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第24話 難舞最強!!100球の約束と夏の連覇への挑戦!!

夏の甲子園を迎えた難舞高校。


そこでは、難舞高校の更なる伝説が幕を開ける事になる。


夏の甲子園でははじめの宣言通り一度もマウンドを譲ることなく、決勝までを全試合完封。


球数も準決勝の94球が最多で、初戦では85球に抑えられていた。


はじめのストレートの最速は159キロ。更に前年の夏に見せたカーブやチェンジアップに加えてシュート、シンカー、ツーシーム、スライダー、スプリット、、、全てを魔球のように操り、もはや高校生では太刀打ちできない怪物になった為に余計な釣り球や見せ球は必要無かったのだった。


はじめはバッティングでもパワーが増し、ここまで16本塁打を記録。


慎太郎も正捕手としてチームを牽引し、さらに広角に打ち分ける打撃技術を完全にものにしている。


難舞高校打線は県大会の勢いをそのままに大爆発。


準決勝まで毎試合14得点を上げる。


圧倒的な力の差を見せつけて、難舞高校は史上最強のチームとして歴史に名を刻んだのだった。


そして迎えた決勝。


決勝戦前にブルペンで投球練習をするはじめと慎太郎。


慎太郎「よし、そろそろ座っていいか?」


はじめ「あぁ。頼む」


慎太郎「よし。“ここまであの前に見せた真っすぐは投げてなかった…投げる必要すら無かったが…”」


はじめ「ふぅ…慎太郎、あれ投げるぞ」


慎太郎「…わかった」


“ビュルルルルルルッ!!!”


“スパァーーーンッ!!!”


慎太郎「す、すげぇ…」


はじめ“よし、いい感覚だ!決勝までに何とかモノにできたな”


はじめは、あのストレートに感じた手応えをそのままに、決勝でも相手打線を圧倒し、三振と内野ゴロでリズムよくアウトを重ねた。


それをレフトから見ていた杉原。


杉原「す、すげぇ……そりゃ俺が甲子園で投げる機会も無くなるってわけだ。だったらバットで援護してやる!!」


はじめと慎太郎に本塁打は出なかったが、杉原と木場がそれぞれ決勝だけで3本塁打を放ち、はじめを援護した。


田中、谷原のコンビも躍動し、20点を奪ったのだった。


そして……


田中「う…うそやろ?…こんな大舞台で…」


永倉「信じられない…」


杉原「別に驚かない……あんな球誰も完璧に打ち返せるわけがねぇ」


9回2アウト。


完全試合が難舞高校ナインにチラついていた。


しかしファーストにいた谷原は異変に気付いていた。


谷原「沖田、大丈夫?」


はじめ「…え?大丈夫ですが…」


谷原「そう…まぁここまできたら君に抑えてもらわないと困るけどね」


はじめ「谷原さん…」


谷原「でも君のバックには僕たちもいるんだ。思いきって投げなよ」


はじめ「はい。“やっぱ鋭いな、谷原さんは”」


はじめはスコアボードに映し出された球数に目をやった。


はじめ「97…ここは内野ゴロ打たせるしかねぇか…」


そしてはじめが投げたのは、ツーシームだった。


しかし……


はじめ“ヤベッ!!”


慎太郎“あ、甘い!!”


“キーーンッ!!”


捉えられた打球はピッチャーのはじめの顔を通過し、センターへ抜けそうだった。


そこへ現れたのがセカンドの木場。


木場「抜かせねぇーー!!!」


谷原「木場ッ!!!」


打球はダイビングした木場のグラブへ収まり、木場は素早く起き上がり1塁の谷原へ送球した。


1塁審判“アウトぉーーー!!!!”


木場「よ、よっしゃぁーーーー!!!」


はじめ「木場さん…」


この木場のファインプレーで、難舞高校はこの大一番で完全試合を達成したのだった。



2年連続で夏の甲子園優勝を制覇した難舞高校。


ナインが甲子園から難舞高校の専用球場に帰ってきた……


谷原「武市、わかってると思うけど、次は君以外にキャプテンやれる人はいないんだ。後は頼んだよ」


慎太郎「はい。谷原さん、ありがとうございました」


するとそこへ木場が現れた。


木場「谷原」


谷原「ん?」


木場「谷原…迷惑かけてすまなかった」


木場は谷原に深々と頭を下げた。


谷原「木場。君は本当に変わったよ。最後のファインプレー、あれは僕も鳥肌が立った。腐ってたのはもう過去の話。これからもお互い上目指して頑張っていこうよ」


木場「谷原……」


谷原「あ!そうそう、君に渡そうと思ってたんだ!」


谷原はバッグの中を探し始めた。


木場「?」


谷原「あった!木場!」


谷原は木場に甲子園決勝のウィニングボールを渡した。


木場「これを俺に?沖田じゃなくてか?」


谷原「一応沖田にも聞いてみたら、“これは俺じゃなくて木場さんに渡してほしいです”って。それに僕もこれは君が持ってたほうが良いと思う」


木場「谷原…」


杉原「ほら!もらっとけよ、木場」


木場「杉原!」


杉原「谷原と沖田がそう言ってんだ。誰も文句ねぇよ」


木場「…わかった。ありがとう」


木場はウィニングボールを受け取った。


それから月日は流れ、ドラフト会議の日。


“第3巡目選択希望選手、東京ブラックキャッツ、谷原雄平、内野手、難舞高校”


“第3巡目選択希望選手、福岡イエロードッグス、杉原陽太 投手、難舞高校”


谷原、杉原がそれぞれ指名された。


そして……


“第6巡目選択希望選手、大阪グリーンバーズ、木場琢磨、内野手、難舞高校”


木場は夏の活躍と堅実な守備が評価され、木場自身も予想していなかったプロからのドラフト指名を6位で勝ち取ったのだった。


ドラフト会議の翌日、プロから指名された3人の元へ、ある先輩が訪ねてきた。


谷原「誰だろうね、こんなタイミングで僕たちを訪ねてくるなんて」


杉原「さぁ。でもまさか俺が3位で指名されるとは正直思わなかったぞ。それも甲子園では投げてないのにピッチャーで指名されるなんてな」


木場「いや、お前の県大会とセンバツのピッチングを見てたら妥当だと思うぞ。それより俺が指名されるなんて……」


?「おいおい、何浮かれてるんだよ、お前ら」


谷原、杉原、木場「!!」


3人はその声に一瞬驚いた。


木場「ま、まさか、小前さん!?」


小前「よ!プロ入りおめでとう!」


谷原、杉原、木場「お、お疲れさまです!!」


思わぬ大先輩の訪問に、3人は慌てて頭を下げた。


小前「おい、よしてくれ。俺は今野球選手でも何でもねぇんだからさ」


谷原「いやいや、小前さんは偉大な先輩ですよ!いつまで経っても頭は上げられません!」


小前「まぁまぁ、そうかしこまるなって。今日は祝に来たんだよ。まさかお前らに先越されると思わなかったけど、俺もなんだか嬉しくてな!!」


杉原「小前さん……」


木場「小前さん、春に小前さんに救って頂いた事、本当に感謝してます。今の俺がいるのは小前さんのおかげです。ありがとうございました」


木場は再度頭を深々と下げた。


小前「木場……そう言えばお前、キャットフード万引きしようとしてたな!(笑)」


木場「……小前さん……」


小前「……ちゃんと見てたぞ、木場。県大会も甲子園もな。お前がセカンド守ってたのも驚きだったが、最後のファインプレーは本当鳥肌モノだった…」


木場「……あ、ありがとうございます!!」


小前「それから谷原、お前の急成長にも驚かされたぞ。単打しか打てなかったお前が、甲子園の中段まで打球飛ばしてたんだからな。努力家のお前なら大丈夫だと思うけど、プロ入ってもお前らしさ忘れずに頑張れよ」


谷原「小前さん…ありがとうございます」


小前「杉原!お前のピッチング、夏の甲子園で見れなかったのは残念だったが、県大会とセンバツのピッチングは本当にすごかったよ。5番打ってレフト守ってたのは正直ビックリしたけど、打つ方でもしっかり結果だしてたな。プロ行っても頑張れよ!」


杉原「はい!ありがとうございます!」


小前「よし、お前ら、今日は祝だ!俺が焼き肉奢ってやる!準備して来い!」


谷原、杉原、木場「はい!」


4人は焼き肉を食べながら、この先の難舞高校について語り合っていた。


小前「そう言えば、次のキャプテンは誰がやるんだ?やっぱり武市か?」


谷原「えぇ。彼には本当にいろんな場面で助けてもらいましたから」


木場「すいません!極上タン10人前と山盛りご飯のおかわりお願いします!」


小前「そっか。沖田にやらせても面白いと思ったけどな」


杉原「そうですね。アイツああ見えて、実はチームの誰よりも勝ちと成長に拘ってますからね」


谷原「それに木場にセカンドを守らせるように提案してきたのは、沖田でしたからね」


小前「え!?そうなのか?……でもまぁ武市が1番まとめ上げる事が出来そうなのは間違いないな」


小前の母「はい、極上タン10人前と山盛りご飯ね」


小前「ご、極上タンだと!?頼んでねぇよ!」


木場「ありがとうございます!」


小前「木場、テメェか!!」


木場「はい!……マジ美味いです!!ありがとうございます!!」


小前の母「悠介、あんたにはビタ一文まけてあげないからね」


小前「わかってるよ!!……じゃあ、10万渡しとくから!!好きなだけ食いやがれ!!残したらテメエら、ぶっ殺すからな!!」

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