表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
"Your Own Story"  作者: 音夢
第2章『可愛い子には可愛い服を着せよ』
33/43

Story:9『災厄試練/6.Death And Rebirth』

皆様の意見を見て今後の参考にしたいと思いますので、気になったらぜひ気軽に感想や評価をお願いします!


5周年参加の新米騎空士だからこそ古戦場からは逃げられない...!

ヤイアちゃんすこすこですね( ˇωˇ )

『形ヲ歪メラレタ守護者ヲ屠リ、魂ト臓物ヲアルベキ場所ヘ還セ』

「「「「!?」」」」


突如として聞こえてきたその声に4人は若干飛び跳ねるようにして振り返る。


「キチチチチ」


そこに居たのは4人の中でも1番大きいメルドをさらに何倍にもしたサイズの大蠍だった。その巨躯は両側4本ずつ計8本の関節肢と、2つの凶悪な鋏を絶えず動かしている。狭い通路ギリギリといった大きさだ。


そんな色々な意味で血の気が引く遭遇──外殻はギラギラと黒光りし、頭頂部に2つ、両側頭部に3つずつギョロギョロと動く目。巨大なだけでも恐ろしいというのに、さらにそこに気色の悪さが増すフォルムで卒倒ものの出会い。


だが、一瞬の恐怖とともに喉を駆け上がる悲鳴を何とか押し込んだルナ達は、急いで次の行動に出た。


「みんな、先に走って!」


ルナが口を大きく開けて叫ぶ。すると、それに3人は異を唱えることも無く、疑問を持つことも無く通路の先に向かって駆ける。


厄介事には厄介者を。ルナは決して戦闘能力が高いわけではないが、初見相手なら先手を取りやすくハメ殺しも可能な戦い方を主としているので足止めと情報収集にはうってつけなのだ。


アイテムボックスを素早く操作してピンクと青の色鮮やかな液体が入っている小瓶を握り、勢いよく蠍へ投げつけた。


パリンッと軽い音が鳴って小瓶が割れると、中に入っていた液体が蠍に降りかかる。ピンクは混乱、青は衰弱の弱体効果を与えるアイテムだが蠍はそれを受けても特に変化はない。


変化はないが、それでもヘイトを稼ぐことには成功したらしく、恐ろしい程に鋭い鋏がルナの細い首をを狙う。


「ちっ、隔絶領域結界(私だけの束縛世界)!」


状況に似合わないファンシーな鞭がグングンと伸び鋏や外殻を縛り上げた。なんとか鋏の勢いは止まったが、力負けしているようで少しずつゆっくりとその距離を縮めている。魅了の状態異常も効いてないらしい。


ルナは再びアイテムボックスを操作して別の小瓶を取り出した。今度は黄色と紫色。投げつけた小瓶が割れるとバチバチと光るエフェクトと、ゴポゴポと気泡を生むヘドロのようなエフェクトが蠍を包み込む。


が、やはり動きは止まらない。


「やっぱり麻痺と毒も効かないか...なら、"神剣之鞭(アルテラ)"!」

「キチチ!」

「うっそ...硬すぎ!?」


ルナが使えるスキルの中でも多くない直接攻撃、その1つの〈神剣之鞭〉が滑り込むようにして関節肢の隙間を攻撃する。本来ならバラバラに出来るだけの鋭さを持つその攻撃も、蠍は意に介さず無理やり振り払って動き出した。


踏みつけようとする足をなんとか飛び退いて避け、叩きつけて切り裂こうとする鋏を転がって躱す。


でも、それはいつまでも続かない。


足を避けなきゃ...鋏を避けなきゃ...と頭の中がいっぱいになり、蠍にまだ大きな武器が残っていることを失念していた。


頭上から湾曲した槍のような尻尾がルナ目がけてうねる。


「"ヘビーガード"!ニック、まずは機動力を奪え!」

「"ハイストレングス"、"オーバードライブ"!」

「遅くなって悪い!"連撃/斬鉄"!」


そんな尻尾に貫かれそうになる既のところでデリンが物質置換を解いた戦斧で間に入って防いだ。ルナの後ろからある程度蠍の攻撃手段や動き方を目に焼き付けた3人が前へと出てくる。


クライスのバフを受けたニックが硬い外殻を〈斬鉄〉で切り裂いた。豆腐のように...とはならなかったが、何度も何度も切りつけて少しずつ剥いでいく。


「"華斬"!」


脆くなった関節部に〈華斬〉が直撃すると、バキンッという何かが折れるような音と、蠍の絶叫が鳴り響いた。


「右の足が1本切れた!」

「ナイス!」

「これなら私の鞭でも少しくらいは動きを止められるよ!」

「ルナの弱体技が効いてなかったよな...なら、俺はバフに専念するか」


ここからは彼らが場を制し始めた。蠍が攻めればニックとデリンが食い止め、ルナが動きの邪魔をする。蠍が引き下がればクライスのバフを受けたニックとデリンが足や鋏を時間をかけながら切り落とす。


そうしてまた1本、また1本と足や鋏、尻尾が切り落とされていき、最後にはピクピクと微かに動く胴体だけとなった。


足の切り落とされた関節部からは緑とも黄色ともとれる色の体液がだらだらと零れ、潰れた目からは紫色の体液が滴る。


やがて生命の鼓動も止まり、零れ落ちた体液は乾き、目からは生気が消えた。最後まで動いていた尻尾の付け根もだらんと地面に垂れ下がる。


完全な生命活動の停止。


Failure(失敗)

「「「「は?」」」」

Restart(再史動)


動き出す。


再び、永久(とこしえ)に。


彼ら4人に、害を成す。

メインシナリオ半年放置はいくない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

新作始めました!ラブコメです
俺は姉と妹が大好きなのに、姉と妹は俺が大嫌いらしい
ぜひ読んでいただけたら嬉しいです!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ