用語解説05.魔法☆
魔術の系統は、「用語解説07.学派」を参照。
呪文の例は、「用語解説04.封印」と「用語解説11.呪符」を参照。
◆力ある言葉
数千年前に開発された魔力を制御する為の言語。
自然言語ではなく、言葉の組み合わせ……術式によって、文字を書くか、発声することで効力を発揮する。
文字と発声の組み合わせで発動する術は、文字が正しく書かれていれば、発音が多少外れていても、認証される。
呪符は、それに書かれた呪文を唱えることで、籠められた魔力を消費し、効力を発揮する。【魔除け】など、持っているだけでは、効果がないものが多い。
日之本語や共通語など、よく耳にする自然言語にはない発音も多い。これを間違えず、正確に発音しなければならない。
呪文の詠唱例:「野茨の血族」「飛翔する燕」などで何度も登場。
文字を書く例:「野茨の血族」で、政晶が奉納した剣舞は、建国王の剣を持って宙に文字を書いている。
◆呪文
力ある言葉で組み上げた魔法の呪文は、魔力が顕現する効果や、範囲を限定する為の制御コード。
強い魔力を持つ者なら、強く念じて自然言語で声に出して命令するだけで、結果が発現する。
効果と範囲を制限せず、思いのままに魔力を揮うと、その者の魔力の強さによっては、災害級の大惨事を招くことになる。
例:非常に強い魔力を持つ者が、憎しみをこめて「死ね」と命じれば、対象者は死んでしまう。何の制限もかけずに行えば、魔力が届く範囲内の生物が、無差別に巻き添えになる。
例:癒しの術であっても、魔力が正しく制御されていなければ、細胞が無制限に増殖し、生き物の姿を保てなくなってしまう。
◆魔法
魔力を制御し、効果などを限定する技術体系を「魔術」と呼ぶ。
魔力の制御方法、効果などの限定方法を「魔法」と呼ぶ。魔術と魔力の使い分けは、あまり意識されず、混同されがち。
魔法の行使には、本人の魔力(霊的資質)の他、魔力を引き出し、世界に作用させる能力(身体的な資質)が必要。
魔力があっても作用力がない者には、魔法を使えない。(呪具を使えば、宝石類に自分の魔力を充填することは可能。呪符や呪具などは、自前の魔力で使用できる)
魔力のない者は、同時に作用力も持っていない。
作用力は遺伝するが、胎内の環境によっては、稀に発現しない場合がある。また、修行によってある程度、鍛えることが可能。
例:巴家の三つ子の政治、経済、宗教は、政治と経済&宗教の二卵性。
政治は魔力も作用力もない。半視力。
経済は魔力はあるが、作用力がない(呪いの影響で作用力に障碍)見鬼。
宗教は魔力と作用力がある(呪いの影響で身体に障碍)三界の眼。
◆呪符師
呪符の作成を専門とする職人。
呪符に魔力を籠めるのは、呪符の作成者と同一人物である必要はないが、その場合、魔力の充填には時間が掛かる。
呪符師の例:「虚ろな器」に登場した〈筆〉先生は、魔力を持っているので、自分で魔力を籠められる。また、呪符魔術の授業で、生徒たちも呪符を作っていた。
◆真名の支配
魔力を籠めて真名を呼び、力ある言葉で命令すると、対象を支配することができる。
魔力が強ければ、命令に使用する言語は、力ある言葉である必要すらない。
抵抗は、魔力と精神力での力比べになる。
魔法文明圏の人々にとって、真名を知られることは即ち、自身の生命を支配されることと同義。
この為、魔法文明圏では、真名を名乗る習慣がない。
真名による支配の例:「汚屋敷の兄妹」の113.排除-兄で、双羽隊長がゆうちゃんを支配。
普段使いの呼び名がなければ不便なので、家紋や職業、肩書、誕生日の星や花、天気などを呼称にする。
王家など人数の多い名家は、個人の徽を決め、それを呼称にしている。
真名は、親兄弟、夫婦などの親しい家族以外には知らせない。家庭によっては、兄弟にも教えない。
魔法文明圏で「あなたの真名を教えてください」は求婚の言葉として一般化している。
家紋を呼称にした例:「飛翔する燕」の雪晶、太陽隊長、双羽隊長、三枝副隊長など。
天気を呼称にした例:「飛翔する燕」の霧
星を呼称にした例:「飛翔する燕」の雪羊、「雪とキノコ」と「虚ろな器」の双魚=学院内では日之本帝国語で「そうぎょ」と称している。
花を呼称にした例:「飛翔する燕」の茜
個人の徽を呼称にした例:三つ首山羊の王女、黒山羊の王子
職業と肩書の例:「野茨の血族」の外交官、在日之本帝国ムルティフローラ大使。
「虚ろな器」の国立魔道学院では、校則で本名を名乗ることを禁止し、学院内での呼称用にバッジを付けている。
▲学院内での呼称用のバッジのデザイン例。志方はこの中から〈輪〉を選んだ。
◆魔道士の涙
魔力を持つ者の遺体を灰にすると、残留魔力が凝集し、結晶化する。結晶は【魔道士の涙】と呼ばれる。
水晶に似た結晶で、大きさは享年による。中に魔力を蓄える性質があり、色や容量などは人によって異なる。
術で本人の魂を封入し、人格と記憶を保持することも可能だが、輪廻の理から外れる為、余程の事情がない限り、行われない。
同じ大きさなら、水晶よりサファイア、サファイアより、【魔道士の涙】の方が、より多くの魔力を蓄積できる。
また、【魔道士の涙】は、涙そのものに術を掛けて使うことができる。
例えば、氷の術なら、冷気の発生源として冷蔵庫の代わりに、炎の術なら、暖炉の代わりになる。
中の魔力が尽きるか、術を解除するまで、効力は持続する。
【魔道士の涙】は売買を禁じられているが、サファイアなどとは、比べものにもならない高値で闇取引されている。
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