うおおおおおおお
行動をしない奴はモテない奴である。
「というわけで!!2月14日!!異性のイチャイチャを妨害する会を立ち上げます!!」
「諦めんなよ!!早すぎるだろうが!!」
そんな日があと2週間とちょっとくらいでやってくる。
高校の運動部達から代表者達を連れて、視聴覚室でなんかの会議をするとか。バスケ部からは舟虎太郎と相場竜彦が出席。部費の相談、あるいは下校時刻やら練習場所の話し合いかと思ったら
「うるさーーーい!俺達は一生懸命、部活動に取り組んでいるのに!!彼女が1人もできなかったんだぞ!」
「女子マネは全男子部員とのお付き合いをお願いします!!」
「野球部、サッカー部!!その代表!お前等は顔がイマイチ、頭も悪いし、性格も悪い。取り得と言ったら、ちょっと運動できるくらいで、彼女なんてできるわけねぇーだろうが!!」
そーいう舟も彼女はいないが……。
どうやら本気で、モテない男子達による2月14日、妨害活動をやるようだ。
「弾劾活動だ!!不正をして、彼女を得るなんてズルイんだ!モテない俺達には正義がある!」
「お前等の行為が犯罪だろ……。人の幸せを邪魔してやんな」
あー、くだらねぇ。
そーいう溜め息が舟から出たのだが、
「そーでもないぞ!バスケ部の舟よ!」
「生活指導!なんでここに……(サッカー部の顧問だったっけ?)」
「若い子が同世代の子とイチャイチャしてると、おっさんはイライラしてくる!ぶっ潰したい!もう少し、教師達に優しくイチャイチャして欲しいものだね!男子生徒ほぼ一同で、この日は抗議をするべきだと、私はみんなを集めた!」
「お前、絶対、性活指導だよね!?この会議を企てのはお前かよ!!」
ここにいるとダメになる。くだらねぇの気持ちで部屋を出ようとしたが、一緒に出席していた相場竜彦は
「俺は参加するぞーーーー!!」
「相場ーーー!?何言ってんだ!」
「うるせーーー!坂倉や四葉が、イチャイチャと女子と戯れていたら!なんか納得いかーーん!から!」
「はぁぁ!?」
こんな考えや話に乗るだけ、自分がモテない事を証明するようなもの。
舟は止めとけと言うが、それでも相場は止まらない。
生活指導及び、モテない代表者達は声を張り上げ
「うおおおおおおおおおお」
雄叫びを上げる。どうやらこの日、運動部+モテない男子一同。学校を揺らすかのような、雄叫びを常に上げ続け、学校内で告白だの、チョコを渡そうだの、異性がいい雰囲気になったらぶち壊してやろうと計画を立てた。
「勝手にやってろ、馬鹿共……」
計画を聞いてから退出した舟は、仕方なく。家庭部という料理中心の活動をしている部の子に、声をかけに行った。
「迎ちゃーん」
「舟くん!どーしたの?」
「あー。……実はよ、2月14日あるじゃん」
「バレンタイン?」
「そうそう。それに向けて、チョコ作りの講義を開くとか……したりする?馬鹿共が騒いでてよ。当日になったら暴れるとか言い始めてよー」
「あー!やっぱり男子も言うんだー!大丈夫大丈夫!来週家庭部で、希望参加のチョコ作りをする予定だから!義理チョコだけど、クラスのみんなに配るよ!」
「おおお!それは楽しみだ。いやー、坂倉はマジで良い彼女をもらったなぁー」
舟のようにちゃんとした行動ができる奴は、モテる側にいるだろうな。
◇ ◇
「うおおおおおおおおお」
「うおおおおおおおおお」
朝から猛り狂う男達の声が校内に響く。
2月14日。イチャイチャしたい日だというのに、こんな奇声が校内のいたるところで起こっていると、良い雰囲気が
「ぶち壊しじゃない……」
「友チョコが良いわよね」
やっぱり義理チョコは、友達に渡すのが良いと思う女子達。モテない男達ってダメだわ。
「うおおおおおおおおお」
「うおおおおおおおおお」
「うおおおおおおおおお」
「うおおおおおおおおお」
一日中、男達は叫び続ける。
そんな中、調理室の準備室にて……
「坂倉くん」
「迎」
「……これ!私のチョコ!」
好きな人に自分の手作りチョコが入った箱をプレゼントする。
「ちょっと、足を降ろして……」
「あ、ああ」
背が高い坂倉と、背の低い迎の凸凹カップル。
坂倉は手作りチョコを大切に握っているから、迎が代わって大きい彼の体をギュッと抱いて、
…………
唇を重ねた。
その熱量で、坂倉もせっかく大事に作ってくれたチョコの入った箱を落としてしまったが、それよりも彼女をもっと求めてしまう。
2回、3回。舌も……。
「わ、悪い……落としちまった」
「えへへへへ。実は、あの箱にチョコは入ってないよ。チョコより私が好きで嬉しい」
迎はスルスルと制服を……
「今日、みんな騒がしいから。ここで……もっと……」
「!!ははっ。時に大胆なところ、好きだぜ」
「私達が、一番……熱くなりたいもん……ホントのチョコは、学校が終わったら……」
2人の身体が肌身で一緒になっている時
「うおおおおおおおおおおおおおおお」
男達の猛り狂う雄叫びが、とてもとても虚しい声であった。
今調べたら、今年は日曜日でしたね。
ステイホームって事で、彼女の御宅に上がらないように……なんてね。
後半は申し訳ないです。
ちょっと描写は抑えないと、引っ掛かるので、なるたけ妄想でお願いします。