第21話「そして現れた影──《黒き皿》の使徒」
クックフェス会場に突如現れた、黒衣の料理人。
彼は審査員席の一人を無言で倒し、空中に漆黒の皿を差し出した。
黒き皿の料理人
・異端の調理集団《黒き皿》の使徒
・「味の力」で人心を操る、禁じられし味覚操作術の使い手
ギル「料理とは、支配だ。味覚は感情を超える。
さあ、誰が次の皿に立つ……?」
主催者は一時中断を告げるが、王都側は“ギル”の挑戦を拒めなかった。
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ユウトは、全参加者の前で自ら一歩を踏み出す。
ユウト「料理は、心をつなぐものだ。
その信念を、あなたに叩き込んでやる!」
ギルは冷笑する。
ギル「いいだろう。ではお前には……“完全なる味の支配”を味わわせてやろう」
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ギルの料理《調律黒汁》
・味覚と脳をリンクさせ、意識を支配する料理
・食べた者は“喜び・恐怖・憎しみ”を任意に操作される
審査員「これは……私の意識が……っ!」
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ユウトが対抗したのは、“共有”をテーマにした一皿。
ユウトの料理《ふたりで作った野菜スープ ~姉との記憶~》
・現世でセリオと一緒に作った、家庭の味を再構成
・具材の選び方、煮込み方、スープの香り……全てに“共鳴”が宿る
ユウト「これは、俺の味じゃない。
“ふたりで作った、俺たちの味”だ──!」
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ユウトの料理は、ギルの支配術を打ち破る。
観客の中には、思わず涙をこぼす者もいた。
ギル「……負けたか。“個”では勝てなかった……“共鳴”に」
その瞬間、ユウトの元へ小さな声が届く。
???「……その味、やっぱり、覚えてるよ。ユウト」
振り返ると──
そこには、亡きはずの姉に瓜二つの少女がいた。
『二人だけのキッチン』
【現世、まだユウトとセリオが小学生だったころ】
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ある雨の日、母の帰りが遅れていた。
ユウトは腹を鳴らしながら、冷蔵庫を開ける。
そこにあったのは──キャベツ、にんじん、そして古びたコンソメ。
ユウト「うーん……料理、作れたらいいのに」
セリオが、静かに台所に立つ。
セリオ「なら、一緒にやろっか。
わたし、絵本で見たことある。野菜スープ、つくれるかも」
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火の使い方も、包丁の使い方もおぼつかない。
けれど、二人は何度も味を見て、具材を足し、工夫していった。
そのときのセリオの笑顔が、ユウトにとって“料理の原点”だった。
セリオ「ほら、できたよ──“二人だけのスープ”!」
ユウトはその味を、ずっと忘れていない。




