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断(章)/wårld
こうして切り裂き魔を巡る事件は、最終局面を迎える。
これから起こるのは、七加瀬探偵による物語に対する最終調整のみ。
結果は委ねられた。
登場人物を生かすも殺すも、物語の最後を華々しく彩るか、質素に終わらせてしまうかも、全て七加瀬探偵次第だ。
なに?犯人?
そんなものは重要では無い。
事件の犯人など、結局のところ主観的にではなく、客観的に決定される事項である。
つまりは確定した事実ではなく、変動する未来であるのだ。
確かに犯人は存在する。
しかし、それは人によって捻じ曲げられる事項である。
もう一度言おう。最終調整は七加瀬探偵に委ねられた。
しかし、ただ委ねられた物語を、淡々と観測するのも退屈であろう。
此処で少しヒントならぬ、七加瀬探偵の思考経過を開示しよう。
この事件の容疑者は“四人“だ。
つまり、この物語の結末の大筋は四通りしかない。
後は枝葉だ。気分で変わるストーリーだ。
これから起こる七加瀬探偵の選択が、せめて読者の好みになる事を切に願う。




