一週間後にて
新キャラ登場!です(*´ω`*)
今後の重要人物になるかもしれないですよo(^o^)o
海斗が転校してきて一週間経つ頃。
少しずつクラスに馴染むようになり、周りを囲んでいた野次馬たちも日に日に減っていった。
そして、私たちとはすっかり馴染んで一緒にいる事が増え始めたのである。
彼は2日目の時に聞かれた質問に曖昧な態度をしたまま、結局うやむやになってしまった。
今更聞こうにも聞けず青葉や飛鳥と話し合い、彼から話してくれる事を待つことにしたのである。
昼休みでも、その話題に一切触れずにいつも通りの日々を過ごすようにしていた。
今、私たち4人は学校が終わり放課後になったので、恒例になった杏ノ木商店街を歩いていた。
初夏が過ぎ、日に日に暑くなっていくこの季節は、夏服でも肌に貼りついてくるので歩いているだけでも大変だった。
そこで私たちは学校からの帰り道に、最近新しく出来たというアイスクリーム店に行くことにしたのである。
その店は全国でも有名なチェーン店ではなく、個人で経営してるこじんまりとした店だった。
噂によると商店街の外れの森の近くにあり、『木漏れ日の茶会』という名前の店らしかった。
味はバニラやチョコやストロベリーなどの一般的な味に加えて、さつまいもや季節の果物、地元の特産物であるトマトやカボチャ等の野菜を使ったものも売られている。
またシャーベット状のアイスも売っており、店内は森の中にいるような木目調の洒落た空間で、流れてくるBGMもクラシックで落ち着いた雰囲気を醸し出していいる。
私たちはその店に着くと、早速各々の好きなアイスを頼んでいた。
私が頼んだのはチョコミントで、飛鳥は季節限定のモモアイスを頼んでおり、青葉は抹茶アイスで海斗はレモンのシャーベットを頼んでいた。
私たちは空いてるテーブルに着くと、夏の暑さで火照った体を店内にあるクーラーの涼しい風で冷ましていた。
しばらくすると頼んでいたアイスが届き、私たちは外の暑さで溜めてきた熱を逃がす為に食べ始めた。
「いやぁ、ほんと外は暑いな。これじゃ熱中症で死にそうだ」
飛鳥の独り言を皮切りに外の照りつける暑さにそれぞれが愚痴をこぼした。
「本当にこの暑さは尋常じゃないわ、汗も止まらないし止めて欲しいものね。」
普段愚痴なんて滅多に言わない青葉でさえも、この暑さには参っているようである。
「夏の行事は大好きだけど、さすがにこの暑さと日差しと虫は好きになれない~」
私がそう呟くと、海斗は悪戯を思いついた子供みたいな顔で、
「虫?へぇ、虫は苦手なんだぁ?」
と、私を見ながらそう言ってきたのでしまったとばかりな顔をすると余計にニヤニヤと口を三日月に細め、
「じゃあ、今度澪に蝉の抜け殻でもやるよ。それとも、本物の蝉でもやろうか?」
と言ってきたので、私は海斗を睨み黙らせることにしたのである。
「まあまあ、落ち着けって。そんなん冗談に決まってるだろ?」
「いーや、わからないね。そんなことしたら机に油性ペンで落書きしてやる。」
「うわー、それ何気に面倒くさいやつじゃん。やめろよー」
「じゃあ、やんないことだね。それよりさ、ここほんと雰囲気もインテリアも良いし味も最高に美味しいし。」
「確かにそうね、当分ここに通うかもしれないわ。」
「おっ、青葉がそんなこと言うなんて珍しいな。」
「私だって、こういうお店結構好きよ?隠れ家みたいな雰囲気もあるしね。」
「確かに。俺もここ結構気に入ったわ。電車で帰る前にでも買ってこうかな。」
「あら、この店を随分気に入ってもらえて嬉しいわ。どう?結構いい趣味してると思わない?」
と、店について話で盛り上がっているといきなり会話に交ざってくる声があった。
私たちは驚いて、その声の方を見ると店主らしき女性がテーブルの近くに立っているではないか。
「初めまして、この店のオーナーの天城 渚 と言います。よろしくね」
と、年は見た目から20代後半と思える白く整った顔で可愛らしいウインクをしながら自己紹介をした。
女である私もつい見惚れてしまったが、慌てて自己紹介をした。
私たちの自己紹介を聞くと、渚は嬉しそうに店の紹介を始めたのである。
「この店はね、元々おじいちゃんが経営してた骨董品を扱う店を改築して作ったお店なの。おじいちゃんが亡くなって、店をどうするかって話になったから私が貰い受けてこの店を新しくオープンしたってわけ。ここは訪れてくる皆の秘密の茶会場なのよ?そして、悩みとか愚痴とか色々聞いてあげる憩いの場でもあるの。ぜひ有効活用してもらいたいわ。」
「そうだったんですね…。雰囲気とかインテリアとかとても素敵でぜひまた来たいです!」
「ええ、いつでも待ってるわ。ちなみに冬はアイスクリーム店じゃなくてただの喫茶店になるの。学校でも色んな子にこの店を紹介してくれると嬉しいわ。またぜひ来てゆっくりしてちょうだいね。」
そう言うと、彼女は店の奥へ消えていった。
「ほんと綺麗な人だったね。思わず見惚れちゃったよ。」
「確かに。俺、渚さんに会いに行くためにこの店通うわ。」
「飛鳥のタイプってこんな感じなんだね……」
「チョロいな飛鳥……」
「澪も海斗もうるさいぞ。良いだろ、どんな理由で来たって!」
「はいはい、青葉もまた来るよね?」
「ええ、勿論よ。ここのファンになっちゃった。」
私たちはそう話すと、残っていたアイスを食べ終え会計を済ませた後、外へ出ると再び肌がジリジリと焼けるような暑さの中、歩いて来た道を帰るのであった。
続く
渚さんめっちゃ美人ですよ、自信を持って言えます
こんなお姉ちゃん欲しかったー!(≧口≦)
次回も楽しみに待って頂けると嬉しいです(*^▽^*)