表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

キミという人間 01


私の知っている彼のデータは少ない。

そもそも付き合うまでの速さがすごかったから仕方ないところはある。


名前、栢山晃兵。

年齢、20歳。

家族構成、母、兄、父親は離婚。

元カノさんはよく言えば大変個性的な子だった。

マイペース、気遣いが出来る、連絡はこまめ、童顔。


その程度のことしか私は知らなかった。

別にこれから知っていけばいいし困ることもなかった。




けれど、


「...こんなにも変わるものなのかぁ」


つい言葉がこぼれ落ちた。

別に悪気があるわけでもあえてそうしているわけじゃないこともわかっている。

流石にそうじゃないと私としてはびっくりするところだ。



「付き合う前の方が連絡取り合ってたねこれは」



失笑すら出るレベルの既読のなさ。返事のなさ。

あなたはいったい何をしているんだ?と言いたくなるほど。

これは多分音信不通なんです!と言っても許されそうな気がしてくる。




【もしもし?】


「あー、ごめん。今平気?

ちょっと聞いてほしくてー」


【コウちゃんのこと?】


電話の相手は彼、コウちゃん事カヤくんの友達だ。

彼と仲良くなった頃から一緒にご飯へ行ったり、彼が仕事でいなくても関係なく遊べる程仲良くしてくれている。

見た目に反してちょっとばかりやんちゃで捕まるなよとハラハラすることも多々あるけれど多分、いい人。



「そうそう。あの人生きてる?大丈夫?

びっくりするくらいに返事無いけど。

むしろこれは付き合う前の方が付き合ってたかなって思うくらいに返事来てた」


心配と不安を織り交ぜた会話。

私のことを彼が嫌になってしまったのかなとそんな気持ちに押しつぶされそうになる。



【大丈夫、コウちゃんは音信不通が普通だから】


ん?んんんん??

何て不思議すぎる回答なんだろう。

これにはさすがに疑問符が止まらなかった。

そして言葉も上手く紡げず思ったことかほとんどそのまま口から出ていった。


「えーと、んん?」


【コウちゃん基本的に生きてる?ってくらい返事来ない】


「普段から?え、デフォなの!?

付き合ってても常に音信不通レベルで反応無いの!?」


【うん】


「それはショウとか友達だからではなく?」


【うん】


「友達だろうと彼女だろうと彼氏だろうと関係なく?」


【最後の相手おかしくない?】



大変衝撃的な事実!!

とりあえず電話の相手のショウ事鶴賀祥のツッコミは放置。



【何かあった?】


「付き合う前はあれだけ即レス長電話してたのにさっぱりになった」


【俺からしたら即レス長電話の方がびっくり!!】



お互いがお互いの話に驚いた。

悪友のショウですら即レス長電話の経験はないらしい。

それこそ必要なやり取りの時くらいで、酷い時は遊ぶ日程を決める時すら無反応だとか。


よくそれで友達いなくならないな...とは思ったけど黙っておくことにする。

触れぬ方が幸せなこともあるさだなんて悟りを開いたような事を考えるのは定期的に訪れる私の変なところだと思う。



「とりあえずデフォ...なのね、うん、わかった」


【また何かあったら連絡して。

そのうち呑んだりカラオケでも行こう】


「ぜひぜひお誘い下さい〜。

ありがとうね」



電話を切って天井を見ながら一言。




「.........いや、まじか」



流石にこれこそ零れても許されると思う。




彼の事について新たに知ったこと。

釣った魚(友人や彼女)には音信不通がデフォ。




なんて悲しい追加情報なんだろう。



ついフッと笑ってしまった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ