一
まぁ、それは一理あるかもね。
自分の家に自ら泥を塗るような発言をする人とか……
私を蹴落とすために発言したことで隠していた悪行がバレた人とか……
……全く、馬鹿としか言いようがないよね。
「まぁ、あっちでは一部の人たちからは気味悪がられてましたし、嫌われていたので皆さんがそういう感じじゃなくて嬉しいですよ。」
ちなみに嫌われてた、ってのは主に闇市場とか裏取引とかそういう、後ろ暗いことをしている人たちから、だけど。
「「「「「当たり前やろ(だろ)(でしょう)(だろう)。」」」」」
「時雨は綺麗やで」
「そうそう!」
「そんな奴らと一緒にするでない」
……みんな……ほんとに、優しい、な……
「……ほんとに?さっきのも、気持ち悪く、ない……?」
信じて、いいのかな?
「さっきの?」
あ、そうか、新見さんたちは居なかったもんね
「……こんな感じになることです。」
龍人の一歩手前になる
「うわ!びっくりした!
……なんだ、綺麗だな。」
「ほう、綺麗だな。これがどうした?」
……え……それだ、け?
ほんとに、それ、だ、け……?
「……じゃあ、これも……?」
完全に龍人化する
「怖く、ない……?
気持ち、悪く……ない……?」
……この人たちなら、気持ち悪がないかもしれない。
そうだといいな。
「「「「「「全然!」」」」」」
「……角も、鱗も、生えて、る、のに……?」
受け入れてもらえて嬉しくて、でもやっぱりまだ信じ切れてなくて、怖くて、
ぽろぽろと涙をこぼす。
その涙は結晶となり、水晶になっていった。
「え、うわ、え?え?」
「え、なんで泣くの〜?……ってこれ何?」
「何じゃこりゃ」
「水晶……ですかね?
でも純度が高すぎです。まるで硝子のように透明ですね。」
「……山南さん、そこは普通驚くとこだろうが。
なに冷静に分析してるんだ……」
「時雨、大丈夫か?」
「ぅ、ひっく、う、っ……ぅ、……ご、……ごめ、なさ……」
「…………はぁ…………」
烝さんがため息をつく
ビクッ
どうしよう、やっぱり嫌われちゃったのかな……
「……あんなぁ?時雨。
……俺、さっきも、言ったはずやで。
……謝るな、て言ったやろうが。」
いつもより低く、冷ややかな鋭い声に体が震える。
どうしよう、怒らせてしまっただろうか。
……怖い。
嫌われるのが、怖い。
初めて知った。
……好きな人に嫌われるのって、こんなに怖いことなんだ……
刀を喉に付けつけられた時よりも、
初めて人を斬った時よりも、
初めて人に斬られた時よりも、
太陰様に本気の殺気を向けられた時よりも、
ずっと、ずっと、
怖かった。
……痛かった。
この痛みは、何……?
なんで胸がこんなに痛むの……?
……謝るなって、どういう、意味……?
なんて、言えば、いいの……?
なんて、言えば、嫌われない……?
なんて、言えば……?
……あれ……?そういえば、昔、誰かとこんなやりとりをした気がする……
『っだから違う!言い方を変えろと言ったんじゃないっ!!謝るなと言ってるんだ!!』
……こういう時、なんて言うんだっけ……?
……私は、この時、なんて言ってた……?
ええと、確か……
『え、?…………あ、え……と……あ、ありがとう……ございます……?』
そうだ、たしか、
ありがとう、って言う……んだよ、ね……?
「あ、り……がとう、……?」
……合ってる……かな?
「……せや。ちゃんと言えるんやんか。
俺は謝まられるより、
ありがとうって言われた方が嬉しい。」
『……そうそう。やればできるんじゃないか。
謝られるよりありがとうって言われた方が誰だってうれしいだろう?
少なくとも私は謝られるより感謝される方が嬉しいんだがな?』
……そういえば太陰様と、こんな会話をしたことがあったっんだっけ……?
「もっとちゃんと自分に優しくせぇや。
そんでもっと自分を褒めたりぃや。
お前は十分あっちで頑張って来たんやろ?
ならここでは気楽に生きていけばええやろ。
もうここにはお前を縛るもんも責める奴も貶す奴も嫌う奴もおらんのやから。」
「……う……ん……っ」
……そういえば、今日はよく涙を流すな……
こんなに涙を流したのはいつぶりだっただろうか……?
確か、あの事件の時以来だった気がする……
そういえば、あの時以来、泣いてなかった……かな……?




