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放課後にて

今回は説明部分が多めです(о´∀`о)


私たちの通う「私立杏ノ木(しりつあんのき)学園(がくえん)」は、埼玉県のあるのどかな町の中にあり、この学校を中心として町が栄えている。


元々、市立学校として中学校と高校は別々にあったが、小さな町であったため資金繰りが大変だった事と新しく来た高校の校長先生により合併され新しく私立学校として生まれ変わったのである。


合併した際に中高一貫高としたため、大工事が行われ東京ドーム1個分くらいの広大な敷地面積を誇っていた。


校庭やプールは別々に1つずつあり、共同で使う体育館はバレーボールのコート面が4つあるくらい大きなものであり、1棟2棟から離れた裏門に近い場所に建てられている。


学校の周りには柊、欅、銀杏、桜などが植えられており、季節ごとに景色を楽しむことが出来るようになっている。


また、中等部と高等部で棟が別れており、正面玄関から見て右側の2棟に中等部、左側の1棟に高等部という形をとっており、


中等部と高等部を繋ぐ通路が2本程あるが、生徒たちは何か無い限りは滅多に使わなかった。











私たち3人は元々、別の市立の名門中学校に通っていたが進学する際にこの学園の高等部で入ることにした。


本当はみな別々の高校に進学予定であったが、最終的に私と同じこの学園に進学する。


高等部は中等部にはない購買や自販機があり、生徒たちは授業の合間の休み時間に入るとそこへ行くのが日常である。


長い昼休みに入るとそこは人でごった返しており、購買ではパンの競争が毎日行われており自分の食べたいパンを勝ち取るのに必死であり、一種の闘技場と化していた。


私たちはそんな面倒くさいことに関わりたくないで、自宅で作ってきた弁当を一緒に食べるのである。


生徒たちはみな中等部から上がってきた者ばかりで、教室で食べることが多かったため私たちはよく人気の少ない屋上で食べることにしていた。


また、学校が大きいために近辺の町から入学する者が多いので中等部は5クラス40人編成、高等部は7クラス40人編成で構成されていた。


しかし、私たち2年2組は元々1人欠けており39人編成であったが、今回彼が来たことにより40人編成になったのである。


そのため中等部高等部合わせて650人もの人数がこの学園に在籍していることになる。


そして、登校する手段は大きく2つあり、何百段もある階段がありそこを登って登校するか、少し離れた裏門の近くの坂を自転車で登って登校するかのどちらかであった。











そして階段や坂の下には、通称杏ノ木(あんのき)商店街(しょうてんがい)が広がっており、様々な店が軒を連ねていた。


土地柄なのか人々はみな優しく暖かい人たちであるため、私はこの学校と町が大好きであり、その中でも私たちは話上手な夫婦の営むパン屋は特に好きでよく通っている。


また、古本屋を営む高齢の無口なお爺さんや元気な魚屋夫婦、駄菓子屋を営む活発なお婆さんなど個性豊かな人たちも大好きだった。


会うたび気さくに話しかけてくれる人たちの存在はとても有り難く、私がこの学園の入ることに決めた理由の1つでもある。







転校してきたばかりの彼にもその良さを伝えたくて、私たちは一軒ずつ見て回りそれぞれの店主たちに紹介することにしたのである。


最初、彼は少し緊張していたが徐々に慣れたのか店主の話を聞いたり商品を眺めたりしていた。


彼は電車で通っているらしく、紹介していた途中で時間が迫ったらしく先に帰ってしまったが、見て回っている時は少し顔を綻ばせていたように見えた。


残った私たちは、元々行く予定だったそれぞれの目的の場所を回り、時間が午後6時を回った頃に解散となる。


私と青葉はバス通いなのでバス停でそれぞれのバスを待ち、飛鳥は自転車で自宅へ帰って行った。







バスを待っている間、青葉と彼について話し合っていた。


「ねぇ、青葉はどう思う?彼の事。」


「え?別に何とも思わないけど。そう言う澪はどうなの?授業中話しかけられていたじゃない。」


「えっ、何で知ってるの!そんなに長く話してたはずじゃなかったんだけど…」


「たまたま見えたのよ。仲良く手紙みたいなの交換してたじゃない?どういう風の吹き回しかしらね?」


「いやいや、ほんとに何もないから!あれは、お礼でもらったようなものだし。それに私が恋愛とか興味ないの知ってるでしょ?」


「興味ない、と言うより恋をしたことがない、の方が正しいよね、澪の場合は。」


どこか含みのある言い方に少しむっとしたが、青葉の乗るバスが来てしまったため、自然と会話を終わらせることになったのである。


「ほんとに何もないし逆に少し苦手なだけだからね?」


念を押すように青葉にそう言うと、


「はいはい、後で好きって言っても知らないからね?」


最後にそう言ってバスに乗り、帰っていったのである。


青葉が言った最後の言葉の意味を悶々と考えていると、目的のバスが到着した。

そして、乗ってからも青葉の言葉と彼の事が頭から離れず帰路に着いた。


自宅に戻ってからは考えることを止め、夜食を軽く済ますと明日の予習をしてから、風呂に浸かり早めに眠ったのである。


この日、謎の転校生である橘 海斗に振り回された怒濤の初日を終えたのであった。











続く

ちなみに、

海斗→電車通い

飛鳥→自転車通い

青葉&澪→バス通いです!

(青葉と澪はそれぞれ違うバス)

次もぜひ読んでください(*´∀`)ノ

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