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キミとのはじまり



「あのさ」


「...」


「今日さ」


「...」


「満がね」




話しかけるけれど、反応はない。

無いと言えば嘘にはなるけれど、動画サイトを見ながらの返事なんて反応がないに等しい。


あなたの子供のことなのに。

どうして何も反応しないんだろうか。

満のことは望んで授かったわけじゃないからなんだろうか。


一緒に食事をしているはずの時間。

子供が寝ていることでゆっくり会話が出来る唯一の時間。

《悲しい》なんて思いを抱いてはいるけれど、この人はいつからかこうだった。





出会いは本当に普通でありきたり。

バイト先に仲のいい友達と遊びに来ていた。

来る時間もだいたい同じでよく来ていれば嫌でも覚える。

当たり前のように遊びに来ていたキミのことを、私はただのお客さんとしてしか見ていなかった。





「いつ来てもいるんですね」

「そっちこそいつも来てるね」


でも少しづつ話すようになって、いつの間にか連絡先を交換していた。

くだらない電話やメッセージの相手をしてくれていた。

プライベートでも会うようになって遊びに行った。

付き合っていないはずなのにネカフェに行って一晩を過ごしていた。

キスはしていないのに、ふざけ合う時間があって。


元カレのことで傷ついていた私は、そんなキミに惹かれていってた。

キミがそうだったのか私は分からないけれど、仲のいい友達は教えてくれた。


「1人で行くやつじゃないから好きだと思う」

「可愛いって言ってた」


嬉しかった。

自分に自信がない私の事を、ただの従業員とお客さんの立場だった時にそんなふうに言ってくれていたことが。


そして友達なのか恋人なのかよく分からない期間を得て、




「付き合いたい?」


なんてふざけてるようにしか聞こえない告白のようなものをされて。

私たちは、付き合い始めた。

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