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教室にて①

記念すべき第10話です!(*´ω`*)

今回は澪の気持ち、過去が明らかになります!


学校から急いで向かったバス停では、丁度バスが来ており帰路に着いた。


家に帰っても、グルグルと頭の中で海斗の言葉が繰り返し思い出される。


私は戸惑っていた。


海斗からあんな事を言われた事に。


何故か少しだけ喜んでいる自分がいる事に。


初めての感情が私を襲い、暴れ回っていた。


そして、考えに考え悩みに悩んだ末に気づく。


私は本当の自分の気持ちを遅すぎたくらいにハッキリと理解した。


私、海斗の事が好きなんだ。海斗に恋しているんだ。


そう理解してしまうと、みるみるうちに自分の顔が赤くなっていくのが分かる。


どうしてもっと早く気づかなかったんだろう、自分の思いを気づくのが遅すぎる。


あんなに青葉に言われていたのに。私よりみんなの方が先にわかってたのに。


そう少し後悔したが、それでもこの思いに気づけた事が嬉しかった。


しかし、ふとある考えに至った。


私にはまだ彼に言ってない過去がある。

それはこの学校で青葉と飛鳥しか知らない過去であり、私が恋愛できない理由で今も苦しめられているのである。


海斗は私たちに自分の辛い過去を話してくれた。

だから、私も伝えなくてはいけない。


私は彼からこ告白の答えを言う前に、話すことにしたのである。


中学生時代に起きた、苦い過去を。














告白された次の日の朝。


私は平常を装い、いつも通りに登校した。


偶然にも、靴箱の前で海斗と会ってしまったのである。


私は驚いたが、海斗も同じように驚いていた。


それも束の間、目線を合わせずにおはよう、とだけ言うとそそくさと先に教室へ行ってしまった。


昨日今日と起こったことなので、心の整理が出来ていなかった私は会っただけでも胸がドキドキしていたのに。


海斗は、出来るだけ避けるように先に行ってしまった。


少し寂しい気持ちになったが、今はその時じゃないと自分に言い聞かせ教室に向かう。


教室に入ると、青葉と飛鳥は既に教室にいた。


いつもは入ってきた私を一瞥するとすぐ何事もなかったかのようにするのだが、今日は違かった。


二人は私に近づくと、昼休み話があるとだけ言い、自分の席へと戻っていったのである。


私は久々に3人で話せる事に嬉しく思ったが、海斗がいると思うと真剣な話をするのは話ずらいとも思ってしまった。


海斗の様子はいつもと変わらず、昼休みになる。


私たちは屋上へと向かったが、海斗の姿はなかった。


何故海斗がいないのかを聞くと、2人はいない方が話せるでしょと言い、私の気持ちを汲んでくれたようである。


「よし、誰もいないな。それじゃ澪、話したい事あるだろ?俺たちに話してくれよ。アドバイスくらいなら出来るしさ。」


そう屋上に着くなり、飛鳥は言った。


「朝から様子が違う気がしたからもしやと思ってね。悩んでる事でもあるの?それとも、海斗から告白でもされたのかしら?」


と、青葉も私の様子を心配したような事を言ってくれた。


私は、本当に2人には敵わないと思いながら昨日起きた出来事と海斗に過去を話すことを言うと、


「そんな事があったんだ………、まぁ、澪がそれで良いなら俺らは何も言わねぇよ。」


「そのまさかが当たっちゃったわね。答えがちゃんと出てるなら良いわ。過去を話すこともちゃんと伝えた方が良いしね。海斗も私たちに話してくれたんだし。」


2人は私の考えに同意してくれたのである。

つけ加えるように、2人はしみじみと思いを語った。


「まさか、澪が恋をするとはなぁ。あんなに恋に疎かったのに。明日、大雨降るんじゃないか?」


「そうね。でも、今になってやっと気づいたんだから鈍すぎるわよ。」


「ふ、2人とも結構辛辣な。大雨は降らないし、降らせないし!」


久しぶりに変わらない冗談を聞けてとても嬉しかった。


「二人と話せたおかげで元気と勇気が出たよ。話を聞いてくれてありがとう。私、頑張る。」


「おう、話を聞くぐらい当たり前だろ。伊達に幼稚園から一緒じゃねぇんだしさ。困った事があったらいつでも頼れよ。話を聞いて断られたらまた話聞くからさ。」


「飛鳥の言う通りよ。私たちずっと一緒にいるじゃない。いつでも頼ってね。振ったらぶん殴ってあげるから。まぁ、断らないと思うけどね~」


「ちょ、青葉!殴るのは俺の役目だろ!」


「いいえ、私の役目よ。殴らなきゃ私の気が済まないわ」


2人の掛け合いが面白くて久しぶりに心から笑えた。

2人がいてくれたから、私が今こうやって勇気を持てたのだと思う。


「2人とも変わってないなぁ。本当にありがとう!」


「俺らは変わらねぇよ、どんなに離れていてもな。またいつでも話してくれよ。」


「ええ、今日は飛鳥が言いたい事を全て言ってくれるわ。最近話せていなくても、私たちはずっと変わらない。大丈夫よ。」


2人が言ってくれた言葉に心が温かくなった。


話せていなかったために不安が増していたのだが、それもたった少し話せただけで吹き飛んだのである。















そして昼休みも終わり、教室へ戻ると既に海斗は自分の席に座っていた。


私は、自分の席に着くと海斗に放課後残って欲しいと伝えた。


海斗はあまり驚かず、わかったとだけ言うと始業チャイムが鳴ったのである。


そうして、この日の最後の授業も終わり放課後となる。


私たちは2人しかいない教室で互いに向き合っていた。


束の間の沈黙が2人の間を流れる。


先に言葉を発したのは海斗の方であった。


「今日、残って欲しいって言ったのはもしかして昨日の事?」


「うん。答えは出てるの。でも、その前に話しておきたい事があって。先に、私の話を聞いてもらってそれで海斗の気持ちを聞かせて欲しいの。」


そう、残ってもらった理由を一通り述べると、海斗は


「そうか。例えどんな話でも俺は澪を受け入れるし、俺が澪を好きな気持ちは変わらない。話を聞かせてくれないか?」


と、言ってくれた。その言葉だけでも嬉しくてつい微笑んでしまった。


しかし、これから私が話すことは笑って話せる事じゃないから気を引き締めて話始めるのであった。


「そう言ってくれて、本当にありがとう。

それじゃあ、話すね。私は今まで恋をしたことがないの。

私は恋をするのが怖かった。どうしてかと言うと、中学校の時に起きた苦い嫌な過去が原因であるんだけど……」


久しぶりに胸の奥深くに閉じ込めた、苦い思い出を頭に浮かべながら話す。
















それは、中学生になったばかりの頃であった。


私は小学校を卒業し市立の中学校へと進学した。


市の中でも偏差値の高い中学であり、小学校で一定の優秀な成績を修めていなければ入学出来ない進学校でもあったのである。


私たち3人は、お互い切磋琢磨してきた仲であるため他の生徒より頭1つ抜きん出ていた。

そのため、難なく入学することが出来たのである。


入学した当時は、他の小学校から来た新しい友達と楽しく仲良く過ごしていた。


中学に慣れ始めたある日、同じ小学校から来たある男子が私が「イケメン」と呼ばれていた噂を流したのである。


最初はみな、噂を信じずその男子をバカにしていた。


しかし、私がある日幼稚園で起きていたいじめと似たような事が行われていた場所を見かけ、つい首を突っ込んで助けてしまった。


いじめていた男の子たちの中には、噂を流した男子もいたのである。


実はその男子は、幼稚園の時もいじめていた男子たちの1人であり、後に知ったがその男子はその時こてんぱんにされたのをずっと根に持っており、噂を自ら流して私の足を引っ張るために色々手を尽くしていたらしい。


本当にその男子は今でも嫌いで、顔も見たくないとも思ってしまっている。


そして、あえて幼稚園と似た状況を作ってまで再び噂を流した。

私は、まんまと彼の策略に嵌まってしまった。


噂を流されて皆が信じ始めたその日から私はまた「イケメン」と呼ばれる毎日が始まったのである。


私は、ただ平穏な日々を過ごしたかった。

皆と何気ない事で笑い合っている理想の日々は打ち砕かれたのである。


周りからは好奇と羨望の混じった目で見られ、男子からは憧れのような目で見られるようになった。

一部の男子からは、告白もされるようになった。


しかしそれも束の間、噂を流した男子から根も歯もない噂を次々とでっち上げられ、徐々に嘲笑や馬鹿にするような目で見られるようになる。


廊下を歩くと聞こえてくるヒソヒソと話す声が、私の噂を口にしていると思うようになった。


たまに一部の女子からイケメンと呼ばれ、その言葉の意味に馬鹿にするような嫌がらせが含まれている事もあった。


体育など面倒な役があると「イケメンだから出来るよね」の一言で私に押し付けたり、わざとらしく困っているフリをして「イケメンだから助けてくれるよね」など、何でもかんでも私を頼るようになっていたのである。


影でクスクスと笑われるのにも関わらず私は彼女たちを助けてあげていた。


加えて、青葉や飛鳥も私の傍を離れなかったために、同じように嫌がらせを受けていたのである。


青葉は感情のないロボットのようだと言われ、飛鳥は女好きなど、散々な事を言われた。


私は2人にも迷惑をかけている事が耐えられなかった。

そして、2人まで馬鹿にされる事も嫌であったのである。


下の学年にはそんな噂が流れなかったため、憧憬や羨望の眼差しで見られ、その眼差しが二重苦のように私を苦しめる。


私が学校に行かなくなるのに、そう時間はかからなかった。

















家にいても何も知らない家族は心が弱いからだと責められ、何度も一刻も早く登校するように言われた。


家族は家柄的に、長女である私が学校に行かない事がどうしても許せなかったのだろう。


私は部屋に引きこもってしまった。


昼も夜もわからなくなり、目覚めては寝てを繰り返していた。


私は、いつか死ぬんじゃないか。そう思うようになっていたのである。


部屋に引きこもって1ヶ月経ったある日。


部屋にあったお菓子も底を尽き、家に誰もいない事を確かめるとそっと冷蔵庫に向かった。


不意にダイニングテーブルを見ると、そこには母が作ったとおぼしき料理が置いてあったのである。


ご飯、白菜の味噌汁、焼き鮭、ほうれん草のおひたし、玉子焼き。

どれも美味しそうであった。そして、メモが置いてあることに気づく。


手紙は、母が私に宛てたものだった。


「澪へ

最近全く顔を出さないじゃない。元気かしら?

具合はどう?お腹空いたら食べてね。

父さんは厳しい事を言っていたけれど、母さんは澪が行きたくないなら行かなくていいと思うわ。

嫌な事があったら、辛い事があったらいつでも頼りなさい。

私たちに何も言わないなんて寂しいじゃないの。母より」


そう書いてあった。私は涙が止まらなくなっていた。


私が学校に行かないと言った日、唯一何も言わなかったの

が母だったのである。


私は傷つき空っぽになってしまった心が、温かくなるのを感じていた。


その日の夜、私は引きこもっていた部屋から出て家族に全てを話した。


両親は、何も言わず黙って話を聞いてくれたのである。


話終えると、両親は私を抱き締め涙を流していた。


責めた事に対する謝罪、気づいてあげられなかった悔しさ、話してくれた喜び。


私は両親の涙に、その全てが含まれている事を知っていた。

その気持ちだけでもとても嬉しかった。


そして数日後、私は再び学校に通うことを決意する。


再び学校に通う前に、青葉と飛鳥の2人に話しておきたかったため会いに行くことにしたのであった。














続く

では、第4回人物紹介です!

今回は容姿端麗、沈着冷静のクールビューティー「中村 青葉」さんです!


青「初めまして。中村 青葉と言います。

誕生日は2月7日 血液型はAB型です。

よくミステリアスとかクールビューティーとか言われますが、私はただ静かでいたいだけです。

最近は、熊のキャラクターの「ゆるぐま」のストラップを集めるのが趣味です。

よろしくお願いしますね。」


とのことでした!いやぁ、大人びている!でも、不器用な方なんですよ…可愛いところもあるんです……!

もっと可愛い表情を引き出させたい……!

そんなわけで、次回もどうぞよろしくお願いします!!

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