三
「あ、時雨〜おかえり〜……
……ってどうしたそれ?」
二人と一緒に屯所に帰って平助さんから一発目に発された言葉がこれだ。
「あ〜……これですか?
……女の子に絡んでたので持ってきました。」
「持ってきたって……んな荷物みたいに……」
「いや、完全に荷物じゃないですか。」
「いやまぁ、そうなんだけど。」
……いや、そうなんかい。
その時、ドタドタっと足音が聞こえて幹部のみんなが出迎えてくれた。
……おお……圧巻…………
「お〜おけぇーり。時雨、いいの買えたか?」
「おかえり!時雨くん!」
「おかえり〜」
「おかえりなさい」
「……おかえり」
「おう、時雨っ!おかえり!」
「そいつどうした〜?」
上から順に、
土方さん、近藤さん、源さん、山南さん、斎藤さん、新八さん、左之さん、だ。
「わざわざお出迎えありがとうございます。」
「いーのいーの!」
……んん?
……なんか後ろからどす黒い気配がするのは気のせいかな……?
「……それより、僕たちにはおかえりの一言もないってどう言うことなんでしょうね??」
あ、や、やべぇ……
総司さんが黒笑い浮かべてら……
「あ、すまん総司!おかえり!」
と近藤さん
「へいへい、おけーりおけーり。」
と適当に返事をする土方さん。
「……じゃあ土方さんの沢庵食べときますね。」
「あ、じゃあ俺もご一緒させてもろうわ〜」
……だが、それは逆に二人のイラつき度をあげただけだったようだ。
火に油を注ぐ、とも言う。
「なんでだよっ!!」
こうゆう時だけ妙に互いに協力的になりやがって……
という土方さんの大きい《《独り言》》は当然のように無視される。
「「なんかムカついたので。」」
「俺への扱いひどくねっ!?」
ドンマイ土方さん。
……でもさっきのは自業自得なんじゃないかと思うんですよね、私は。
「……雪ノ宮、そいつはどうした?」
あ、斎藤さん。
初めて名前呼ばれた気がする。
……あ、てかここに来て苗字呼ばれたのも初めてかも。
「……あぁ、この人は街で女の子に絡んでた浪士です。
喋り方からして長人っぽかったので連れてきました。」
まぁ、奉行所に持ってっても良かったんだけどね。
「……そうか。」
「……あ、それと斎藤さん、できれば俺のことは時雨、と呼んでください。」
「……では、そうさせてもらう。
あんたも俺のことは一でいい。」
「……!はい、じゃあ一さんって呼ばせて貰いますね!」
やった!
斎藤さ……じゃなくて一さんから『一』呼びの許可が降りたっ!!
「あぁ。……ふっ、」
………………え?
は、一さんが、笑った……?
あのまっっっったく笑わない、
無表情のイメージの一さんが……??
ぎこちないし口角もあんまり上がってないけれど、さっきまでの固い表情じゃなくて、少し柔らかくなっている。
なでなで
一さんに頭を撫でられる
「……????」
私は今すんごい間抜けな顔してると思う。
というかなんで私は急に撫でられたんだ……?
「……時雨は、猫みたいだな。」
「猫!?」
「猫。」
「わた……じゃなくて、俺、狼なんですけど!?」
「……でも猫みたいだ。」
……あ……さいですか……
でも猫っちゅうよりどっちかというと犬じゃないのかな……??
狼だよ……?
「あ、そうですか……」
ややこしくなりそうだからとりあえず頷いといた




