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WPM:能力探偵七加瀬の事件簿  作者: 空場いるか
花の咲く街
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祭囃子✳︎conviction


「リーダー。脅迫状をしっかりと届けました」


「・・・そうか」


そんな物騒な会話が行われているのは、寂れた大きな空き倉庫だ。


リーダーと呼ばれた男は、大きなコンテナの上に一人座り、コンテナ前に並ぶ数十人を見下ろしている。


その集会は、集まった彼らの物騒な見た目にだけ目を瞑れば、まるで宗教の様であった。



コンテナに座っていた男は、無言でコンテナの上で立ち上がり、辺りを満たしていた静寂を破る。


「今日集まってもらったのは、前々から言っていた事を実行するからだ」


そんなリーダーと呼ばれた男の言葉に、数十人の信者達は歓声を上げる。


「周りから見れば、何故そんな事をするのだと、そんな感想が浮かんでくるだろう。しかし、俺は知っている。薄汚れた繁栄を。そして、身に染みている。この町の花火の穢れを」


再度上がる歓声。


その一体感は、コンテナ上の男のカリスマ性を示していた。


「俺は必ず、今年の花火を破壊する。これは、俺の成し遂げるべき・・・信念(conviction)だ」


辺りを包む歓声に当てられるも、男の表情は憤怒に彩られていた。

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