一
暗い……だが時折天体や星が見える綺麗な場所……そう、宇宙。
そこにはひとり漂う男の姿があった。
周りに何もない、空気すらないその空間で、まるで呼吸をしているかのように自然とそこに存在しているその姿は、明らかに人間のそれではない。
いや、宇宙でも平気そうにしているところを見る限り人ではないか……
その男は金色の髪に金色の瞳が輝くひどく容姿の整った男だった。
彼は金色の髪をざっくりとうなじのところらへんを束ねている。
まるで「髪なんかに手間をかけたくないけど邪魔だから結んでおく」と言わんばかりの乱雑さだ。
だが、その中でひときわ目を引くのは、
龍と芽が描いてあり、万華鏡のように見る角度によって色や柄が変わる不思議な簪と、
左の横髪がしっかりと三つ編みになっていることだ。
その三つ編みと簪は、ただの装飾ではない。
これは単なる装飾品ではなく、彼が神界の序列二位を位置する、『創造神』であることを示す証だった。
そう、三つ編みと簪は、神界における序列二位の証。
序列二位は『創造神』と呼ばれる存在に与えられた特別な印だ。
何せ創造神は多すぎる。
これをつけねば逆に誰が創造神なのか分かるものはそう多くはあるまい。
彼はその中でも強力な存在であり、この髪型と髪飾りでようやく他の神々と区別がつくというわけだ。
そういうわけで最高神様から
『分かりにくいって苦情がいっぱい来てるからどこかに三つ編みしといて。
あ、あとこの髪飾り、つけといて。』……と言われ、仕方なく三つ編みをしているのである。
そして……顔周りに無造作に流れる前髪からちらりと見える猫のような金色の瞳には少し残念がっているような……そんな感情を含んでいるようにも見えた。
だが、そんな感情を隠すように口元には笑を浮かべている。
「あーあ、
せっかく頑張って作ったのになぁ……
俺にしては今回結構頑張ったと思ったんだけど……
はぁ、やっぱりどこの世界を覗いて見ても人間というのは愚かだな……」
とため息をつきながらそう言う
「それに……さすが俺の創った人間、想像以上に自由だったな。」
と皮肉混じりの軽口を叩き、口元に鋭い犬歯をちらりと覗かせていた。
「日本がちょっと弱かったか……?
立地条件も結構厳しかったしなぁ……というか人間って思ったより弱いんだな……うーん、よし、じゃあ次は人間じゃなくて獣人にしてみよう!!なんか人間より強いって他の世界の創造神たちが言ってたし!!あ、魔法ってのもいいよな!
前回は特典少なめだったし…今回は多めで様子を見てみよ!!」