのものもらった事なんてないから、とても嬉しかったんだ。
〈私は普段はお菓子も作ったりするので作ってあげる事に対しては抵抗はない。むしろ、もらった人が喜んでくれることが嬉しい。親は私に言った。
「あんたはいつも人のためばかりしかつくらないね」
華南
「自分はいいよいつでも作れるし…人の為には作ってあげたいと思うんだ」
あつしが喜んでくれてそれだけで嬉しかった。〉
ある日、華南から郵便物が届いた。中を開けるとストラップだった。ストラップは華南が作ってくれたものだった。天然石でつくられたもの。僕は、それも嬉しくて、早速携帯に取り付けた。
メール静
「零はどんな人が好き?」
メール零
「僕ですか?僕は姉さん(初めはそうよんでたから)みたいな人が…」
メール静
「そうなの?」
暫くして
メール零
「さっきはああいったけど、ほんとは、姉さんみたいな人じゃなくて、‘姉さん’がすきなんだ(いっちゃった(>_<))」
僕は怖かった。本当は好きでも相手が僕の事なんてどう思ってるかわからないから、伝えるのが怖かった。
〈すきなタイプを聞いた時、私が好きと言われたのは、正直びっくりした。私はこの時から意識し始めた。自分からいつも好きになるけど空振りで…好きになってもらう事もなくて。嬉しかった。私は外見や歳は気にしない。その本人がどうかということだ。〉
僕たちは日に日に気持ちが深くなっていった。僕は華南に会いに行く事を決意した。会えるまで毎日指折り数えてた。
逢うまでの時間が、とても勿体無く思えた。逢いたい逢いたい…毎日想うことだった。
〈考えたら、ネットの出会いから、本当に会うまでになったんだと思うと、すごいし、不思議な感覚だった。この人は本当に私の事を想ってくれてるんだ…と。そう思うと嬉しくて泣いた。
華南の友達が[静ちゃんのために逢いにきてくれるんだぁ。いいね]
[頑張ってね!私は、応援してるよ]
[今度こそ幸せ掴んでね]
私たちは、温かく見守ってくれてる人が多い。だから頑張れる。〉
だんだん、僕たちが逢う日が近づいてきた。嬉しさと怖さが半々だった。初めに逢ったらなんて話そうか。考えたら心臓が飛び出しそうだ。待ちに待った日がやってきた。
僕らは夏のある日、逢う事になった。
遠距離なのでフェリーを使っていった。
フェリーがついて、バスで最寄りの駅についた。
そこから僕は華南の住む某駅行きの電車にのりこんだ。
そして一時間はかかった。
外は僕の住む都会のごみごみさとは違い、田舎にみる和やかな風景だった。
それが心地よかった。
だんだん目的地に近づいてきた。心臓がドキドキしはじめた。あぁ、なんて話そうか。逢ってすぐは、やっぱり、自己紹介かな。でも、他人牛擬みたいだし、うぅ〜ん。僕はあと数駅でつくというのに、だんだん怖くなってきた。逢って僕をみると幻滅するんじゃないだろうか…。よし!そのときは潔く帰ろう。
〈華南が到着するだろう時間に、駅の前に車を停めて、改札に向かった。ちょうどあつしのの乗った電車がつく頃だった。改札にいくまで緊張していた。どんな顔して逢おう。いやどんな顔も変だから今更…。はぁとため息をつく。改札口につくと同時に、あつしがでてきた。心の準備をしていたはずなのに…一気に頭の中が真っ白になった。でもしっかりみたいから意識を戻して目の前のあつしを見た。少しはにかんでかわいかった。車にいくまでに、私がいつもメールしてる人が、私が好きな人が、すぐ目の前にいるんだ…と考えながら。車に乗って少し話をした。顔を見合わせたらお互いに照れて…照れながらもあつしをずっとみていたかった〉
改札をでたら華南がいた。車で話して、照れて始めはまともにうまく話せなかった。でも、嬉しい気持ちでいっぱいだった。僕の目の前にあれだけ毎日心を痛めて想った華南がいるのだから。
〈とりあえず地理的にしらない私の知る範囲で近場の峠へむかった。頂上付近にトラックが休憩できる場所があるのでそこにいき、車を停めた。夏のかんかん照りで、車内も暑くて大変だった。でも二人で一緒に居たかった。話をしながら華南はあつしの頭を撫でたかったから
華南
「なでていい?」
あつしはうなづいた。
なでなで…。
あつしはすごく幸せそうな顔をした。
華南
「きゃあ(>_<)かわいい」
積極的な華南はそのままあつしを抱き寄せた。
逢ったら絶対抱きしめたかったし、私は意外とこういうことには積極的だ〉
あんなに抱きしめたいと思っていたのに今こうして僕の胸の中にいる。僕の腕は華南を抱きしめられるくらいの長さはある。あぁ、柔らかい…いい匂いがする。
華南
「あつしそっちにいっていい?」
僕の居る助手席に華南が上からのってきた。
〈車って真ん中のギアが邪魔だ。体勢きついから。そっちにいこう〉
華南
「ごめん…重くない?」
あつしは横に首をふった))。
〈あぁ、やっぱりこっちの方が楽だし気持ちいいなぁ。〉
直角も体勢きついから少したおしてあげた。
華南は思いっきり抱きしめた。
体に感じる体温が…髪がそして顔がすぐ目の前に…ドキドキ。抱きしめた体が少し離れた…。
華南はあつしの顔を見つめるとゆっくりあつしの唇に軽く唇を重ねた。それは柔らかいものだった。
華南
「チュッ!どぅ?これがキスだよ」
僕は心臓がバクバクいって華南に聞こえないかと焦った。柔らかいや…。そして また華南の唇が重なってきた。
外の停めてある車たちから見えないように団扇で隠しながらキスをした。
他の車から見えようと見えまいと一緒にいることを大事にしたかった。
車内気温が暑すぎて大変だった。
真夏日の車内暑すぎ…。
でも二人がいることでさらに熱いのかな。
見たくない時計の時間を見て…市内へと行く。うどんをたべた後少し大きい公園に行った。そこは池や噴水少々の動物たちがいる。桜の咲く頃には人であふれ、休日は恋人同士のまったりとした場所である。池を眺めながら二人で歩いた。カメやカルガモ、白鳥、黒鳥といた。池の前にベンチがあり僕たちはそこに座った。
こうしてる時がおちつく。
〈普段は近くであまりいかない場所だが…ここがあつしとの思い出のひとつになる。ここからみる風景は、今日からは昨日までの見方とは違ってみえる。池から磯の匂いがした。静かに時間がながれる。
今までここを恋人と来たのは初めてだから嬉しさを隠しきれなかった。〉
華南
「膝まくらしてあげようか?」
僕は膝まくらは憧れだったし、本当にしてもらえると思うとかなり舞い上がった。華南が僕の左側にすわり右側から僕はゆっくり頭をおろした。
(あぁ、なんて柔らかくてあたたかいんだ)華南の顔がこんなに近くに… いい眺めだ。
〈膝まくらは誰にもしてあげたことはなかったから、これがあつしに初めてしてあげられて、嬉しかった。きもちいいし顔がこんなに近いんだ。ずっとみていられるな〉
周りからみるこの光景、きっと絵になっているんだろうな。
今日は、ここの市で花火大会がある。浴衣をきた人やカップルがちらほら通る。僕たちの膝まくら姿を横目でみながら通り過ぎる人たち。見せつけてやろう!誰も知った人はいないのだから。
鳩も目の前で求愛をしていた。頑張れ!まるで僕たち自身を応援するかのように鳩もうまくいってくれといのった。☆彡
どれくらい時間がたったのだろう…。少しだけそのあたりを歩いて、車に戻った。もうすぐ、一度華南が家にかえる時間がくる。僕たちは花火大会がはじまる時間前に、また待ち合わせた。
人がゾロゾロいく中華南と再び会う。僕は母さんが勧めてくれた甚平をもってきていたのでそれをきて華南といく。華南と団扇であおぎながら河川敷へ向かった…。もう花火がはじまる直前だった。
華南は僕の腕にぴったりくんできた。
〈花火大会はすぐ近くであるのに毎年いかない。恋人といくなんてなかった。すごく嬉しい。その相手があつしでよかった。河川敷にゆっくりおりて、露店の前の方で見た。降りてすぐ始まった。ベストプレイス!打ち上げ花火がとても綺麗。一時間くらいだったがその間ずっとあつしにくっついていた。甚平姿のあつし素敵だったな。似合っていたし。〉
花火の時間もあっという間に過ぎて、いよいよクライマックスを迎えた。
いきなり BGMエトピリカの曲と共に真っ直ぐ打ちあがった花火。それは僕たちを祝福するかのように華麗で綺麗なものだった。
ハート型の花火だった。
〈これは初めてみた。今まではUFO型は見たことはあったがハート型でまさかあつしと一緒にいるときに見れるなんて嬉しすぎる。〉
華南
「私達ってあつしが逢いにきてくれて、ネットの友達みんなが応援してくれてどの人も楽しんできてね…といってくれてまさに電〇男みたいだね。じゃああつしが山〇くんで私がエル〇ス」
みんなからの祝福メールが嬉しかった。みんなありがとう。
華南
「あっ…」
あつし
「ん?どうした?」
華南
「あれみてて(空を指差す)」
ハート型の花火が打ちあがる。
僕たちはつらいときもみんなが居てくれて頑張れるんだ。例えそれがネットだとしても僕と華南は文字から始まってここまできたんだ。文字だけの関係じゃなく人と人が繋がっていることをここに示そう。
あっという間に終わった花火大会。
今だけ、歩道化した道路を歩きながら…華南の家の近くの音楽ホールのある広場で少しだけくつろいだ。静かな空気と薄暗い空が二人を包み込む。あつしの旅の疲れた身体を華南の膝まくらと少しの風が眠りへと導く。
†††††††††あぁ…神様どうか二人このまま時間を止めて永遠のものに。
暮れない夜を望んでる二人を…。
この地の夜空にかかる雲に隠れた月よ、今夜だけ二人の姿照らしてはくれぬか…
影は重ね合わせ一つに…。
今宵家路に帰らんとするまで…。月明かりで照らしておくれ。
†††††††††
それからあつしは車に華南は家に帰った。近くにいるのに一緒に過ごせない夜は切なかった。
〈いつもと違ってすぐ近くに居ると思うと安心感があった〉
†2日目の朝†
華南は車に行き少しあつしに寄り添った。
車のバッテリーがあがった為、車やさんにきて修理してもらう間に近くの大型スーパーの近くにある、公園にいった。
あまり人がいなかったので屋根付きのベンチに座った。散歩中の見知らぬおじさんがちらちらみていたが気にせず二人寄り添った。暑かったがこうして二人で過ごす時間が心地よい。車の修理ができた頃、華南はとりにいった。すぐにあつしの元にいき華南がつれていった先は某霊場の寝はん蔵。車をとめて歩いていった。
目の前に巨大な大仏様が…。大仏様は寝ころんで右手に頭をのせ横側に寝転ぶ姿。ここは全国の有名な場所だ。足の裏をなでた。
〈人間なんてこの大きさから比べたら蟻のようなものだ。ここにつれてきたことで何かおかげあるだろう。〉
それからまた車に戻った。それから時間をみながら華南は家に帰った。夜が一緒にいれないのが寂しい。
3日目…。
朝…借りている車庫の大家さんが、暑いからと仕事場に上げた。ソファがありコーヒーとクッキーを二人にだす。遠慮なくたべた。クーラーとCDも使えて快適な時間を過ごした。ソファの近くのアコーディオンカーテンを少ししめ2人っきりの時にキスをした。ガチャ。
大家さんがはいってくると何もなかったかのようにふるまった。それから大家さんから、昨日いった所の滝がある涼しい所にいくように勧められたので、また行った。
昨日と同じ所に車を停めて歩いていった。大仏の先にまだみたことない場所があった。滝が有りとても涼しかった。
暑い日にはとてもいい場所だった。ゆっくり歩きながらすすんでいった。
〈雷がおちたらしい御神木を二人て手で触った。まるで[犬〇叉]の中にでてくる犬〇叉とか〇めが出逢ったあの御神木を思い出した。あの二人が出逢って愛し合うように、華南達も愛しあっている。か〇めは半妖の犬〇叉を愛すように私もあつしが愛おしいと思った。
か〇めは時代を越える想い、私は距離を越える想い。〉しばらくいくと…恋愛地蔵さんがあった。僕達はそこに近づいた。地蔵様が寄り添って2体あった。周りをみると絵馬が沢山かけてある。僕はその絵馬を手にとり願い事を書いた。内容は秘密にしよう。そして知ってる人が見ないような所にかけた。
華南
「なんてかいた?…じゃぁ向こうに行ってるね」
華南が洞窟内の絵馬をみてる間に僕は願いを込めて絵馬を書いた。
絵馬をかけた後、僕が席を外した。
華南
「みていい?」
〈あつしが書いた絵馬を見た。感動した。胸がじ〜んとしうるっときた。沢山の絵馬をみていたらラブパワー貰えた気がした。ここに書いた人たちは皆うまくいくようにと願いながら書いたのだろうな。お地蔵様も恋人と一緒にいたいのだろう☆彡私も願いを込めながらそこを後にした〉
華南はサンダルをはいていたが足の指がいたかった。サンダルをはいてピークに痛くて足まめができていた。トイレにいった後、華南は歩くのが辛いくらいだったので絆創膏をはった。あつしに足まめの事を伝えた。華南は痛い足でゆっくりと歩いた。今日になって痛みがでたのだろう。
〈私の足を気遣いながら歩いていく。時々立ち止まり。坂道はさすがに足が痛かった。ゆっくり歩きながらあつしは支えてくれてるんだ。〉
僕は華南に足並み揃えて歩いた。痛みがあること何も言わないからそれにきがついてあげれなくてもどかしかった。できることならかわってあげたいのに。僕にできる事はしてあげたい。
僕らは車に戻り少しだけ話をした。
そしてコインランドリーで出来上がるまで近くで食事をした。何を話しても落ち着ける二人。食事を終えコインランドリーへ向かった。後少しの時間をベンチに座り待つ。誰もいないから僕たちは何度もキスをした。僕等が初めていった公園の駐車場でまったりと時間を過ごした…。目の前のラブホを目にしながら…
4日目
車庫の大家さんは暑いからと作業場に僕らをいれてくれた…。僕ら二人をおいて大家さんは買い物に出かけた。
『あなた達私出かけてくるけど』
華南
「はい」
この時、唯一涼しい部屋であつしがもってきたCDをききながら快適に過ごした時間だった。
〈[はい]と答えながら心で二人きりで嬉しいと思えた。大家さんごめんなさい。ありがとう…。〉
大家さんが出かけて二人きりになった。もう今だけは誰にも邪魔されない。僕らはソファに座っていた。見つめ合い華南を抱き寄せた。後何日いられるか考えたら、胸が痛く切なくてどうしようもなかった。僕の中でもう帰りたくないという感情が溢れでてきた。
『ずっと一緒に…居たい』
『帰りたくない』
気持ちと現実に押しつぶされそう。
自然に流れる涙が言葉に表せないものへ。
涙でかすんで見えない。膝枕で見上げた先にかすかに見えるのは僕を…僕だけを見てる華南の微笑みだった。
〈疲れているだろう体を休めてあげたかった。あつしの涙の理由は分かっていた。このまま時間よ止まれと何度唱えただろう。分かっているだけに言葉には出せない。出したらどうなるのか自分が一番知っているからだ。そこは大人だから我慢できているのか?いや、そうではないんだ。寂しさや悲しさや切なさの感情は、大人だからだとか子供だとか関係ない。帰るのも当たり前で一緒に居られる時間も限られている。私はただ現実の辛い感情よりも、今一緒にいる時間を大切にしたかった。折角、一緒にいるのだから。泣くのも悲しむのも逢えない日々にいくらでもできるのだから。一緒にいるのにどこか夢のような感覚に陥いる時が何度かあった。目の前にいるこのあつしが私の一番大事な人なんだ。好きな人のために悲しむより笑顔でいたかった。だから、私はあつしに微笑んでいた。この微笑みで少しでもあつしの心が安らぎますようにと…。〉
………………………
君との時間はどうして急ぎ足で過ぎ去ろうとしているのか
この触れていたい温もり 瞳にうつる君の姿を 僕からどうか引き離さないで…
一緒に居たい…この腕にだきながら
離したくない…
………………………
華南『もう独りじゃないよ(^-^)』
この瞬間だけ どうか凍結して
そしたら二人このまま一緒に居れるのかな…
目覚ましのベルも 昼を知らせるサイレンも
時を知らせるからくり時計も
無くていい
いま私に翼があるならば あなたを包み 二人きりの楽園へ
この繋いだ二人の手をからませたまま離さないでね
私の瞳の中に少しでも居て欲しいの
涙で曇っても
いつも想っていたあなたがここに…
瞬きの瞬間さえ 勿体なくて…
抱きしめた手に知らず知らずに力がはいるの
このままで…お願い………………………長くて短い時間に感じた。大家さんが帰り…大家さんが作業場で油絵を描き始めた。僕らは離れた背後のソファに座って大家さんの話に受け答えしながら二人でキスをしていた。振り向くことは少なかったので…みつからないように。
時間がたち僕らは予約していたホテルへと向かった。
中にはいるとWベッド。荷物をおき静かな空間に僕と華南の二人だけ…。 とくんとくん…。
華南はあつしに抱きついた。
華南『やっと二人きりだね…。』
あつし『うん』
言葉なしに僕らは唇を重ね強く抱きしめあう。好き…愛してる…何十回いっただろう。いくらいってもいいたりない位に。テレビをみながら抱きしめあいキスをした。
お互い肌を重ねあった熱い夜だった。
5日目
目覚めると普段はいないはずのあつしが居る。こんなに幸せなことはない。瞼を開けるとすぐ目の前に。
先に起きた華南姫はあつし王子の寝顔に目覚めのキスをした。チュッ。
華南姫『あつし王子様おはよう』
あつし王子『むにゃむにゃ…』
華南姫『朝だよあつし王子様 』
朝からふざけあいながらいちゃいちゃした。〈こんな日が毎日あったらいいな〉
あつし王子様は華南姫が寝ている間に寝顔にキスをした。そして抱きしめた。華南姫は気づかなかったが…。[華南は…それはすきな人にされたい憧れだった]
丸々1日一緒にいられるのは今日だけだ。何をやっていてもカウントダウンをしてしまう二人。
ホテルの掃除の時間まで一緒にいてそれから出かけた。
大型スーパーにいった。ファーストフード店でおいしそうなマンゴーシェイクが目について二人で
『あれいいね』
あい向かいになって食べた。
〈目の前にして食べるとよくあつしがみれるなぁ。恥ずかしくはなく嬉しい。〉
楽しく話しながらたべた。
それから二階にあるアクセサリーやさんにいった。
二人で持っておけるものが欲しかった。手頃なアクセサリーがおいてあった。
ほんとは2つをあわせてハートになるもの等ほしかったが、無くて、錠と鍵でひとつになっているペンダントをかった。華南の錠をあつしが鍵であけるという意味でそれぞれもった。チェーンは無いのでお互い普段はビニールにいれたまま持ち歩いている。
あつし『必ず鍵あけにくるからね』
〈いつか華南のもつ錠をきっと開けにきてね。私の勇者様〉
華南とペアリングを持ちたくて、華南に選んでもらった。
〈なんだかペアリングっていうとエンゲージリングみたい。妙に嬉しくて緊張してるのは私だけ?〉
華南『ねぇ、あつしエンゲージリングみたいだね』
あつし『そうだよ』
華南『そぅなんだ(照)うれ…しい』
〈私はよくアクセサリーはつける派でリングは最近つけてない。自分でかっても薬指にははめていなかったとおもう。もしはめてても今の気持ちとは違う。この指にはめれるなんて…。すきな人からのリングって最高。大事にしよう〉
ペアリングは名前が掘ってある。リングができるまで駄菓子屋さんに居た。懐かしいのが沢山ある。童心にかえって選んだ。駄菓子屋やさんでかいもの後、リングをとりにいった…。それからホテルに戻った。
一緒に見ようとしたアニメは野球で中止になった。残念。 二人でみたかったなぁ。僕らは二人きりになるほどにべったりしていた。体に触れていると安心感があった。
〈部屋の電気をきりまっくらにして、外が見えるように窓際の戸を開けた。あつしが少し寝ている間、私は着うたの曲を何曲かきいたり着メロを流して〉。
静まり返った空気に綺麗なメロディーが流れる。私たち二人のために奏でたメロディー。
〈私はメロディーに静かなこの時に身を任せた。癒されていく。聞こえてくる曲の歌詞は切なくて。自然と涙が頬をつたった。しばらくきいていた後あつしが目を覚ました。
華南は自分のHPで流しているBGMを聴かせようと思った。携帯会社が違う為いつもはきけないだろうから。〉
華南『これだよ』
あつし『いい曲だね』
オルゴールのとても綺麗なメロディーだった。少し二人で着メロを聴いて過ごした。深夜アニメを二人でみた。二人で見れるなんて…。…。ちょうど面白い話だったので笑いながら見ていた。
真夜中…
華南『あつし、夜景見に行こうか。あの山のすぐ下の展望台』
あつし『ぅん』
華南『夜中だから電気は消えてイルミネーションはすくないかもだけど、 きれいだろうなぁ』
華南と夜景を見に外にでた。車が走ってない道を悠々と走った。僕たちだけしかいない僕たちだけの時間。展望台に到着した。昼間僕たちが車止めてくつろいだ場所の少し下にあった。居たの僕たち以外にも何台かカップルらしき車。車をおりて人の見えない展望台のほうへいった。
時間帯なだけに明るさが少ないが眺めは最高によかった。
ふっとふりかえって上をみた。
私:うわぁ… きれい!
空には一面の星
僕たちは景色をみるときに方位がわかるПの字型の石の上にふたりですわり星空を眺めた。
背後にはこの市の夜景が 空は一面の星が…最高だった。
その2つのすてきなな舞台に囲まれて僕と華南はいるんだ
星空の下の恋人たち 真夜中に埋もれて愛を確かめ合う
沢山の人の中でどうして2人であったのかな…と問う僕に出逢うべくして出逢ったんだと君はいったね
ここから見える星もはかれないほど離れている
僕たちも距離ははかれないけど心ではみえるよね?
〈ただでさえ星空眺めて感動するのに 大好きなあつしとこの空丸ごと私たちが眺めてる
後ろには2人を照らす夜景の光
今にも落ちてきそうな星たち
私とあつしを祝福してくれるかな?
星の輝きのように
2人かがやいているから
私は君たち(星)に願うよ☆彡
私のとなりにいるたった一人しかいないあつしが最愛の人。
だからどうかこの愛を永遠にして〉
しばらくその場で2人のロマンチックな時間をすごしまたホテルへとむかった 。
ホテルの近くの駐車場へかえった。車の中で話をした。
あつし
「華南がもし他の人(男)ができたらいってね」
(えっ?何いってんだろう)
華南『あつしだけだよ…』
あつし
「そんなのわからないだろ。気持ちって変わるもんだろ」
華南
「……」
少し無言になった。(あつしからでた他の人に…という言葉がでた瞬間、心の中で色々な気持ちが渦を巻きでてきた。あつしが好きで他の誰かなんて考えた事ないし考えない。答えのないものを無理に答えるときの気分になった。
以前のトラウマがでてきた。
答えたかった気持ち喉からでない。
こんな自分いやだな)
無言のままホテルに戻った。
部屋に戻っても空気は重かった。
ベッドでも離れてねてしまう。
ごめんね。うまく伝えれなくて。
隣りで寝られる時を無駄にしてしまってごめんね…隣りで寝て欲しかったのに)
6日目の朝…
僕は寝ていた華南のそばにより抱きしめた。寝顔にキスしたり…。
(目あけたらびっくり。あつしに抱きしめられていた。どきっ。起きるとすきな人がいてというのは憧れだったから嬉しかった)
ホテルのチェックアウトまで…朝からラブラブで寄り添う。(この腕で抱きしめて離さないでね)
帰るはずの今日…
どうしても帰りたくなくて少しでも華南と居たくて明日帰る事にした。
迷ったが僕のきもちは変わらなかった。あつし
「華南…やっぱり明日帰るから」
華南は嬉しくてうっすら涙を浮かべた。
夕方、ファミレスにいった。
合い向かいの席に二人並んで座った。
高校生達が
「並んでるよ…」
と声が聞こえてきたが、気にせず楽しく食事をした。合い向かいで食べるよりもっと近くで顔みて食べられる。
僕はホテルに、華南は家に帰った。
これで明日まで華南と逢えないのか。
華南はメールを送った。
華南[薬局いくけどいく?]
あつし
「いく!」
即答した。
すぐに終わる用事だとしても、ひとりでいるホテルよりずっとよかった。
薬局からでた。
華南『いつもいっているスーパーにいくね』
スーパーについて華南の買い物につきあった。
レジまちのとき。
華南『夫婦みたいだね』
あつし『うん』
(ほんとにそうならいいのに☆彡嬉しいな)
華南はあつしをホテルに降ろし家に帰った。
僕はその日寂しい夜を迎えた。寝れない…。
7日目最後の日
朝四時台に華南がホテルにやって来た。ホテル門限の為に入れなかった。
華南はメールを送った。華南『鍵かかっていて入れないよ』
メールあつし
「えっ?」
チェックアウトまで一人でいるなんて…。
僕は荷物を全部持って非常階段のほうに行った。
二階から一階には降りれなかった。
下には華南が待っていた。
逆ロミ〇とジ〇リエットのように…。
僕は何としてでも降りてやろうとおもった。
従業員にいって開けてもらった。(よかった)
あつし
「華南〜」
華南を抱きしめた。少し落ち着いて華南は夜景をみにいった場所につれていった。
まだ早い時間に途中に車をとめてみたら朝やけが綺麗だった。車をとめ、抱き合いながら二人で写真を撮った。
展望台に行った。そこから見える眺めは最高だった。
朝日が綺麗だった。僕らが座ったあの方位石の下で華南を抱き寄せた。
見えない位置で何度もキスをした。
少し車で休んだ後…大型スーパーへ向かった。中華料理店で食事をした。
横にならんで人に見えない位置に座り途中で
華南『はぃ、あ〜ん』
あつし
「(ぱくっもぐもぐ)おいしい」
食事の後…残りの時間を二階のベンチに座り過ごした。
お互い時計をみるのがだんだん辛くなった。ベンチにいても周りに人がいない場所だったので、何度もキスをした。
僕たちはよく人がみていない時の一緒に歩いててもキスをした。よく考えてみると、これはお互いがきが合わないとできない事だからすごいことだと後できづいた。
瞬間キス…。僕と華南にしかできない。
いつもより寄り添う距離も近くただ口からでる言葉は
『好き…』
『愛してる』
ばかり。
気持ちをおさえきれない。
砂時計が二人の時間をにぎる
もうそんなに残っていない砂が僕の涙で湿って落下速度をおくらせる
抱きしめたい
もう離したくない
この腕から
温もりよ 笑顔よ
消えないで…
君が狂おしいほど愛しく
心が帰る現実を拒む回した腕が君を強く重ねた唇は熱く
伝えたいのは
『愛してる』
太陽みたいな君の光を 僕だけに注いで その中で成長するから
柔らかな 優しい光 の中で…
………………………〈帰る時間をきにせずいたかった…。これ程、1日という限られた時間がいらないとおもったときはなかった。
いつもより気持ち半分あつし側にくっついた。
自然に抱きつく。
数時間後の事を考えるのが怖かった。
胸の奥は張り裂けそうで胸が痛くて。
そこから出てくる気持ちは無理やり閉じ込めていた。〉
華南『約束のやって…』
腕につけたキスマーク…チュ〜ッ。
〈以前から二人が一緒に居たことを帰った後に寂しくならないように、幻と思わないようにキスマークをつけて…と頼んでいた〉
華南もあつしの腕にキスマークをつけた。
チュ〜〜ッ。
うまくついた。
お互い言葉が少なくなった。
もうすぐ来る別れの時間が嫌でもわかっていた。
華南『好き… 』
『離れたくない…………』
とっさに華南から言葉…。
それまで我慢していた気持ちが溢れでてきた…。
どんなに帰りたくないか、一緒にいたいか…。
華南を抱きしめる手に力がはいる。
あつし
「華南…」
〈自分では封印した言葉だったのに、心には嘘がつけなかった。自分がその言葉をいう事であつしさえ切なくしてしまう。言わないようにしていたのに…〉 †††††††††葉月に育った時間花
大地にあなたが蒔いた種は
愛で すくすく育った
昨日より今日
今日より明日と
日に日に 色を変え あなた色に染まる
指輪が結ぶ二人の絆は離れるほどに強さを増していく
心を揺らす涙のわけをガラスに反射した光で 隠して
寂しさをこの日々で埋めて
切なさを温もりに変えて
記憶のアルバムに
忘れぬよう
永遠に刻んで☆
†††††††††帰りの時間が近づき駅へむかった。
時間まで車の中にいた。初めの日のことや緊張したり照れていたことを話した。一緒に写真をとったり話した後、改札口へとむかった。
改札口の中と外で話をしていた。
華南
「ちょっとまって」
華南は入場券をかいにいった。
華南
「これなら中に入れるし一緒にいられるよね」
小さい駅なので周りに人が沢山いるわけでもない。華南は#あつしに抱きついた。電車がくるまでこうしていたかった。
〈もうすぐくる電車があつしを乗せ去ることを考えたくなかった。そんなことを考える余裕はどこにもない。いまは目の前にいるあつしと居られる、居たい時間を自分の気持ちのままに行動した。こんなときなぜかな…言葉なんて出て来ない。本当にでてしまう言葉を強引に封印してるだけ。‘離れたくない…こんなにすきなのに’必死で押し殺した気持ち…。〉
あっという間に電車がホームにはいってきた。あつしは電車に乗り、乗る前に華南を見た。
『じゃあ、またね』
電車は二人の余韻も残す間も無くすぐに扉は閉まり発車した。
電車からみつめる僕電車を見送る華南。
あつしを乗せた電車が走り去った後、静まり返ったホームから無言のまま改札をでた華南。
車を停めた所まで、なぜか急ぎ足になっていた。
無表情のまま車に乗り込んだ。
乗った瞬間…ボロボロ…目がら大粒の涙が流れた。
車の中でなきながら運転をし、河川敷へいった。その車中で、いつ以来かわからないほどの大泣きをした。おさえてたきもちが一気にあふれだして止まらなくなった。
『こんなに好きなのに… 』
『あつし…かえっちゃった』
涙が枯れるくらいに泣いた。
言葉ではいい表せないくらい切ない。
今頃、帰りのフェリーに向かってるところかな。あれこれと考える。居なくなり相手の存在の大きさがわかるものだ。
どれだけ大切でどれだけ好きなのか。
つぶやくようにでる言葉は『好き』『愛してる』。
帰って気づいた気持ち。
[あつしに逢えてよかったし、もっと好きになった。]〉
電車がくるまで僕は気持ちの置き場に困った。帰りたくないきもち離れたくない気持ちでいっぱいで言葉にできないでいた。きっと華南も同じ気持ちでいたのだろう。僕が電車に乗り込んでから華南からメールが入った。
あのあと、大泣きをした…と。
今まで我慢していたのに…我慢できずに涙が流れた。
華南……。
帰りの足がどんなに重く切ないか…帰りの道のりが行きがけの何倍も長く感じた。二人の距離がまたどんどん離れていく。いつもとなりで笑う華南はもういない。また抱きしめたい…。
二人それぞれ好きな気持ち暖めながら これから歩んでいく。もっと深い愛の道へ…。
そのたびにまた素敵な話ができるだろう…☆彡
その日まで…
またね!