九
「……!ちょい待ち土方さん!!」
咄嗟に土方さんの襟元を掴んで止める。
「ぐえっ!?し、時雨なにすっ……!!」
ごめんね、でも仕方なかったんだよ。
文句なら目の前にいるお人に言ってください。
あなた目の前のお人にぶつかってその高くシュッとした鼻梁がぺちゃんこにつぶれてしまうところだったんですよ?
土方さんがカエルのつぶれたような声を出して文句を言おうとしてきたが前にいる人物を見て状況を把握したらしい。
「ほう……おぬし中々やるではないか」
という声が入口付近から聞こえてきた。
ん、知らない声だ。酒を飲んで少ししわがれたような…………
……ん?酒を飲んで?……ってことはこの人、もしや……
『芹沢鴨、ですか……?』
とこそっと土方さんに問う
『!?あ、ああ、そうだが……よくわかったな、』
鉄扇を持っているし、お酒の匂いが強いから……ってこの人こんな真昼間から飲んでんの!?やばいな!!?
ま、まあ、そうゆうこともあるよね……?うん……
そこらへん、ちゃんと史実通りなんだ……?
「芹沢さん、あんたがこんなとこに来るなんて珍しいな、……ですね。
どういった風の吹き回しだ、……です?」
土方さん、敬語っ!敬語っっ!なんか混ぜちゃいけないもの混ざってるよ!!!
「なんだ土方、俺が来たらなんかまずいのか?」
ああああ、二人の間に火花がああぁああぁぁぁ
仕方ない……これ以上放っておくと暴れだしそうだからね(主に芹沢が)
……挨拶だけでもしておこう。うん。
「初めまして。今日から入ることになりました、雪ノ宮時雨と申します。よろしくお願い致します。
……芹沢局長。」
「ほう、時雨と申すのか。……して、なぜわしのことを知っている?」
「え……?さっき土方さんが芹沢さん、と呼んだでしょう?此処の局長さんは近藤さんと芹沢局長、貴方だと記憶していたのですがまさか間違っておりましたかね?それに土方さんが“仮にも”敬語を話す人ですからね、まあそうなんでしょう」
「はははははっ!!おぬし、賢いな。其れに土方にも物怖じしないときた。
面白いやつだ、なぁ、新見」
新見!?ってあの新見錦!?
いたの!?(←失礼)
「はははっ、そうですね」
まるで噴き出すように笑い出した彼。
多分今まで芹沢さんにこんな風に物申すものがいなかったからおかしかったんだろうと推測する……が。
ごめんなさい、今物凄く吃驚していてそれどころじゃないんです。
――――この人が、笑って……いるううぅぅううぅぅぅぅぅうぅぅ!?!?!?(←失礼※本日二回目)




