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三
ほら、今だって。
あんな爆弾発言したくせに、本人は恥ずかしがるそぶりも見せない。
……好いてもいない、年頃の女の子に、
……かわいい、……なんて。
言う、もんじゃない、……んだよ?
……番に、好かれていないって、こんなに苦しいことなんだ……
普通は番同士だから惹かれるのだけど、
種族が違うとやっぱり、難しいんだろうな……
それに、私たちは、生きてる時代が違う。
歴史を、変えてもいいのだろうか……?
いや、変えたいよ。できれば。
私は、もう、この時代に落ちてきたんだ。
だから、もう、私は“過去”じゃなくて“今”を生きてるっていうのは、わかってるんだ。
でも、私なんかが勝手に変えていいのかな?
もし、変えたとして、もっと悪くなってしまったら……?
そんなの、絶対にいやだ。
わかってる、こんなのただの我が儘だ。
変えたいけど変えたくない、なんて。
私たちが黙った時、平助さんが急に私に向かってこう言った。
「……ねぇ、時雨。
……これ、何??」
平助さんが私に何かと聞いて見せた物。
それは、
私の涙が、結晶になったもの、だった。




