365回目のあいさつ
『おはよう』
この言葉ですべてが始まった。
『おはよう♪』
僕が学校へ登校中地域の人が笑顔で言ってきた。
『おっおはようございます…』
僕は少し動揺してしまった。
地域の人があいさつしてくれたのが初めだったからだ。
しかも僕はコミュニケーション能力がない。
ぎこちない顔になっていたであろう。
『おはよう…か。発声練習でもしておこう。ついでにイメトレも』
改めてこんにちはというあいさつは大切だと気づいた。
毎日言うべきだろう。
しかし緊張するなぁ。
『おはよう〜元気かい?』
今度はおばあさんがあいさつをしてくれた。
『おはようございます。元気ですよ。一応』
『一応ってなんだい一応って。俯いて(うつむいて)ないで前を見て生きなさい。君がくらい子供って勘違いしちまうよ』
そうおばあさんは真剣な顔で言った。
でもそうだよな。
俯いてなにもしないでいるのは社会不適合者と同じだ。
そういうことだったんだな。
『おばあさん』
『なんだい?』
『おばあさんのお陰で気づきました。ありがとうございます!』
僕はそう元気よく言った。
『いいんだよ』
おばあさんは優しく言ってくれた。
やはりあいさつは大事なんだな。
コミニケーションにも大切だし、
新しいことに発展するためにも大切だ。
そんなことを思いながら僕は学校に着いた。
いつもは学校にくると憂鬱だったが、今じゃ楽しみだ。
あっ先生だ。
『先生、おはようございます!』
『おう、おはよう』
僕はウキウキにあいさつしてその場を去った。
その姿を見て先生は、
『あいつ、あんなに元気よくあいさつできたんだな。面白いやつだ』
と嬉しそうに言った。
『うぃ〜みんなおはよう! 素晴らしい朝だね』
僕は教室のみんなにあいさつをした。
すると
『おはよう』
『うん、おはよう』
『おっは〜』
いろんなあいさつが飛び交った。
僕はとても嬉しい気分になった。
あいさつは1日を楽しく過ごすためにある言葉だ。
おはよう、こんにちは、こんばんは。
この全ては言われた嬉しい。言うと嬉しい。
これからもずっとあいさつをして楽しく生きたいなぁ。
この小説を読んだ皆さん。
1日を楽しく過ごすため元気なあいさつを毎日しましょう。