第2話
リュウが魔法料理学院で迎えた最初の試験――それは、ライバルたちと本気の料理対決。
火と風の魔法を駆使する彼は、料理人としての腕だけでなく、魔法使いとしての覚悟を問われることになる。
そこで待ち受けていたのは、ただの課題ではなく、「魔法料理」の真の意味を突きつける戦いだった。
仲間、ライバル、そして試される自分自身。
少年は、初めて“本気の刃”をまな板に振り下ろす――!
試験の結果発表から数日後、魔法料理学院の練習場には熱気が満ちていた。
「お前、本当に俺に勝てると思ってるのか?」
バンはいつもの鋭い視線でリュウを見下ろす。
「勝てるかどうかはわからない。でも、負ける気はしない」
リュウは堂々と答えた。
二人の間に張り詰めた空気が流れる。バンはそのまま火と土の魔法を融合させ、地面を揺らすほどの炎を料理台に放った。
「俺の料理は力強さが命だ。魔法は技術だけじゃない、魂の込め方だ!」
リュウは負けじと風の魔法で炎を操り、熱を均一に食材に届ける。
「俺も負けてられない!」
そこへ響が静かに近づく。
「二人とも、無理しすぎないで。料理は楽しむものよ」
その言葉に、リュウはふっと肩の力を抜いた。響の微笑みは、彼にとっての励ましだった。
「響、俺ももっと上手くなりたいんだ」
響は優しく頷き、手を差し伸べた。
「なら、一緒に練習しましょう。魔法料理は一人じゃないわ」
三人の絆が少しずつ深まっていく。
これからの旅路には、数えきれない挑戦と成長が待っているのだ。
第2話では、リュウにとっての「最初の壁」を描きました。
料理は命を育み、魔法は命を導く。そんなテーマの第一歩です。
火花を散らす魔法料理対決の裏で、それぞれのキャラが何を背負い、何を得ようとしているのか――
これからどんどん掘り下げていきます!次回もどうぞお楽しみに!