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味噌汁飲みてぇと王子様が言ったから!〜料理令嬢になりますわ。オペラルートには進めません〜  作者: 城壁ミラノ


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パクり料理!?

 たくましい体格のオジサマ。

 コックさんとは違うエプロンつけてる。


「おはようございます」


 うやうやしく、お辞儀した。


「おはよう」


 王子様は知ってるみたい。どなたですか?


 私の視線に気づいて、こっち見た。


「仕入れ業者の人だよ」

「業者さんですか。おはようございます」

「おはようございます」


 私にもうやうやしく、お辞儀してくれた。


「今日は、ジパングの調味料も仕入れました。ご覧になりますか?」

「ジパングの調味料か。見てみようか?」

「はい!」

「では、食材庫へどうぞ」


 業者さんの後ろをついて行こう。


 王子様がこっち見た。


「ジパングとは同盟国になったよ」

「そうなんですか」


 なるのも納得。


「同盟国になったら助かりますね。食材で、お世話になってますから」

「うん。隣国との戦いでは後方支援をしてくれたし」

「そういえばどうして、支援してくれたんでしょう?」

「昔から、この国とジパングは異文化交流してる仲だったんだって。主にオペラを通してね」

「そうですか」


 やっぱり、オペラ興行で平和を保ってきたんだ。


「やっぱり、オペラは大切にしないとね」


 王子様も再認識して笑った。


「そうですね!」

「それから、これからは料理文化も加えて交流していこう」


 私たちらしい交流の仕方だ!


「そうしましょう!」


 決まったところで、材料庫に到着。


 入口に箱が沢山積み重なってる。

 業者さんが、一つを私たちの前に出して開けてくれた。


「今回は、まだ城にない商品を仕入れました。何か気に入った物があれば、お教えください。また仕入れます」

「ありがとう。仕事に戻っていいよ」


 業者さんは他の箱を開けて食材庫に入れはじめた。


 私と王子様は箱の中身に注目。


「色々入ってるね。シロショーユ、クロサトウ、アカミソ」


 アカミソ。


 アカ……赤……ハート……そうだ!


「王子様」

「ん?」

「アカミソを、おもてなし料理のサバノミソニに使いませんか?」

「アカミソを?」

「はい。私たちのミソに混ぜてソースを赤くして、レストランで食べた肉料理みたいにソースをハート型にかけてみませんか?」


 思いつきだけど。


 手でハート作ってハートって口に出したら照れて笑えてきた。

 王子様も若干、からかうような笑顔向けてきたっ。


「ハート型のかけ方が気に入ったんだね」

「はい。あと、私たちの料理への情熱も表現したくて」


 後付けな理由だけど。


「そうしよう!」

「はい! あ、でも、レストランのシェフにパクられたと思われませんかね?」

「うーん」


 難しい問題発生!?


「一応、レストランに聞きに行こうか。スタジオに行くときに寄ってもらって」

「はいっ」

「王子がパクるのは許してもらえると思うけどね」


 ニヤッとしてる。


「フフッ、だといいですけど」

「そうだ、おもてなし料理といえば――」


 王子様が食材庫に入っていった。


 ――王子様のパクりは許されるんだろうか。

 さっきは、悪い笑いを交わしてしまったけど。

 王子様の言う通りレストランに聞きに行って。

 安全第一で料理しよう!

 何が、ざまぁの引き金になるかわからないもんね。

 シェフは許可をくれるかしら?

 くれなかったら、潔く諦めよう――


 王子様が手に何か持って出てきた。

 小さいビンの中にキラキラしたものが入ってる。

 これは――


「キンプンだよ」

「金粉!」


 思わず、釘づけ!


「これも、かけようか?」

「かけましょう! お城の料理って感じ出ますね」

「出るね! ソースの形と合わせて見栄えが格段に良くなりそうだね」

「うんうん、作るのが楽しみです!」

「ライスの盛り方も形をつけようか? 星型とか」

「いいですねぇ!」

「星といえば黄色、たくわんだね」

「たくわん! 懐かしいですね」

「ライスに添えよう。食材庫にあるはずだよ。アカミソと金粉も念の為もう少し仕入れてもらうよう頼んでこよう」


 業者さんに伝えてと。


 たくわんも冷蔵庫にあった。

 おもてなし料理に追加することをメモに書いてと。

 後は……


「コックには後から話そうか」

「はい」


 ソースかけて形を作ってもらわなきゃだもんね。


 だけど、今はコックさんみんな忙しく働いてる。

 薬膳ミルクスープが鍋のなかで煮えてるし。

 フィナンシェは型に生地が入って、焼く前の段階になってる――

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