第23話「料理とは祈り──セリーナへの手紙」
王都孤児院《エルメの家》
暖かな陽だまりの中、少女セリーナは小さな台所でスープをかき混ぜていた。
その手の動きは、無意識のうちに“誰か”の影をなぞっている。
セリーナ「この味……どうして、ずっと手が覚えてるんだろう。
……“ユウト”って名前も、どこかで……」
そのとき、扉がノックされる。
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ユウト「届けにきたんだ。
……“二人で作ったスープ”を」
セリーナが目を見開く。
ユウトは鍋を開け、静かに香りを広げる──
それは、あの日セリオとユウトが作った“野菜の優しいスープ”。
セリーナ「この……香り……っ……どうして……涙が……」
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記憶再現スープ《ふたりのキッチン》
この料理には、《メモリ・レシピ》に記された記憶魔法が宿っていた。
スープを一口啜った瞬間、セリーナの意識に“あの夜”の光景が流れ込む。
【記憶内】
少女時代のセリオ「ユウト、ほら、味見して」
幼いユウト「うん……おいしいよ、セリオ姉!」
セリオ「これが、私たちの“最初の料理”だね」
【現在】
セリーナ「……私……セリオ……姉……だったの……?」
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セリーナ「あなたが……ユウト……だったんだね」
ユウト「やっと、会えたな。もう一度……一緒に、料理ができるかもしれないって……信じてた」
二人は、ゆっくりと、手を重ねる。
過去の絆が、料理を通じて今ここに蘇る。
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ユウトは孤児院の窓から差し込む光を見上げる。
ユウト(ギルとの再戦は近い──
あいつの“味覚支配”を越えるには……“想いの味”が必要だ)
セリーナの中に宿る“セリオの記憶”が、まだすべて目覚めたわけではない。
だが、確かな一歩が今、踏み出された。




