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行きたい人と行かせたくない人(番外編)

125話の後に続くエピソードです。

 リエリーはリョマリョマの研究を楽しく続ける毎日にもどった。


 そしてアツリュウに好きなことをして欲しいと言われた通り、「自分のしてみたい事」としてバッシャールの部下に歌をうたってあげたいこと、ヒルディルド語を教えてあげたいことをアツリュウに提案した。


 アツリュウはピプドゥの男たちにリエリーを見せたくないと反対し、歌の慰問には賛成してくれなかった。領主城に滞在しているバッシャールにすらアツリュウは絶対にリエリーを会わせない徹底ぶりだ。「絶対に駄目」と断られてしまった。


 だが、ヒルディルド語を教える件については前向きな返事だった。

「ぜひジャミルに教えてやって欲しい。彼はバッシャールの付き人として領主城に常駐しているから、場所を用意するので彼の先生になって」とむしろアツリュウからお願いされる勢いで頼まれた。


 アツリュウの話ではジャミルは剣の腕は大したことがないが、非常に賢い人で、帝国語とハイシャン語の幾つかを話すことができる。だからヒルディルド語も習得させてバッシャールの通訳にしたいのだそうだ。



 数日後さっそくリエリーのジャミルへの授業が始まった。もちろん一緒のつもりだったシオは何故か同席できなかった。


 用意された教室用の居室で、久しぶりに会ったジャミルは、ヒルディルドの平服を着ていた。そのせいかとても親しみやすく、無邪気な少年の顔なのに、年はアツリュウと同じ19歳だった。若くみえるところも子犬を思わせるところもキボネに似ている。2匹の小型犬を想像してクスリと笑ってしまった。


 ジャミルにヒルディルド語の身近な単語を教えると、あっという間に100語ほどスラスラ言えるようになり、あまりの優秀ぶりにリエリーはびっくりした。


「目、月、可愛い」

 ジャミルが黒い瞳をキラキラさせてヒルディルド語で言う。リエリーが何のことかと首を傾げると、護衛で付いているスオウが「姫君の目が丸くなったから、月みたいに丸いと言っているのだろう」と教えてくれた。


 とにかく覚えがいいジャミルに楽しく教えていると、廊下で騒がしい声がして、扉が開いた。スオウは来訪者を入室させなかった。


「やあリエリー、私もあなたの生徒になりにきたぞ」


 背の高いバッシャールが、スオウの向こうに見えた。

「駄目だバッシャール俺は許可しない」

 帝国語でアツリュウが後ろから怒って彼を引き止めた。


 「いいですよ、喜んで!」と答えると、バッシャールが「リエリーの許可が出た」と得意気な顔になる「リエリーやめてよ」とアツリュウががっくりうなだれた。


 部屋には、ピプドゥの民族衣装のバッシャールと筒着物のアツリュウが並んだ。見目麗しい正装の男性2人を前にすると、それだけでリエリーは圧を感じるのに、バッシャールがぐいぐいリエリーに近づこうとする。しかしながら、それを許さないアツリュウと、ジャミルとスオウがいるので彼は諦めて席に座った。


「ミッタ―ツルギはひどい男だ、同じ城に居ると言うのにリエリーに会わせてくれないのだ。でも私は大人しく良い子にしていた。ところが、ジャミルには毎日会わせるというではないか、そんなことは許せん!」


「おまえのようなやらしい色気だだ洩れの油断ならない男に、愛しい妻を会わせる夫がどこにいるんだ。リエリーを見るな、喋るな、同じ空気を吸うな! でも彼女が許したから今日1度だけ見せてやる、ヒルディルド語の生徒にお前はなれない。なれるのはジャミルだけだ」


 帝国語で噛みつくアツリュウを無視して、バッシャールはにこやかにリエリー話しかけてくる。「久しぶりに会えて嬉しい、ミッタ―ツルギはうるさい」などしばらく陽気に喋った後、山に留まらせている仲間がリエリーの歌を恋しがっている、行ってまた歌って欲しいと真面目に頼んできた。


「アツリュウ、バッシャールからもお願いされましたし、故郷を離れて寂しい皆さんに歌をうたってあげたいです」


「バッシャール、そんな寂しいならピプドゥにとっとと帰れ」

 彼はめんどくさそうに、肩をすくめた。


「俺だって何度もあいつらに帰れと言っているのに聞かない。まったく面倒な奴らだ。でもまあ、寒くなる前にそろそろ本気で帰らせる。それでだミッタ―ツルギ、帰るときにはヒルディルドの調査隊も同行することになっている、おまえその隊長をしたらどうだ。ピプドゥの草原を見たいと言っていただろう?」


 リエリーはドキっと心臓をつかまれた。アツリュウがピプドゥに行く?

 アツリュウは「行かないよ」と興味なさそうに首を振った。


「おまえ、「馬に囲まれたい最高だ」とあんなにピプドゥに行きたがっていたではないか」


 バッシャールにそんなことを言っていたなんて……確かにピプドゥは馬の国だ。

「俺はリエリーから離れるなんてこと絶対にしない。だからピプドゥへの調査隊には入らないよ」


 リエリーの胸にチクリと棘が刺さった。アツリュウがピプドゥへの危険な旅をするなんて絶対に嫌だ、長く離れることも受け入れられない。でもそれが彼のしたいことなのに、自分のために我慢しているとしたらそれも嫌だと思う。


 本当のアツリュウが消えないように見つけると約束した。だから……


「こいつは私の根城に来た時に、俺をピプドゥに連れていけと騒いだぞ」

 不安でいっぱいのリエリーに追い打ちをかけるようにバッシャールが告げてきた。


「ねえアツリュウ、ピプドゥに行ってみたい?」

 もし本当に行きたいと言ったらどうしようと苦しい気持ちで聞いた。


「どうしたリエリーそんな顔して」と向かいに座っていたアツリュウが立ち上がって、リエリーの隣に来ると身をかがめて「俺がピプドゥに行ってしまうか心配なのか? 行くわけないだろうリエリーを置いて」と言いながら、大きな手で頬を撫でてくれた。


「あの時ピプドゥに行くと騒いだのは、リエリーをモーリヒルドに帰すと決めて、愛しい君を失うことがあまりに辛くて自暴自棄になっていたんだ。何もかも嫌になって遠くにいきたかった。だから今はリエリーから離れるなんて考えられない」

 アツリュウは照れながらも、バッシャールにも分かるように帝国語で話した。


「でもアツリュウ馬のことはいいのですか? ピプドゥの馬を見たいのでしょう?」

 リエリーはまだ不安が消えずに問うと、アツリュウは笑顔で「それはジャミルがいるから!」と意外な返事をしてきた。


「馬に詳しいピプドゥ人から直々に教えてもらえる。ジャミルと俺は友達になったからな、彼は俺の馬の師匠になってくれる約束だ」


 アツリュウはリエリーに立てと促すので、なんだろう? と不思議に思いながら椅子から立つと同時に強く抱きしめられた。


「バッシャールもういいだろう出てくれ。今の話でリエリーが不安になった。お前にはもうリエリーを会わせたくない、分かったか」


「ミッタ―ツルギ良くないな。お前はまだ子供で女というものを分かっていない。そうやって囲って、面倒事は全部隠してリエリーを守っている気になっているのだろう? これはすぐ痛い目をみるな」


 なんだよと不機嫌そうにアツリュウがバッシャールに返す。アツリュウに抱きしめられながらリエリーはバッシャールの言葉に引っかかりを覚えた。


 アツリュウは何か隠しているのかしら。

 本当はピプドゥに行きたい気持ちを隠していると言うこと? それは違う気がした。


 アツリュウとバッシャールが喧嘩なのかふざけ合っているのか分からない言い合いをしている中、リエリーは彼の腕の中で眉根を寄せて考え続けた。


「……アツリュウ」

 自分でも驚くほどの低い怖い声が出た。かなり怒っていた。


 抱きしめるアツリュウの腕がびくッとした。「え? 何リエリーどうした」と覗き込んでくる彼を睨みつけた。


「アツリュウ、私に黙って決闘しましたね」


 アツリュウの視線がパッとジャミルに行ったが、すぐにはっとしてリエリーを見た。その仕草で、疑念は確信に変わった。ばっと勢いよくアツリュウから離れるとジャミルのこともギリっと睨んだ。


「決闘は女の許しが無いとできないはずです。ジャミルどうして許し無く私の男に剣を向けましたか」

 ジャミルがきゅーっと叱られた子犬のような顔をした。ちょっと可愛かったがそんなことで怯むものか「私は怒っています」と分かるように全力で怖い顔を彼に向けた。


 アツリュウの態度はおかしい。結婚する気はないとはっきり宣言したバッシャールには会わせないのに、自分に求婚してくるジャミルには先生になって毎日会ってもいいという。そしてジャミルと友達になったと嬉しそうに言った。アツリュウはジャミルを信頼しているのだ、それは何故か…… ピプドゥでは決闘で負ければもう求婚できない。彼はジャミルを剣で打ち負かしたのだ。


「アツリュウが私に隠れて危険なことをした」

 彼の体がびしっと真っすぐになった。


「ジャミルはピプドゥの男の誇りも無い」

 ジャミルの瞳が大きく見開かれ、口を結ぶと泣きそうになる。


「私二人のこと怒っていますから」


「……ごめ、ごめ……なさい」「リエリーごめん」


 たどたどしいヒルディルド語でジャミルが謝り、アツリュウもそれに続いた。


「何も言わないで。二人とは話したくないです。せっかく来てくれたのでバッシャールにヒルディルド語を教えます」


 優雅な帝国式でバッシャールがお辞儀をすると、とても行儀の良い生徒になってリエリーの授業を受けた。その間、沈痛な顔でアツリュウとジャミルは固まっている。


 にやにやとした顔でバッシャールがアツリュウに話しかけた。


「だから言っただろう痛い目にあうと。一つ教えてやる、男と女は馬と人間のようなものだ、馬が男で、乗りこなす人間の方が女だぞ。おまえ女を乗りこなせると思った時点で間違っている。おまえは馬だ、女を乗せて上手に走ってやることはできるが手綱を握っているのは女だぞ」


 アツリュは何も答えず、叱られた子供の様にうなだれている。

 

 半刻ほどの授業を終えるまで、ジャミルとアツリュウは黙ってしょんぼりとしていた。


「私決めました。これからはもっと自分の気持ちを言います!」

 リエリーはアツリュウを見つめると大きな声で告げた。


「アツリュウ、絶対にピプドゥ行きの調査隊には入らないで!私の側にいてください」

「約束する、絶対にリエリーの側にいる!」


「それから、ピプドゥの人たちに歌をうたいに行きます」

「それは駄目だ」


「どうして駄目なんです」

「それは……危険……だから」

(おさ)であるバッシャールが目を光らせていて、スオウとマルワーンも付いて護衛してくれる。そんな中でいったい何が起こるのですか?」


 リエリーの怒りは収まっていない、意地悪な言い方だと分かっていたがアツリュウを追いつめるように聞いた。

「自分は隠れて命を懸けた決闘をしておきながら、私に危険だからやめろという資格があるんですか?」


 アツリュウは長い事、痛みがあるような顔で目を閉じていた。そして渋々ながら、リエリーが山小屋近くにできたピプドゥ人の宿舎で歌うことを了承した。それを聞いてジャミルが喜んだので、リエリーは冷たい視線を彼に送った。


「私まだジャミルを許せません。ピプドゥ語の先生にもこんな気持ちのままではなれません」


 ジャミルはずっと泣きそうだったが、リエリーの言葉についに子供のように泣き出した。どう見ても19歳には見えないきゅんきゅん泣く子犬を許しそうになった。しかし隠れて真剣で切り合う子犬などいない、この人たちは狼なのだ。


                  ◇◇◇   ◇◇◇


 ピプドゥ兵士達の山の宿舎に行く日になった。スオウ他数名が護衛に付き、アツリュウももちろん一緒に行くことになっている。あれから数日経ったが、まだリエリーはアツリュウを怒っていて挨拶以外はほとんど話していない。


 当然リエリーと一緒に行くつもりで準備をしていたシオに、「あなたは行かない」とスオウが繰り返し告げた。

「スオウ、あなたに指図される覚えはありません」

 このやり取りは、リエリーが歌の慰問に行くと決まった時から始まった。スオウはシオに同行するなと厳しく言い続けている。 


「スオウ、私はシオに一緒に行って欲しいのです。シオの方がたくさんのピプドゥの歌を知っていますし、歌声も素晴らしいのです」

 リエリーが説得しようとしたが「シオは行くべきではない」と譲る気配が無い。


「私は姫様を一人でピプドゥの男たちの所へいかせるつもりはありません。絶対に同行します」

 シオがきっぱりスオウに言う、しかし彼は表情を変えず低い声で「行かせない」とくり返した。


「スオウ、どうしてそんなにシオを行かせたくないのです」

「言いたくありません」


 黙って聞いていたアツリュウがため息とともに告げた。

「スオウ、言いたくないのは分かるが理由を話した方がいい」


 スオウはじっと見つめていたシオから視線をはずし、少し下を向いた。


「シオの身に危険がおよぶかもしれないだから心配だ。ピプドゥの男たちはもう1年近く山の中にいて女に飢えている。そんな男たちの前にピプドゥ人の特徴を持った女性が現れたら、相手になってほしいと望む男がどれほどいるか」


 シオはすこし驚いた顔をして「そんなことを心配していたのですか? 大丈夫ですよバッシャールという族長の前で不貞をはたらくなどピプドゥの誇りある戦士なら絶対にしません。整然と並ぶ兵士の前で歌うだけです。それにあなたが万全に護衛なさるのでしょう? 何が起きるというのです」


 眉根を寄せて、彼には珍しく不快をあらわにした。


「リエリー姫君はけして手が届かない存在だと彼らは分かっている。だがシオに対しては違う。あなたが了承すれば親密になれると思うに違いない。ピプドゥの男は自由に求婚していいのだろう? 求婚ならまだいい、一夜の相手に望んでくる奴らがどれだけいるか……」


 シオがふふっと困った顔で笑った。

「あらあら、そんな子供みたいな心配をしていたの。そうね、きっと私は大勢から口説かれるでしょうね。だからと言ってあなたに行くのを禁止する資格は無い、だってあなたは私の何でもないのだから」


 スオウが顔を上げると彼女を睨みつけたが何も返さない、拳を強く握りしめている。


「心配いただかなくても結構よスオウ。そのくらいのことは自分で(ぎょ)せます。さあ参りましょう姫様」

 

 横を通り過ぎようとするシオの腕をスオウはつかんだ。彼女が「やめて」と答える声に、彼の苦し気な声がかぶせられた。


「嫌なんだ!」


 スオウは膝をつくと、シオの両手を握り絶対に行かせないと態度で示す。まるで許しを乞うように「嫌だ行かないでくれ」と下から彼女を見上げ心細げにお願いした。


 普段感情を表わさない彼が、我儘な子供みたいになっている様にリエリーは驚いた。今日同行することになっている他の護衛官やアツリュウも言葉を飲んで成り行きを凝視している。


 シオだけが冷静に「放してください」と手を引いたが、スオウはむしろ引き寄せた。


「バッシャールが目を光らせていれば何も起きないことなど分かっている。それにあなたが男たちにどう口説かれようと、そつなくあしらうことも知っている。それでも嫌なんだ。あなたがそういう目で見られることが我慢できない。あの男たちに一目もシオを見せたくない!」


 感情をあらわにしたスオウの声が部屋に大きく響いた。

 しばらく誰も口をきかなかったが、耐えていたものがどうしても出てしまったように「ふっ」と笑う声がした。瞬間その笑いの主に、スオウが殺気だった視線を放った。


「ふっふふ、ははっ、ごめん笑って。分かるよ、うん。俺はすごくおまえの気持ち分かる。いやこれはスオウを笑ってるんじゃなくて、情けない自分そのものを見てる感じで気恥ずかしいっていうかさ……俺も全く同じ気持ちな訳で……」

 アツリュウが、ごめんと言いながらくくっとまた笑った。


「放してくださる?」と冷たく言われ、スオウは手を放し無言で立ち上がった。それでも最後の望みをかけるようにシオに苦し気な視線を送っているが無視された。


 あれだけの想いをぶつけられながら、よくそんな冷たくできるものだと感心する。アツリュウにそんな泣きそうにお願いされたら絶対断れないとリエリーは思う。シオってどうしてそんなに強いんだろう。

 スオウがとても気の毒になった。けれどシオは「行きましょう姫様」と何事も無かったのかのように隣に来た。


 スオウはいつもの無表情にもどって後ろから付いてくる。部屋を出てしばらく歩くとシオが「姫様お願いがございます」と珍しいことを言った。


「なあに、シオ」

「本日のピプドゥ兵舎の慰問が終わりましたら、わたくしその後はお休みを頂きたいのです。そうね……明日は昼から参ります」

「もちろんいいわ、気兼ねなく休んで。昼からと言わず明日は一日お休みしてちょうだい」

「ありがとうございます。ではお言葉に甘えてその通りに」


 休みたいなんてどうしたのかしらと見上げるとシオはいたずらっぽく微笑み、何とも嬉しそうに見えた。

「なにか楽しみがあるのシオ?」


「ええ、楽しみですよ。拗ねてメソメソ泣いてる子犬を好きなだけ可愛がってあげるんです。今夜はそれで忙しいから明日お休みで嬉しいです」


 子犬なんていたかしら? と真面目に考えて、すぐに子犬が誰なのかを理解して「きゃあ」と声を出しそうになり慌てて口を覆って立ち止まった。


 前を歩いていたアツリュウがピタッと止まったので、護衛官達もそれに倣う。振り返ったアツリュウが、「あー」と変な声を出した後、はははと大きく笑った。


「スオウ、今日の慰問が終わったら、おまえはその後上がっていい。それから明日は休暇だ。仕事に来るな、代行命令だ」


 リエリーの前に立つ男たちは、後ろの子犬に視線を集中させている。しかし彼から何の返事も無い。どうしても気になって、振り返りスオウを見た。彼は思い切り視線をそらしたのでブルーグレーの瞳は覗き込めなかった。それでも彼の気持ちが手に取るように分かった。


 この子犬ちゃんは可愛がられちゃうんだ……


 頭に浮かびそうになる想像を必死で消して、冷静をよそおって前を向くと、アツリュウと目が合った。にやけただらしない顔をしているので、たまらず吹きだして笑ってしまった。


 アツリュウが嬉しそうに笑って「リエリー」と優しく呼んだ。こんなに笑ってはもう怒り顔も作れない。小さく頷いて返事を返した。


 まだ彼を許したく無かったのに、シオとスオウのせいで喧嘩が終わってしまった。

「俺も明日休もうかな」とアツリュウが言ったので、顔が一気に熱くなった。


「皆さん行きますよ。これからお仕事です!」大きな声で言ってリエリーは歩き出した。


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