第27話「戦の大陸と、焦げた祈り」
戦争大陸
赤黒い大地に、焼け落ちた村と鉄の砦が点在する、戦火の大陸。
かつて神獣が眠っていたが、その怒りが今なお戦乱を呼び起こしていた。
セリーナ「この地では“料理”が“兵器”として使われているらしいわ」
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敵と同盟国:鉄騎連合と反抗軍《白灰団》
・鉄騎連合:神獣の力を“調理”し、戦闘食として用いる軍閥国家
・白灰団:かつて神獣を祀っていた民の末裔。反戦組織。
反抗軍の少年・カリム「神獣の肉を喰らって力を得た兵士が、村を焼いたんだ……!
料理人なんて、もう信じられない!」
ユウト「違う。俺は、戦うために料理を作るんじゃない──
心を癒すために、包丁を握ってるんだ」
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神獣
・「戦火」と「怒り」を司る灼熱の神獣
・血肉には「狂戦士化」の魔素が宿り、食した者の理性を奪う
・封印地は、《焦熱の峡谷・ヴァルグラード》の地下
セリオ(幻影)「ユウト、お前の“味”が試されるぞ──今度は、“憎しみ”を溶かす力だ」
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調理条件:「怒りを鎮める火」を用いる
鉄騎連合は“強火”で焼き焦がす爆裂料理に固執するが、
ユウトは“炎そのものに優しさを宿す調理”を試みる。
ユウト「炎は、奪うばかりじゃない……
俺は、神獣の怒りを“祈りの火”に変えてやる」
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地下封印が解かれ、神獣が暴走。
紅蓮の嵐が峡谷を包み、敵味方の区別なく焼き尽くそうとする。
【神獣の声】「オマエモ、クイツクサレロ──ヒトハ、ウラギル……!」
カリムが涙ながらに叫ぶ。
カリム「もう、誰も焼かれちゃいけないんだ──!」
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《祈火のラグー・ヴァルガ風》
・神獣の怒りを逆に「素材の旨味」として包み込む調理法
・地元の祈り火(供養灯)を使用し、穏やかに煮込むことで魔素を鎮める
ユウト「怒りは、抑えるんじゃなくて、“受け止めて煮る”んだ」
紅蓮の嵐が料理の香りで収束していく。
神獣の瞳に、一筋の涙──
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料理を食べた神獣は、人々の“失われた祈りの記憶”を思い出し、姿を消す。
カリムの母の面影が幻の中で微笑む。
【神獣の声】「……オマエ、ナラ……ユルソウ……」
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カリムはユウトの前に跪く。
カリム「……ごめん、信じてなかった。
ユウトの料理は……俺たちを救った」




