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五
「おう、そうしろ」
「はい。ありがとうございました。行ってきます。」
「気をつけて行ってこいよ!
……まぁ、お前に敵うやつなんていねぇだろうから襲われるなんてこたぁないと思うし大丈夫だとは思うが。」
それはどういう意味でしょうね?土方さん。
……人をまるでゴリラみたいに……
「はい。気をつけます。……土方さんも夜道には気をつけて下さいね。」
ニコッと笑ったが……目が笑ってなかった
「……お、おぅ……俺、マジで気をつけとくわ……」
(時雨……こえぇぇ)
『土方さんより怖そうだよね、時雨って』
と顔を青ざめながらこそっと左之さんに言う平助さんと
『だよな』
と同意している左之さんがいた。
「そこっ!聞こえてますからねっ!」
私、狼なんですから!!
耳は良いんですよ!!
「「げっ!」」
げっ!ってなんですか!げっ!って!
ひどいなぁ、人を化け物みたいに扱っちゃってさ?
「むーっ!もういいですっ!
行きましょ、烝さん!総司さん!」
「う、うん……」
「あ、あぁ、そろそろ行こか」
「じゃあ行ってきますんで!」
スッタァンッ
と勢いよく襖を閉めた
「ちょぉっ!時雨ぇ!襖壊す気かぁっ!!」
と叫んだ(心からの叫び)土方の声だけが廊下に虚しく響いたとか響かなかったとか……




