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VRで配信中。  作者: にゃんまる
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ピピピピッ ピピピピッ…

アラームの乾いた音で、俺は目が覚めた。

あくびをすると、小さい部屋に溜まったホコリが喉に入ってきて少し咳き込む。

いつものことだ。そんなことより真っ先に思うのが

「…眠っ。」

いつもより、異様に眠い。

昨日深夜までゲームしてたからやな多分。

まだ寝ていたいけれど、俺にはやることがある。

起きろ俺。

そう自分に言い聞かせながら、重たい体を起こした。

眠気覚ましに水を一杯飲んでから、俺はすぐパソコンを開いた。

「…昨日の続きの実況撮ろうかな」

そう、俺は大手動画投稿サイトである、「Creates」に動画を投稿しているゲーム実況者だ。

名前は「メバル」でやっている。妙にダサい名前だけど、何も言うな。

実況を始めて、もう5年くらい経つ。

だんだん人気も出てきて、今では他の実況者とコラボしたり、

チャンネル登録者数も増えている。

今日は昨日撮っていたRPGの続きを実況する。

ヘッドセットを装着して、キャプチャソフトを起動して、いつものあいさつで始めた。

「どもども、こんにちはメバルです。

 はい今回もやってこう!」

「ちょ、こいつ強すぎやろ…」

「うわ!…っしゃラッキー!!」

「ふん…やったぜ。ゼェゼェ…」

いつものようにゲーム実況を進めていく。

何だか今日は調子が悪い。

そして、

「今日はここまで。ご視聴ありがとうございました!」

この言葉を言い、キャプチャを終了した。

と同時に、ゲーミングチェアの背もたれに勢いよくのしかかり、ため息を一つついた。

「んがああああだりい…ダメだったか…

 疲れたけど、イベントあるしな…」

パソコンのブラウザを閉じ、「VRタウン」と書かれたアイコンをクリックした。

そして、ヘッドセットを外し、VRゴーグルを着けた。

今日はVRタウンでライブイベントがあり、俺はそれに呼ばれたのである。

「VRタウン」とは、自ら3Dキャラとなって、仮想空間に創り出された街などで遊んだり、

他のプレイヤーと交流したりするゲームだ。

今世界中でブームになっており、俺も少し前に流行りに乗ろうと始めてみた。

ゴーグルの電源を入れ、パソコンのエンターを押すと、

視界の中心に、「ようこそ、メバルさん」と表示された。

さらにエンターを押すと、目の前に大きな道と、脇に並んだショップが見えた。

俺はマップを立ち上げ、ライブ会場を探した。

「ライブ会場は…あった、ここや。」

ここからけっこう遠い場所にある。

でもここでは、瞬間移動が使える。だから距離なんて関係ない。

この機能が有能すぎて、現実もこうならねえかな…とまで考えたこともある。

マップ上のライブ会場の位置でクリックした。

一瞬光に包まれたかと思うと、そこはもうライブ会場だった。

やっぱすげえな二次元って。何でもアリかよ。

いつもそう思う。

いや、そう思ってる場合じゃない。

結構時間がおしてるから、早く控室へ行かないと。

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