六
「……あ、そうだ。お前、これ」
ほいっと土方さんに渡されたのは例の弓だ。
「あぁ、忘れてました!
えーと、これが弓です」
「これが?」
「はい」
「どうやって射るの?弦もないよ?」
まぁ、ごもっともですね。
「ええと、まずこれは私以外は使えません」
「どういうこと?」
「本人登録がしてある魔道具なので」
ちなみに皇宮の宝物庫からパクっ……たんじゃなくてもらってきた。
ちゃんと許可はもらっている。……一応。
あ、脅して手に入れたわけじゃないからね!?
「「「魔道具??」」」
「あーっと、そっか、そこからだった……ええーと、魔道具というのはいわゆる、魔力を通すことで動いたり、威力をあげたり、強度をあげたりする道具のことを言います」
「めっちゃ便利だねそれ……」
「でしょう?これもその魔道具の一つで、魔道具は本人登録をすることもできます。……その代わりめちゃ高いけど……」
「「「…………」」」
(((一体幾らしたんだよ/でしょう/やろう……)))
気になるが聞いてはいけない金額なような気がしてやめておいた三人だった。
「これは魔力を流すと……」
シュッ
「伸びて弓になります」
「「「……いやなんでそうなる??」」」
(やっぱこう、しゅんって急になんもないところから出てくるのは理解しがたいのかな?)
「あれ、でも弦は?」
「あー。弦は魔力糸と言って……弓に魔力を乗せてこう、ぎゅって集めて……糸のように細くする感覚でしたら……ほら、」
ピィィン
「うん、いい音」
「「んんんんっ???」」
「は?…………は?」
土方さん、「は?」二回目です。
「ま、こういうことです」
「いやどういうこと??」
すみません、これ以上分かりやすく、噛み砕いて説明しようとしたら逆にわからなくなると思いますよ、はい。
「そういや、矢は?」
思考を彼方に飛ばして新たな疑問を口にした土方さん。
「ああ、これも魔力で……」
「分かった分かった、もういいもういい」
そこで諦めたら試合終了だよ??
とは口に出さなかったが、魔力についての説明って持ってない人にするのは難しい……と思う蒼月だった。




