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ウィル・フィルと竜  作者: 茶々アルト
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そのさん


し〜ろいおめめ王様は〜、ようやく、さくっと起きました〜♪


内心で歌いながらもボマスは鎮痛な表情をつくる。


「大丈夫でしたか?陛下」


偉そうな謁見の間にある豪奢な作りの王用の椅子にふんぞりかえる国王に聞く。


ちなみに白目をむいた王様の顔に水で濡らした布を置いたのは、ボマスの妻である。


飲んで二日酔いで寝てるときにやられて死ぬ目にあったのは、若気のいたりか。


そういや自分の若毛はなかったなあ。


二十歳の時にはもうこの頭。


顔どころかつるっぱげの頭皮にまで冷たい布が飛んできていた。


ご丁寧に床拭いたやつ。


さすがに王様には清潔な水で洗った布だけど…,


ー清潔な新しい雑巾に見えるのは、うん、気のせいだ。


王様が目を覚ますと同時に妻がバケツにボイッしたのも。


うん、見なかった。


「うーむ、なんか溺れた夢をみたような。息苦しさは夢でも生々しいな」


眉を潜める王様、髪の毛ふさふさ、いい男。


「気のせいです」


つるっぱげの自分の妻もいい女。


キッパリ、はっきり王様に言った。


「そうか?まあ、そなたが言うならそうなんだろう。もっと、悪い現実があるし」


ボマスの背後をみてますますしかめっ面。


「大丈夫ですか?お義父さん」


まんまるくりくりお目目でとう少年。


大国リオンの王様の天敵。


「私はまだ貴様の父ではない!」


まだって認めてるんだ。


いずれ婿になること。


「だって、ティアのお父さんだし?」


「なぜ、そこで疑問形なんだ?ティアは私の可愛い可愛い一人娘だ!」


「…王様、また倒れますよ?」


冷静沈着な女官長(しつこいけど俺の嫁)に注意され、しぶしぶ椅子にふんぞりかえりなおす、大国リオンのエドワード国王。


こんどは何を思ったのか意地の悪い笑みを浮かべた。


端正な顔のやつがやるとムカつくくらい似合うな、くそ。


ボマスがやれば両手にお縄、やってもない幼児誘拐の罪に問われそうだ。


そんなイケメン王、未来の娘婿に言い放つ。


「わしを義父と呼びたいなら飛竜を捕まえてまいれ。きちんと人を乗せる野生の飛竜だぞ?」


ー世界には七つの海と5つの大陸がある。


その中でも1番大きな中央大陸で、1番大きな国リオン。


王都育ちのボマスでさえ、移動動物園かサーカスでしか飛竜をみたことない。


しかも、飛竜は人に懐かない事で有名だし、何よりその存在自体が珍しい。


また、いつもの婿いびりのつもりなのだろうが。


ーあっ、王様、自爆った。


ボマスは遠くにきこえる少女のはしゃぐ声にそう思った。





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