三
「うるさいわっっっ!!!!!」
「なんか……犬みたいな耳が生えてる……?」
新見が時雨の耳を触ろうとした――――
――――が、触れなかった。
「「「「「……っし、時雨?」」」」」
時雨が、新見の首に素早く抜いた刀を突き付けていたからだ。
そして今までに感じたことがないほどの殺気を放っていた。
……ただ、その瞳には何も写っていない。
(なんだ……?今のあいつの早業は……?)
(速い……!?)
(微かにしか目で追えなかった……!速い!僕と戦ってくれた時よりもずっと……!!)
「……っはっはっ…………は……ぁ……あ、ごめ、ごめんなさいっ!!!!」
正気に戻ったらしい。
皆side (終)
「い、いや……だい、じょうぶだ……」
「ほ、本当ですか!?け、怪我とかは……!?」
いつもと違う人の匂いがして咄嗟に刀を抜いてしまった……
「大丈夫。」
「よ、よかった……
また……傷つけてしまうところだった…………
ごめんなさい、最近はこんなことなかったんですけど、ここに来たばっかだから体が慣れてなかったのかも。……でも小さい頃は……あそこに慣れてなかった頃は……ちょっとやばかったので……怪我、してなくて、よかった、です……」
小さい頃、侍女に間違えて軽いとはいえ怪我を負わせてしまったから……
あの時は、初めて人を殺した時で……
悪夢を見て苦しんでいたときに侍女が近づいてきて怪我を負わせてしまったのだ。
その時からだった。
刀を抱えて寝始めたのは……
そしたら悪夢を見ない、から……
少しくらっとして倒れそうになったので烝さんがとっさに私を支えてくれた。
「時雨っ!」
「ぁ……す、すむ……さん……あり、がとうございます……」
「無茶せんでや、倒れたばっかなんやから。」
「は、はい……ごめん、なさい……」
「謝らんといてや。」
「あ、ごめ…………ぁ……あ、りがと?」
「うん」
「時雨、大丈夫か?」
「……!……あ、え、はい。」
って、え、近ッ!?!?
……あ、そうか、色々とありすぎて忘れてたけど私こっちに来る前めっちゃ怪我しててめっちゃ血流れてたわ……
なぜかけがは治ってるし、服もきれいだったから忘れてた。
怪我は治っても血は戻らなかった……のかな?
「え、ええ、なんとか。多分貧血気味なんだと思います……」
「?なんでだ?」




