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113.アツリュウが……

 アツリュウは鉄の格子がはまった窓から、外を眺めた。殺風景な景色だったが、離宮のどのあたりにいるかは分かる。


 離宮には、閉じ込めておくのに便利な部屋がいくつか用意されているのだろう、窓からも衛兵が守る扉からも逃げることは難しそうだった。ただアツリュウには逃げる意思は始めから無かった。


 姫を抱けばセウヤの怒りをかうことは分かっていた。アツリュウはきっと彼女から引き離されるだろうことも承知していた、しかし本当に命を取られるかどうかは分からずにいた。てっきり牢獄にいれられると思っていたのに、手足を拘束されることもなく鍵の掛かった部屋に入れられている。食事はきっちり与えられただ自由に外に出れないだけの客人みたいな扱いだ。


 部屋がいきなり開いて、アツリュウは驚いた。いつもは何人もの衛兵が出入り口を固めているのに、目に入ったのは車椅子のセウヤとそれを押すシンライガだけだった。


 セウヤはひどく感情を乱した顔をして苛々と唇を噛んでいる。


「シンライガ、俺を置いて出ていけ」

「そんなことはできません。アツリュウが殿下に何をするかわからない」


「大丈夫だアツリュウは私に何もしない」

 セウヤが叫ぶように言ったが、アツリュウが静かに答えた。

「いえ、部屋に二人きりになれば私は殺すこともできますよ殿下。いったいどうしたんです、シンライガ殿が出ていけないのはもっともだ」


「私はアツリュウと二人きりになりたいのだ。出ていけシンライガ」

 まるで子供が駄々をこねるようにセウヤは叫ぶ。しかしこの状況でセウヤ殿下を自分と二人にできないのは明白だ、シンライガは無表情なまま車椅子の後ろから離れない。


「シンライガ、おまえの顔を見たくない出ていけ! もし私がアツリュウに殺されたらお前も死ね」

 セウヤが怒鳴りつけると、シンライガは何も返事をせずに部屋を出ていく、まさか殿下を一人にするなど信じられず、アツリュウは驚きにシンライガの背を見送った。彼が外から扉を閉めた後、鍵をかける音がした。


 叫んだせいで肩で息をする興奮した顔のセウヤを見ていた。彼はアツリュウを見ようとしない。アツリュウは少し迷ったが、セウヤの寝室でよく話をした頃と同じように、車椅子の斜め前に片膝をついて彼と目線を同じにした。


 長い事、セウヤは何も言わなかった。彼の息が落ち着てくるとアツリュウに顔を見せないまま呟いた。

「……て…くれ」


「殿下よく聞こえませんでした、もう一度仰ってください」


「殺してくれ……アツリュウ、私を殺せ」


 アツリュウが何も答えずに黙っていると、しびれをきらしたようにセウヤがやっと目を合わせた、悔しそうに奥歯をギリギリ噛んでいる。泣き出すのを耐えているようにも見えた。

「なんで黙っている。私は殺せといっているのだぞ」


「嫌です。どうしてそんなことを仰るのです殿下」


「リエリーが私は父と同じだと言った」

 アツリュウは鼓動が跳ねた。思わずセウヤに迫って車椅子の肱賭けに手をかけた。

「彼女が来たのですか、今どこにいるのです」

 リエリーが自分を救うためにモーリヒルドに来ているのだろうか、アツリュウはリエリーが無事であるのか不安に飲まれそうになる。


「出て行った」

「セウヤ殿下ともあろう方が姫様を止めなかったのですか?」


 セウヤは必死に耐える顔をする。口を開こうとして何度も頭を振った。

「スオウもシンライガも私を裏切った。リエリーも私を許さないと怒鳴った」


 セウヤは泣いているような声で叫んだ。

「リュウヤ兄上が許さないと、兄上を殺した父と同じになった私を兄上は許さないとリエリーが」


 セウヤは言葉を詰まらせる、苦し気に何度も頭を振った。

「その通りだ……私がリエリーにしていることは父と同じだ……何も言い返せなかった。リエリーは私を許さない。私はリエリーを失ってしまった」


 失うという言葉にアツリュウはぞっとした。

「リエリーに何かしたのですか? 失うとはどういう意味です」


 セウヤはうなだれたまま力なく答えた。

「グイドの所にいってしまった」


「グイド陛下の所へどうして? 陛下はリエリーを正妃にお望みなのでしょう? そんなところへ行ったら囲われてしまう」

 口にしたとたんにアツリュウはぞわぞわとリエリーを失う恐怖に支配されていく。


「リエリーは自分を人質にしてお前を助けようとしている。私にアツリュウを連れて王宮に迎えにきてくれと言った」

「そんな無茶なことを、私達が迎えにいったところでグイド陛下はリエリーを解放してくれる保障なんて無い。ああ、それでもセウヤ殿下今すぐ王宮に行きましょう、リエリーを迎えに行く」


「行ったところでどうにもならない」

 アツリュウは苛々とセウヤの肩に手をかけて揺すった。


「行ってみなければ分からないだろう? 今にもリエリーがどんな目にあわされているか。連れて行け、セウヤ俺を宮殿に連れて行け!」

 アツリュウは必死に言い募ったが、動こうとはしなかった。


「おまえにとってはリエリーがグイドのものになるのは耐えられないことかもしれないが、私にとってはもはや同じことだ。お前かグイドかの違いで、リエリーが他の男のものになるだけだ、もう遅いのだ」


「同じじゃない全然違う。リエリーと俺は愛し合ってる。グイドとは違う。事実から目を逸らさずに見てください、あなたは兄としてリエリーの幸せをどう考えているんだ。答えてくれ、リエリーの幸せとはなんだ!」


「リエリーの幸せなんて、初めから分かっている。あいつがお前をどんな眼差しで見つめているか、一目見たらそんなことは簡単に理解できる。お前達が愛し合ってることなんてとっくに知っている。でも無理なんだ、私はリエリーが側にいないと生きていけない。リュウヤ兄上がいない世界でもうどうしていいか分からないんだ、だからリエリーが、リエリーが」


「だからって閉じ込めることは無いだろう? 私と姫様を夫婦にしてください。幸せにすると約束する、そうして近くに置いて時々会えばいいではないですか? どうしてそんなに束縛するんです」


 セウヤは肩に置いたままのアツリュウの手に彼の手を重ねた。

「リエリーがおまえのことで一杯になるのが許せないのだ。お前が近くにいるとリエリーは私を見ない。それに……おまえだってそうだ。リエリーのことばかりだ、アツリュウの中にはリエリーのことしか入っていない、私のことなどどうでもいいのだろう?」


 アツリュウは頭の中が一瞬真っ白になった。セウヤが何かとても不可解なことを言ったことは理解できたが、それを言葉通りに飲み込むことができなかった。眉根をよせて固まった。

 はっと気づいてアツリュウはセウヤに触れられている肩に置いた手を引っ込めた。


「セウヤ殿下? 今おっしゃったことの意味が理解できませんでした」

 

 セウヤは悔しそうにアツリュウを睨んでくる、彼の息が荒くなっていき、泣くのを必死に耐えようとしてできずとうとうセウヤの目に涙が溢れてきた。


「さっきセウヤと呼んだだろう。どうしてもどすのだ……」

 

 セウヤの涙を見てアツリュウは動揺した。なんで泣くのか分からない。さっきから言ってくることも分からない、なんで喧嘩した友達みたいに絡んでくるのか、目の前にいる人は誰なのか混乱してくる。


「それはどういう……セウヤ殿下はセウヤと私に呼ばれたいのですか?」

 もう半場やけくそで聞くと、セウヤは素直に頷いた。

 心のなかでじたばたと逃げ回っていたが、アツリュウは覚悟を決めた。


「セウヤはっきり言ってくれないと分からない。俺にどうしてほしいいんだ」


 目じりから涙をこぼしながらセウヤが睨んで大声で返した。


「分からない!」


「分からないってなんだよ!」


「分からないが腹が立つのだ。アツリュウがリエリーのことばかりになるのが嫌なのだ」


 アツリュウはセウヤの言いようにムカッときた。

「なんだそれは、俺を恩赦の戦で殺しかけただろうが、俺が目障りだったんだろう? 死んでほしいんだろう?」


 セウヤは泣いた。それは王子ではなくただの少年だった。しゃくりあげて無様に泣き続け彼はしばらく話せなかった。

「あの時は……初めは平気たっだのだ。でも当日になって、怖くてどうしようもなくなった。お前が死ぬかと思うと、怖くて闘技場に行けなかった。リエリーは行った。でも私には無理だった。お前の死ぬところを見るのが怖かった。止めたかったがもう無理だった、今更こんなことを言っても意味はないと知っている。でもお前が生きて帰ってきて私は嬉しかった」


 アツリュウは混乱している気持ちをどう抑えていいか分からなかった。今更こんな言い方をされても、受け入れることは無理だった。だが、恩赦の戦から戻ってから王家お抱え医師団の最高の治療を受けさせてもらったことは知っていた。


「私は……初めてだったのだ。誰かと会話するのが。母とリュウヤ兄上以外にまともに会話が続いたことなどないのだ。だから……毎晩お前と話すのが……私は生まれて初めてで……楽しいと……アツリュウといる時だけが……」


 セウヤの専属護衛官になって、毎日朝からセウヤが寝るまで一緒だった時期があった。毎日アツリュウとセウヤは良く喋って、一緒に体を鍛えたり、体の動きを研究したり、共に過ごした時間があった。自分にとっては働いているつもりだった……でも、アツリュウは知っていたはずだった、セウヤには会話らしい会話をする人間がアツリュウ以外には誰一人いなかった。


 ようやくアツリュウは気が付いた。

 閉じ込められたのは姫様だけではなかったのだ。セウヤは十代の初めからずっと学院に籠って数学の研究をしていた。彼が望んでしたことだと周りの人間は考えただろう、でもたぶん違うのだ。セウヤはその選択しかできなかったのだ。


 ずっと閉じこもって、人と関わることができずにいたのはセウヤも同じ。

 やっと外にでてきたのに……

 歩けなくなっても、シュロムのために尽くそうと頑張ろうとしていたのに……

 父親が兄と自分を殺そうとしたことを知ってしまったのだ。


 セウヤは誰にも支えてもらえずに正気を失って、ただ妹だけを求めた。


 どこかでアツリュウは感じていた。時々セウヤがすがるように自分に近づいてくることがあった。まるで友達みたいに「どうしたらいい?」と頼るように聞いてきた。父王の事実を知った時もアツリュに抱きついて「助けてくれ」と、でも逃げたのはアツリュウの方だ。

 だって王子だ、そんな友達みたいにできるはずもない……

 でも、目の前でアツリュウはリエリーを愛した。王女である彼女をセウヤの目の前で愛した。


「悪かった」

 アツリュウはぶっきらぼうに言った。セウヤの目から流れる涙がとまらない。それを彼はぬぐおうともしないでアツリュウを悔しそうに見てくる。


「おまえを一人にして悪かった。確かに俺はリエリーのことばかりだった。でも俺はセウヤをないがしろにしたわけじゃない。セウヤがどうしてほしいか分からなかっただけだ。それに俺をエイヘッドに飛ばしたのはお前だからな!」

 

 セウヤが苛々と泣きながら返した。

「おまえが近くにいると気持ちが揺れる、それが嫌なのだ。リエリーと一緒にさせようか、引き離そうか揺れて迷う。だから遠くへやって目に入らないようにした。それなのに、おまえとリエリーは私を置き去りにした。私を一人にした。そんなことは耐えられない」


「めんどくせえな。だからお前がおれをエイヘッドに飛ばしたからだろうが。お前が自分で自分を一人にしたんだ!」


「違う! リエリーが行ってしまうなどと思わなかった」


「それは俺も同じだリエリーが一人で来るなど思いもしなかった。本当に驚いた。それからセウヤ知っているかリエリーは怒るようになった。彼女は怒るとめちゃくちゃ怖いぞ。スオウのことだってあっという間に彼女の剣士にしてしまったんだ」


 セウヤはだんだん涙もおさまってきて、ひどい顔でしょぼくれた犬のようになった。

「そうだ、私はリエリーに怒られた。もう許してもらえない。スオウもシンライガもリエリーの言うことをきくのだ……本当の一人になってしまった。もう生きていたくない」


 アツリュウは大きくため息をついた。

「悪魔みたいにしてるのを選んだのは自分だろ。お前が毒を撒き散らかして勝手に一人になってるだけだ。一人になるのが嫌なら毒なんか吐かずにもっと素直になれよ。でも一人じゃないだろ、シンライガ殿はおまえの側にいるじゃないか」


「シンライガはリュウヤ兄上を想っているだけだ。私のことは身代わりに抱いてるだけだ」


 は? いまなんて?

 ちょっと聞くのが怖くてアツリュウは黙っていた。知らない方がいいような気がした。


「アツリュウの代わりに、シンライガを側に置くようになった。寝室にも入れた。そうしたらそういうことになった」


 アツリュウは目を閉じて上を向いた。聞きたくないし知りたくない、でも聞いた。

「それはセウヤが望んだことか?」


 セウヤは感情のこもらない声で即答した。

「もう自分のことなどどうでもよかった。自分のことに興味が無い、なんのために生きているかもわからない。シンライガがそうしたいならすればいい」


 おいセウヤは18歳だぞ。自分を見失って死にたくなってるときに、あの大人は何付け込んでセウヤを傷つけているんだ。許せない! シンライガはなにやらかしてんだ!

 アツリュウが怒りのままに扉に突進すると、扉をガンガン叩いた「シンライガ入ってこい!」



                ◇◇◇   ◇◇◇


「おまえが泣かせたのか」

 シンライガは部屋に入って来ると、低い声でぎろりと睨み、後はアツリュウには取り合わず、セウヤの元に足早に行った。彼は跪くといきなり親指でセウヤの涙をぬぐった。セウヤはふいっと拗ねたように横を向いた。


 アツリュウは怒りで怒鳴りつけたい気持ちが一瞬で凍った。

 セウヤの顔を見て理解した。彼はシンライガが好きなのだ。


「シンライガ殿、セウヤ殿下は「あなたに身代わりにされている」と私に言った。そうなのですか?」


 背筋に悪寒が走るような、殺気じみた睨みだった。シンライガはアツリュウを視線だけで殺しそうだった。

「身代わりなどと思ったことは一度たりともない。何の話だ」


 アツリュウは他人が首を突っ込む話でないことは分かっていた、だがセウヤは自分が身代わりだと思い込んでいる様子だ。このまま彼が自暴自棄な気持ちでいるのはよくないだろう、残酷でもはっきりさせたほうがいいと思った。

「あなたはセウヤ殿下のことをどう思っているのだ」


 アーモンドの黒い瞳が細められる。「おまえに言う必要などない」と軽く返される。


「今はっきり言わないとセウヤ殿下を失うぞ。殿下は私に殺してくれと頼んできた」

 シンライガはハッとしてセウヤの顔を覗き込んだ。


「シンライガはリュウヤ兄上が今でも好きなのだ」

 セウヤが消えそうな声で言う。


 シンライガが言おうとして、口をつぐみ一つ息を吐いた。

「愛していると、言葉でも態度でも体でも伝えている。これで伝わらないなら私はどうすればいいのか」


 アツリュウはがっくりと体の力が抜けた。いったい何に付き合わされているのか……

「セウヤ良かった。お前は一人ではなかったではないか。シンライガ殿はどう見てもセウヤが本気で好きだぞ、だからお前も全力で受け止めろ」


 セウヤが上目にシンライガを見上げた。口を結んで怒った顔をした後「わかった」と返事をして赤くなった。どうみても可愛いかった。だからシンライガがキスしたくなったのは理解できる。だが目の前でされるのはかなり刺激が強かった。アツリュウは勘弁してくれとぼやいた。


 アツリュウが目を閉じて耐えていると、立ち上がったであろうシンライガの恐ろしい声が上から降ってきた。

「どうして殿下にそんな不敬な話し方をしているのだアツリュウ」


 自分がセウヤ殿下との仲を取り持ってやったのに感謝の気持ちは無いのかとアツリュウはシンライガに言いたかった。

「私は殿下の友人なので、二人のときはこうやって話しをすることにしました。いいだろセウヤ」


 アツリュウの声に、セウヤがいつもの調子を取り戻した王子然とした顔で言った。


「よい、私がアツリュウにそうしろと命令した。それから公の場でもアツリュウには私のことをセウヤと呼ばせる。妹の夫になるのだ、特別に許すことにする」


 アツリュウの胸にふわーっと春風のように喜びが吹き抜けて、花畑が広がるようだった。妹の夫になるとセウヤが言った。彼はリエリーと自分をついに認めてくれたのだ。


「アツリュウ今までのことを詫びる。お前とリエリーを結婚させる」

「セウヤありがとう」


 アツリュウはモーリヒルドに連行されてから、殺されるなら致し方ないと諦める気持ちもあった。もうセウヤの心は遠くへいってしまい帰ってこないのだと思っていた。でも、リエリーはセウヤを取り戻したのだ、兄を叱り飛ばして正気に戻した。リエリーが「許さない」とセウヤに挑む顔が浮かんだ。怒っている時の彼女は壮絶に美しい。姫様のことを守りたいとアツリュウはいつでも願っていた。か弱く消えてしまいそうな彼女……でも、そうではなかった、燃えたぎる炎を宿した王女様。アツリュウは支配されて燃やされたい。己の全て何もかもを王女様に捧げたい。

 セウヤがリエリーの側にいることを許してくれたのだもうリエリーを離すものか、絶対に取り戻す。


 凍る風がシンライガから吹いてくる、彼はアツリュウを凄みのある目でみすえている。あまりの恐ろしさにアツリュウは彼を見上げちょっと(おのの)いた。どうして彼はこんなにも自分に敵意を向けるのだろうかアツリュウはしばし考えた。


「セウヤ、一つ聞きたい。シンライガ殿には二人きりの時なんて呼ばせているのだ」

「殿下」

 こともなくセウヤは答えた。そこに何の問題があるのかと言う顔だ。


「今すぐセウヤと呼ばせた方がいい。でないと俺はこの人に殺される」

「いや、セウヤと呼ばせるのはアツリュウだけだ。今までの償いとしてアツリュウだけにその特権を与え続ける。他の誰にも呼ばせない」


 あー、シンライガに殺されるのが確定した。

「セウヤ……それ、すごく迷惑……」


 アツリュウはぐっと腹に力を入れた。

「それではセウヤ、宮殿にリエリーを迎えにいこう」


 セウヤは小さくため息をはき、目を伏せた。

「アツリュウ、だが行ったところでどうやってとりもどすのだ」


「俺には何の策もない。でもせめてリエリーに俺が殺されないと知らせたい。でないと自分を犠牲にしてグイド王のものになるとあの人は言いそうだ。そんなこと俺はしてほしくない」


 何の策も見いだせないままに、アツリュウ達は宮殿に向かった。


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