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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

柑橘系ghost

作者: うづき

音声ラジオアプリ「SPOON」で投稿した物を、電子化するために投稿。

(私本人が、朗読したものがアップロードされています。)


ユーザー名:ウヅキ=ルイ(ID:uzukii)

※ユーザー名は可変する可能性あり、CASTで「うづき」で検索。


※この作品を他で利用し、将来的もしくは現在収益化する場合のあるサイトでの使用は、spoonのマイページの方にご連絡ください。

収益が発生しないサイトについては個人の場合のみ、作品名と作者記載で使用可。


-柑橘系ghost-


私の旦那は出張の多い会社に勤めている。

今日もまさに、その出張の日。

寝室で夢現な旦那を叩き起こし、私は満面の笑みでトーストを焼く。


旦那は私に一途だ。

浮ついた気は一切ない。

俗にいう、「陰キャくそメンヘラ。」である


寝ぼけ顔の彼が寝室から出てきた。

私と目が合うと、まるで子猫のように目を細めて笑った。


トーストを食べ終えた旦那に、スーツを着せる私。

少し情けない彼の姿に、私は心が満たされる。


恥ずかしくなった私は頬に軽くキスをし、

「頑張って。」と送り出した。


旦那が出張に行ってから1週間、明日の夜には彼が帰ってくる。

帰ってきたらきっとお疲れだろうから、

チャイムが鳴ったら速攻ドアを開けてこう言うんだ。


「おかえりなさい、貴方。お風呂にする?ご飯にする?それとも…。」


いやいや、なんてベタな妄想をしているんだ私は...

今日はもう寝て、笑顔でお迎えしなければ。


あれ...ここはどこだろう。

寝ていたはずの私は、広い野原に立っていた。

少し曇り空なのが不気味なのだが...


暫く経つと、空の色が黒くなってきた。

雲行きが怪しい。


嵐だ。


とてつもない雨と雷。

私は急いで、近くの屋根まで走りだした。


ゴロゴロドーン!!!


大きな音。

近くに雷が落ちた音。


それと同時に、私は夢から覚めた。


「嫌な夢...。」

汗で体が濡れている。


微かにだが、人の声がしている。

テレビをつけっぱなしにしていたのだろうか。

辺りはなぜか、暗闇で包まれている。


「そんな...よりによって、俺の自宅に雷が...。」


旦那の声、いつの間にか帰ってきてたんだ。

私...完全に寝坊だ。

でも、なんでそんな悲しそうな声。


パチッと音がした。

いつも聞き慣れている、電気をつける音だ。


「あっ...。」

パッと明かりがついた瞬間に、私はすべてを察した。


旦那の背中と、黒焦げの私の体。


雷が落ちたのは...

夢の中ではなく、私の家だった。


「おかえりなさい、貴方。お風呂にする?ご飯にする?それとも…。」

返事が返ってくることはなかった。


「No.3-絶望-」

旦那の知らせで駆け付けた知り合いの女性

-彼女の変わり果てた姿に失神を起こす-


-続-

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